ゾルゲンスマ髄注
医療用
医療用医薬品:
医師の処方により使用する医薬品
医師の処方により使用する医薬品
医薬品コード(YJコード):4900404X2026
- 収載区分
- 銘柄別収載
- 先発・後発情報
- 先発品(後発品なし)
- オーソライズド
ジェネリック - -
- 一般名
- オナセムノゲン アベパルボベク
- 英名(商品名)
- Zolgensma
- 規格
- 1患者当たり
- 薬価
- 167,077,222.00
- メーカー名
- ノバルティス ファーマ
- 規制区分
- -
- 長期投与制限
- -
- 標榜薬効
- アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター
- 色
- -
- 識別コード
- -
- [@: メーカーロゴ]
- 添付文書
-
PDF 2026年4月改訂(第1版)
- 告示日
- 2026年5月19日
- 経過措置期限
- -
- 医薬品マスタに反映
- 2026年6月版
- 医薬品マスタ削除予定
- -
- 運転注意
- 情報なし(使用の適否を判断するものではありません)
- ドーピング
- 禁止物質なし(使用の適否を判断するものではありません)
- CP換算
- -
- 長期収載品選定療養
- -
[識別コードの表記 @: メーカーロゴ]
改訂情報
-
効能効果
脊髄性筋萎縮症(ただし、抗AAV9抗体が陰性の患者に限る)。
(効能、効果又は性能に関連する注意)
5.1. SMN1遺伝子の両アレル性の欠失又は変異が確認された患者に投与すること。
5.2. 2歳以上の患者に投与すること。
5.3. 18歳以上の患者については、臨床所見の発現の有無、他のSMA治療薬による治療歴の有無等を踏まえ、他の治療選択肢について十分検討し、本品投与のリスクとベネフィットを考慮した上で投与の必要性を判断すること。
5.4. SMN2遺伝子のコピー数が4以上の臨床所見が発現する前の患者については、無治療経過観察及び他のSMA治療薬による治療の選択肢についても十分検討し、本品投与のリスクとベネフィットを考慮した上で投与の必要性を判断すること。
5.5. 疾患が進行した患者(永続的な人工呼吸が導入された患者等)における有効性及び安全性は確立していないことから、これらの患者に投与する場合には、リスクとベネフィットを十分考慮すること。
5.6. 承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いた検査により抗AAV9抗体が陰性であることが確認された患者に投与すること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、次のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html。
用法用量
通常、1.2×10の14乗ベクターゲノム(vg)を約1~2分かけて髄腔内に単回投与する。オナセムノゲン アベパルボベクの投与歴(投与経路は問わない)がある患者には本品を投与しないこと。
(用法及び用量又は使用方法に関連する注意)
7.1. 本品投与により肝機能障害が発現することがあることから、次の投与方法を参考にプレドニゾロンの投与を行うこと〔8.3、9.3肝機能障害患者の項、11.1.1参照〕。
[プレドニゾロンの投与方法]
本品の投与24時間前にプレドニゾロンを1mg/kg/日(最大60mg/日)で投与し、その後、本品の投与後30日間はプレドニゾロンを1mg/kg/日(最大60mg/日)で継続する。
プレドニゾロンを30日間継続した時点で、ASTが基準値上限の2倍以下及びALTが基準値上限の2倍以下である場合には、その後4週間以上かけてプレドニゾロンを漸減し(最初の2週間は0.5mg/kg/日(最大30mg/日)、次の2週間は0.25mg/kg/日(最大15mg/日))、プレドニゾロンを中止する。
プレドニゾロンを30日間継続した時点で、ASTが基準値上限の2倍を超えていた及びALTが基準値上限の2倍を超えていた場合には、AST・ALTがULN2倍以下、他の肝機能検査値が正常範囲内に回復までPSL1mg/kg/日(最大60mg/日)で継続、その後4週以上かけ漸減(最初2週0.5mg/kg/日(最大30mg/日)、次2週0.25mg/kg/日(最大15mg/日))、中止する(ULN:基準値上限、PSL:プレドニゾロン)。
なお、原則としてプレドニゾロンは経口投与する。
プレドニゾロンが不耐容等でプレドニゾロンが投与できない場合には、その他の副腎皮質ステロイドをプレドニゾロン換算で同等量投与すること。
警告・禁忌・相互作用・その他の注意
(警告)
関連学会の定める適正使用指針を遵守し、脊髄性筋萎縮症に関する十分な知識及び経験を有する医師が本品の臨床試験成績及び有害事象等の知識を十分に習得した上で、脊髄性筋萎縮症の治療に係る体制が整った医療機関において、本品が適切と判断される症例についてのみ投与すること。
(禁忌・禁止)
2.1. 再使用禁止。
2.2. 本品の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
8.1. 本品の投与にあたっては、疾病の治療における本品の必要性とともに、本品の有効性及び安全性その他本品の適正な使用のために必要な事項について、患者又は代諾者に文書をもって説明し、同意を得てから本品を投与すること。
8.2. 本品はヒト・動物由来の原材料を使用して製造されている。ヒト・動物由来の原材料については安全性確保のためウイルス試験等を実施しているが、ヒト・動物由来の原材料に起因する感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため、本品の投与に際しては臨床上の必要性を十分に検討すること。
8.3. 本品の投与前に肝機能検査(臨床症状、AST、ALT、総ビリルビン及びプロトロンビン時間等)を行うこと。本品の投与後3ヵ月間(1ヵ月間は週に1回、その後は2週に1回)は肝機能検査を実施し、「7.用法及び用量又は使用方法に関連する注意」に従いプレドニゾロンの投与を行うこと〔7.1、9.3肝機能障害患者の項、11.1.1参照〕。
8.4. 本品の投与初期に血小板数減少することがあるため、本品の投与前及び投与後は定期的(少なくとも1ヵ月間は週に1回、さらに臨床上必要な場合はベースラインに戻るまで)に血小板数を測定すること〔11.1.2参照〕。
8.5. 末梢性感覚ニューロパチーがあらわれることがあるので、症状があらわれた場合は神経学的評価及び神経学的検査を行い、適切に管理し、また、患者、患者の家族又は介護者に対し、手足のしびれ感やピリピリ感などの症状があらわれた場合には医師に連絡するよう指導すること(脊髄性筋萎縮症の自然経過の一部として末梢性感覚ニューロパチーを示唆する感覚症状が発現することがある)〔11.1.3参照〕。
8.6. 血栓性微小血管症があらわれることがあるため、紫斑、嘔吐、乏尿等の臨床症状の発現に注意し、定期的に血液学的検査及び腎機能検査を行うなど十分に観察すること〔11.1.4参照〕。
8.7. 予防接種スケジュールは、プレドニゾロンの投与状況に応じて適切に調整すること。プレドニゾロン投与中に、やむを得ず予防接種を受ける場合は、プレドニゾロン投与量を考慮して、予防接種の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種を受けさせること(なお、各ワクチン製剤の電子添文を必ず確認すること)。
8.8. 髄腔内注射前後に患者を評価し、腰椎穿刺に関連する重篤な合併症の可能性を確認すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(肝機能障害患者)
肝機能障害患者:肝機能障害を悪化させるおそれがある。また、急性ウイルス性肝炎等の肝機能障害のある患者では症状が悪化するおそれがある〔7.1、8.3、11.1.1参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(マウスを用いた胚・胎仔発生試験において、妊娠6日目に臨床用量の7倍以上に相当する用量を静脈内投与した結果、母動物毒性、胚・胎仔毒性、催奇形性、胎仔生存率の低下は認められず、マウス胎仔への本品移行は確認されなかったが、ヒト胎児への移行は不明である)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本品のヒトにおける乳汁への移行は不明である)。
(適用上の注意)
14.1. 調製時の注意
14.1.1. 本品は無菌的に調製すること。
14.1.2. 凍結された本品は2~8℃で約4時間、又は室温にて約1時間で解凍する(解凍した本品は再凍結しないこと)〔19.3参照〕。
14.1.3. 解凍後の本品は振とうしないこと。
14.1.4. 投与前に本品の状態を確認し、粒子状物質や変色が認められた場合には、本品を投与しないこと。
14.1.5. 投与用注射筒に本品3mLをバイアルから採取後投与する(速やかに投与しない場合2~8℃で24時間保存できるがそのうち室温保存は最大5時間までとし、採取後24時間以上経過した場合は本品を投与せず廃棄する)。
14.2. 投与時の注意
14.2.1. 患者の臨床状態に応じて鎮静剤の投与を検討すること。
14.2.2. 本品の髄腔内注射を行う際には、確実に髄腔内に刺入できるよう、超音波画像等の利用を考慮すること。
14.2.3. 本品投与前に腰椎穿刺針を用いて脳脊髄液3mLを除去すること。
14.2.4. 使用後の本品、バイアル及び投与用注射筒等は、感染性廃棄物として、各医療機関の手順に従って密封等を行い、適切に廃棄すること。
(その他の注意)
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 本品の成分に含まれるアデノ随伴ウイルス9型のカプシドを有するヒトSMNタンパク質を発現する非増殖性遺伝子組換えアデノ随伴ウイルスについては、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」に基づき承認された第一種使用規程が定められていることから、本品の使用にあたっては第一種使用規程を遵守する必要があることに留意すること。
15.1.2. 本品投与後、患者の排泄物等に一時的に本品ベクターが含まれるため、患者の家族又は介護者に、本品投与2週間後までは、排泄物等を適切に処理するために手指衛生の実施を指導すること〔16.1参照〕。
15.1.3. 本品の安全性及び有効性に対する影響は明らかではないが、本品の投与後に血清中抗AAV9抗体価増加が認められている。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. 幼若カニクイザルを用いた単回髄腔内投与(1.2×10の13乗、3.0×10の13乗、6.0×10の13乗vg/animal)毒性試験において、脊髄後根神経節に炎症性単核細胞及び脊髄後根神経節に神経変性及び三叉神経節に炎症性単核細胞及び三叉神経節に神経変性、並びに脊髄軸索変性又は脊髄神経膠症が認められている(本所見は非進行性であり、1.2×10の13乗vg/animal群(臨床用量に相当)では投与52週間後の検査で発現率及び重篤度の低下がみられたことから部分的又は完全な回復性が示された)。これらの所見の臨床的意義は不明である。
15.2.2. 本品に使用されている本品と同じカプシドを有するウイルスベクターをカニクイザルに髄腔内、大槽内及び静脈内投与した結果、雌の卵母細胞への形質導入が確認された。
15.2.3. 雄マウスを用いた単回静脈内投与による受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験において、肝臓及び精巣で本品のゲノムDNAが検出された。マウスを用いた胚・胎仔発生に関する試験において、母動物は肝臓、卵巣、卵管、胎盤及び子宮で本品のゲノムDNAが検出されたが、胎仔のいずれの臓器でも本品のゲノムDNAは検出されなかった。
(貯蔵方法及び有効期間等)
19.1. 貯蔵方法
-60℃以下。
19.3. 本品は、凍結した状態で医療機関に納入され、本品の受領後速やかに、2~8℃で保存し、14日間保存できる〔14.1.2参照〕。
副作用
次の副作用・不具合があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 肝機能障害(7.1%)、肝不全(頻度不明):肝酵素上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、プレドニゾロンの投与を継続する等の適切な処置を行うこと〔7.1、8.3、9.3肝機能障害患者の項参照〕。
11.1.2. 血小板減少症(0.8%):本品の投与後初期に一過性血小板数減少し、血小板減少症に至ることがある。本品の投与後に血小板数異常が認められた場合には、正常範囲に回復するまで血小板数を測定し、適切な処置を行うこと〔8.4参照〕。
11.1.3. 末梢性感覚ニューロパチー(1.6%):臨床試験で本品投与後約3週間に末梢性感覚ニューロパチーが認められている。ニューロパチーの症状は長期の管理を必要とすることがある〔8.5参照〕。
11.1.4. 血栓性微小血管症(頻度不明):破砕赤血球を伴う貧血、血小板減少、腎機能障害等が認められた場合には適切な処置を行うこと〔8.6参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 感染症:(1%未満)上気道感染。
2). 神経系障害:(1%~10%未満)頭痛、浮動性めまい、感覚鈍麻、錯感覚。
3). 胃腸障害:(1%~10%未満)嘔吐。
4). 筋骨格系及び結合組織障害:(1%未満)四肢痛。
5). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(1%~10%未満)発熱。
薬物動態
16.1 排出
海外第III相試験(B12301試験)及び国際共同第III相試験(B12302試験)において、脊髄性筋萎縮症患者に本品1.2×10の14乗vgを単回髄腔内投与したときの糞便、尿、唾液及び鼻汁中の本品ゲノムDNA濃度について、75%以上の患者で定量下限値(糞便:1.25×10の5乗vg/g、尿:1.72×10の4乗vg/mL、唾液:1.25×10の4乗vg/mL、鼻汁:5.38×10の3乗vg/swab)未満となった時点は、本品投与後4週目、1週目、3週目及び10週目であった。本品のゲノムDNAは主に糞便を介して排出され、本品ゲノムDNAの90%は投与後2週目までに排出された(日本人及び外国人データ)。[15.1.2参照]
臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 海外第III相試験(B12301試験)
5qSMAと診断され、支えなしで座位は可能だが、補助なしで歩行は不可能、抗AAV9抗体を有しない未治療の2~18歳未満の脊髄性筋萎縮症患者126例を対象としてランダム化、シャム対照、二重盲検試験を実施した。なお、本試験は主要評価期である評価期1(52週間)とそれに続く評価期2(12週間)で構成された。
主要評価項目である「Hammersmith Functional Motor Scale-Expanded(HFMSE)スコアのベースラインから評価期1の終了時の変化量(2~18歳未満)」は、次表のとおりであった(2024年11月12日データカットオフ)。
副作用(評価期1)の発現率は36.0%(27/75例)であり、主な副作用は頭痛6例(8.0%)、嘔吐5例(6.7%)、悪心4例(5.3%)であった。
HFMSEスコアのベースラインからの変化量(2~18歳未満、FAS)
<<表省略>>
17.1.2 国際共同第III相試験(B12302試験)
SMN1遺伝子の両アレル性の欠失を認めて脊髄性筋萎縮症と診断され、支えなしで座位は可能だが、補助なしで歩行は不可能、抗AAV9抗体を有しないヌシネルセン又はリスジプラムによる治療歴を有する2~18歳未満の脊髄性筋萎縮症患者(投与例:27例、日本人4例を含む)を対象として非盲検、単群の試験を実施した。なお、投与前の脊髄性筋萎縮症の治療歴[平均値(標準偏差)]は、ヌシネルセンが4.321(1.0704)年、リスジプラムが2.976(2.0243)年であった。HFMSEスコア及びRULMスコアのベースラインからの投与52週後の変化量の平均値(標準偏差)は、それぞれ0.17(2.878)点及び0.29(2.849)点であった。
副作用の発現率は48.1%(13/27例)であり、主な副作用は嘔吐6例(22.2%)、頭痛4例(14.8%)、発熱3例(11.1%)、悪心2例(7.4%)であった。
薬効薬理
18.1 作用機序
髄腔内に投与された本品は、患者の運動ニューロン又は筋細胞等に感染し、ヒトSMNタンパク質を効率的に発現することで、脊髄性筋萎縮症に対する作用を示すと考えられている。なお、本品に搭載された遺伝子発現構成体は、標的細胞の染色体に組み込まれることなくエピソームとして核内に存在し、ヒトSMNタンパク質は長期間安定して発現する。
医師の処方により使用する医薬品。
