いろいろな医薬品コード~銘柄別収載品と統一名収載品の関係~

医療機関などで保険診療に用いられる医療用医薬品は、官報に告示され薬価基準に収載されたものであり、薬価基準とは、保険診療に使用できる医薬品の品目と価格を厚生労働大臣が定めたものです。
この薬価基準に収載される方式には「銘柄別収載方式」と「統一名収載方式」の2種類があります。今回は、これらの収載方式と医薬品コードについて説明します。

銘柄別収載方式

銘柄別収載方式とは、医薬品の銘柄(個々の商品名)ごとに収載する方式です。
原則として、この方式で収載されている医薬品は、同じ一般名(同一組成・同一規格)を持つ医薬品であっても、銘柄(個々の商品名)ごとに異なる薬価が定められています。
また、何らかの理由で製造や販売が中止されることになった医薬品は、猶予期間を設けられた後、薬価基準から削除されます。
この猶予期間を設けられた医薬品を「経過措置品目」といいます。
銘柄別収載品目は、薬価基準の経過措置品目への移行についても銘柄(個々の商品名)ごとに官報に告示されます。

銘柄別収載方式で収載される医薬品は、次に説明する「統一名収載方式」で収載される医薬品以外の品目で、先発医薬品を始めとした多くの医薬品がこの方式で収載されています。

統一名収載方式

統一名収載方式とは、成分、剤形、規格および薬価によって統一名で収載する方式です。
この方式で収載される医薬品は、個々の商品名では官報に告示されず、「統一名収載品目の一般名称」として官報に告示されます。
このため、官報で具体的な商品名を確認することはできません。
同様に、統一名収載品目は、薬価基準の経過措置品目への移行についても個々の商品名による官報での告示はありません。

統一名収載方式で収載される医薬品は、日本薬局方収載医薬品(局方品)、生物学的製剤基準収載医薬品の一部(ワクチン・血液製剤など)、生薬の一部、および一般名収載品目などが該当します。
このうちの「一般名収載品目」とは、銘柄間の価格差が著しい品目において、低価格※1に属する医薬品をいいます。
※1:2016年9月現在では、組成、剤形区分および規格が同一である品目のうち、最高薬価の30%を下回るものが該当します。

官報における銘柄別収載品目と統一名収載品目

「銘柄別収載品目」と「統一名収載品目」について、実際の官報の記載と照らし合わせた具体例で説明をします。

例)官報の記載とその品目

収載方式と医薬品コード

銘柄別収載品目と統一名収載品目における医薬品コード※2[薬価基準収載医薬品コード、個別医薬品コード(以下、YJコード)、レセプト電算処理システム用コード(以下、レセ電算コード)]との関係について説明します。
※2:各コードについて、詳しくはいろいろな医薬品コードをご参照ください。

例)カルシトリオールカプセル(規格0.5μg1カプセル)の場合

1.銘柄別収載品目の医薬品コード
銘柄別収載品目は、先発医薬品や後発医薬品などの種別にかかわらず、薬価基準収載医薬品コードとYJコードは同一のコードが付与されます。
また、銘柄別収載品目のレセ電算コードは1商品名につき1つのコードが付与されます。
①の「ロカルトロールカプセル0.5」は先発医薬品で、薬価基準収載医薬品コードおよびYJコードとして「3112004M2020」、レセ電算コードとして「613110018」が付与されています。
②の「カルデミンカプセル0.5μg」は後発医薬品で、薬価基準収載医薬品コードおよびYJコードとして「3112004M2178」、レセ電算コードとして「622082601」が付与されています。

2.統一名収載品目の医薬品コード
統一名収載品目は、包括されて収載される一般名称とそれぞれの商品の場合で、医薬品コードとの関係が異なります。

1).統一名収載品目の一般名称の場合
銘柄別収載品目と同様に、薬価基準収載医薬品コードとYJコードは同一のコードが付与され、レセ電算コードは1つのコードが付与されます。
③の「カルシトリオール0.5μgカプセル」は一般名称で、薬価基準収載医薬品コードおよびYJコードとして「3112004M2011」、レセ電算コードとして「610461111」が付与されています。

2).統一名収載品目の商品の場合
薬価基準収載医薬品コードは、統一名収載品目の一般名称と同じコードが付与されます。
そのため、複数の商品が存在する場合であっても、薬価基準収載医薬品コードはすべて同じコードが付与されます。
一方、YJコードは、個々の商品名ごとに異なるコードが付与されます。
④の「カルミサールカプセル0.5」「トルシトリンカプセル0.5」などが統一名収載品目の商品に該当します。
これらの医薬品の薬価基準収載医薬品コードは、統一名収載品目の一般名称の「カルシトリオール0.5μgカプセル」と同じ「3112004M2011」が付与されていますが、YJコードについては「カルミサールカプセル0.5」は「3112004M2089」、「トルシトリンカプセル0.5」は「3112004M2100」と、それぞれ異なるコードが付与されています。
また、レセ電算コードは、統一名収載品目の一般名称と同一のレセ電算コード(統一名レセ電算コード)の他に、個々の商品名に対するレセ電算コード(商品名レセ電算コード)が付与されることがあります。
例えば、「カルミサールカプセル0.5」の場合、統一名収載品目の一般名称の「カルシトリオール0.5μgカプセル」と同一のレセ電算コードである「610461111」の他に、商品名固有のレセ電算コードである「610406095」も付与されています。
この場合は、「統一名レセ電算コード」と「商品名レセ電算コード」のどちらのコードでもレセプト請求が可能です。

薬価基準制度のこれから

今回は、薬価基準に収載される2つの方式とその医薬品コードとの関係について説明をしましたが、どちらの収載方式の医薬品であっても、患者さんが医療機関で医薬品を処方され受け取るまでの流れは同じであるため、一般的にはあまり知る機会がない情報です。
しかしながら、昨今問題となっている増加する国民医療費において、薬の占める割合が注目を集めており、医療制度改革において、薬価基準制度は見直すべき点のひとつと言えるでしょう。

―参考資料―
厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/
薬価基準のしくみと解説 2014
スキルアップのための添付文書自由自在
保険薬事典Plus+ 平成28年4月版

(2016年9月更新)

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