イドビンソ配合錠
医療用
医療用医薬品:
医師の処方により使用する医薬品
医師の処方により使用する医薬品
- 収載区分
- 銘柄別収載
- 先発・後発情報
- 先発品(後発品なし)
- オーソライズド
ジェネリック - -
- 一般名
- ドラビリン・イスラトラビル水和物錠
- 英名(商品名)
- Idvynso
- 規格
- 1錠
- 薬価
- 6,610.50
- メーカー名
- MSD
- 規制区分
- -
- 長期投与制限
- -
- 標榜薬効
- 抗HIV薬〔非核酸(非ヌクレオシド)系HIV逆転写酵素阻害薬(NNRTI)〕・抗HIV薬〔核酸(ヌクレオシド)系HIV逆転写酵素トランスロケーション阻害薬(NRTTI)〕
- 色
- ピンク
- 識別コード
- (本体)772
- [@: メーカーロゴ]
- 添付文書
-
PDF 2026年3月改訂(第1版)
- 告示日
- 2026年4月14日
- 経過措置期限
- -
- 医薬品マスタに反映
- 2026年5月版
- 医薬品マスタ削除予定
- -
- 運転注意
- 情報なし(使用の適否を判断するものではありません)
- ドーピング
- 禁止物質なし(使用の適否を判断するものではありません)
- CP換算
- -
- 長期収載品選定療養
- -
[識別コードの表記 @: メーカーロゴ]
外形画像
改訂情報
-
効能効果
HIV-1感染症。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤は、ウイルス学的失敗の経験がなく、切り替え前3ヵ月間以上ウイルス学的抑制が得られており、ドラビリン又はイスラトラビルに対する耐性関連変異を持たず、本剤への切り替えが適切であると判断される抗HIV薬既治療成人患者に使用すること〔18.3.1、18.3.2、18.4参照〕(ウイルス学的抑制:HIV-1 RNA量が50copies/mL未満)。
5.2. 本剤による治療にあたっては、患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。
5.3. 本剤はドラビリン及びイスラトラビル水和物の固定用量を含有する配合剤であるので、ドラビリンの用量調節が必要な患者には個別のドラビリン製剤(ピフェルトロ錠)を用いること〔7.2、7.3参照〕。
用法用量
通常、成人には、1回1錠(ドラビリンとして100mg及びイスラトラビルとして0.25mgを含有)を1日1回経口投与する。本剤は食事の有無にかかわらず投与できる。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤は1日1回できるだけ同時刻に服用し、できなかった場合、予定時刻から12時間以内は1回分服用し通常服薬スケジュールに戻し、12時間を超えた場合は服用せず次の予定時刻に1回分服用し、1度に2回分を服用しないこと。
7.2. 本剤とリファブチンを併用して服用する場合は、本剤服用後約12時間の間隔を空けてドラビリン単剤100mg1錠を服用すること(なお、リファブチンの併用を中止した場合は、ドラビリン単剤の服用も中止すること)〔5.3、7.3、10.2、16.7.2参照〕。
7.3. 本剤はHIV-1感染症に対して1剤で治療を行うものであるため、他の抗HIV薬<ドラビリンを追加投与する必要がある場合を除く>と併用しないこと〔5.3、7.2参照〕。
警告・禁忌・相互作用・その他の注意
(禁忌)
2.1. カルバマゼピン投与中、フェノバルビタール投与中、フェニトイン投与中、ホスフェニトイン投与中、エンザルタミド投与中、アパルタミド投与中、リファンピシン投与中、ミトタン投与中、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品摂取中(St.John’s Wort)、ラミブジン投与中、エムトリシタビン投与中の患者〔10.1参照〕。
2.2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
8.1. 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又はそれに代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
・ 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
・ 本剤の長期投与による影響については、現在のところ不明であること。
・ 本剤の抗ウイルス効果を最大にするために、担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと。
・ 本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤を担当医に報告すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合、事前に担当医に相談すること〔10.1、10.2参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重度腎機能障害のある患者又は末期腎不全の患者(eGFR<30mL/min/1.73㎡):本剤の投与は推奨しない(イスラトラビルの血中濃度が上昇するおそれがあり、透析中の患者を対象とした試験は実施していない)〔16.6.1参照〕。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害のある患者:本剤の投与は推奨しない(イスラトラビルの血中濃度が減少するおそれがあり、重度
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物の生殖発生毒性試験において、臨床推奨用量の8倍(ドラビリン)及び532倍(イスラトラビル)以上の曝露量で本剤の成分を個別に投与した際に発生への影響は認められなかった。
ドラビリン(100mg)/イスラトラビル(0.25mg又は0.75mg)を投与した臨床試験において15例の妊娠が報告されているが、妊娠合併症及び先天的異常の傾向はなかった。
(授乳婦)
授乳を避けさせること(HIV母児感染の可能性があり、ラットにおいて、妊娠6日から授乳14日までの経口投与後(450mg/kg/日)にドラビリンは乳汁中に移行し、乳汁中濃度は母体血漿中濃度(授乳14日の投与2時間後)の約1.3倍であり、ラットにおいて、妊娠6日から授乳10日までの経口投与後(10mg/kg/日)にイスラトラビルは乳仔の血漿中に検出され、乳仔血漿中濃度は母体血漿中濃度(授乳10日の投与1時間後及び3時間後)のそれぞれ0.1%及び1.5%であったが、本剤又は各成分のヒト乳汁中への移行、乳汁産生への影響及び乳児への影響は不明である)。
(小児等)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(相互作用)
ドラビリンは主にCYP3A4で代謝される。イスラトラビルは主にアデノシンデアミナーゼで代謝される。イスラトラビルはデオキシシチジンキナーゼにより細胞内でリン酸化される〔16.4参照〕。
10.1. 併用禁忌:
1). カルバマゼピン<テグレトール>、フェノバルビタール<フェノバール>、フェニトイン<アレビアチン>、ホスフェニトイン<ホストイン>、エンザルタミド<イクスタンジ>、アパルタミド<アーリーダ>、リファンピシン<リファジン>、ミトタン<オペプリム>、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)〔2.1、8.1、16.7.2参照〕[本剤の血漿中ドラビリン濃度が低下し治療効果が減弱するおそれがある(これらの薬剤及び食品の強力なCYP3A4誘導作用により、ドラビリンの代謝が促進されると予測される)]。
2). ラミブジン<エピビル>、エムトリシタビン<デシコビ>〔2.1、8.1、16.7.2参照〕[本剤のイスラトラビルの活性体であるイスラトラビル三リン酸の細胞内濃度が低下し治療効果が減弱するおそれがある(これらデオキシシチジンキナーゼの基質である薬剤との競合により、細胞内でのイスラトラビルのリン酸化が抑制される)]。
10.2. 併用注意:
1). リファブチン〔7.2、8.1、16.7.2参照〕[本剤の血漿中ドラビリン濃度が低下し治療効果が減弱するおそれがある(リファブチンのCYP3A4誘導作用により、ドラビリンの代謝が促進される)]。
2). ヌクレオシド系代謝拮抗剤<デオキシシチジンキナーゼ基質>(クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、フルダラビン、ゲムシタビン)〔8.1、16.7.2参照〕[本剤のイスラトラビルの活性体であるイスラトラビル三リン酸の細胞内濃度が低下し治療効果が減弱するおそれがあるため、本剤との併用は推奨しない(デオキシシチジンキナーゼの基質である薬剤との競合により、細胞内でのイスラトラビルのリン酸化が抑制されると予測される)]。
(その他の注意)
15.1. 臨床使用に基づく情報
ウイルス学的抑制が得られているHIV-1感染症患者に、未承認用量のドラビリン(DOR)/イスラトラビル(ISL)(100mg/0.75mg)を投与した臨床試験(017試験及び018試験)において、48週時までにベースラインから総リンパ球数及びCD4陽性T細胞数が減少した治験参加者の割合は、対照群と比較してDOR/ISL(100mg/0.75mg)切替え群で高値であった。一方、ウイルス学的抑制が得られているHIV-1感染症患者に本剤[DOR/ISL(100mg/0.25mg)]を投与した臨床試験(051試験及び052試験)において、48週時までにベースラインから総リンパ球数及びCD4陽性T細胞数が減少した治験参加者の割合は、本剤群と対照群で同程度であった。各臨床試験における、ベースラインから総リンパ球数及びCD4陽性T細胞数が減少した治験参加者の割合を示す〔17.1.1、17.1.2参照〕。
[48週時までに総リンパ球数及びCD4陽性T細胞数がベースラインから減少した治験参加者の割合]
1). 017試験:
①. DOR/ISL(100mg/0.75mg)切替え群:総リンパ球数(例数297、30%超の減少18.5%)、CD4陽性T細胞数(例数313、30%超の減少9.3%)。
②. *対照群:総リンパ球数(例数302、30%超の減少7.3%)、CD4陽性T細胞数(例数311、30%超の減少4.2%)。
2). 018試験:
①. DOR/ISL(100mg/0.75mg)切替え群:総リンパ球数(例数303、30%超の減少13.2%)、CD4陽性T細胞数(例数301、30%超の減少6.0%)。
②. ※対照群:総リンパ球数(例数298、30%超の減少3.7%)、CD4陽性T細胞数(例数298、30%超の減少1.7%)。
3). 051試験:
①. 本剤(100mg/0.25mg)群:総リンパ球数(例数341、30%超の減少4.1%)、CD4陽性T細胞数(例数343、30%超の減少4.4%)。
②. *対照群:総リンパ球数(例数175、30%超の減少4.6%)、CD4陽性T細胞数(例数176、30%超の減少2.8%)。
4). 052試験:
①. 本剤(100mg/0.25mg)群:総リンパ球数(例数313、30%超の減少5.4%)、CD4陽性T細胞数(例数315、30%超の減少4.4%)。
②. ※対照群:総リンパ球数(例数159、30%超の減少5.0%)、CD4陽性T細胞数(例数161、30%超の減少5.0%)。
*)ベースラインART(抗レトロウイルス療法)継続群。
※)BIC/FTC/TAF(ビクテグラビル/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド)継続群。
承認された用量はドラビリン100mg/イスラトラビル0.25mgである。
(取扱い上の注意)
湿気を避けるため、瓶のまま密栓して保存し、常時乾燥剤を入れておくこと。
(保管上の注意)
室温保存。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 精神障害:(1%未満)不眠症、異常な夢。
2). 神経系障害:(1%以上3%未満)頭痛、浮動性めまい。
3). 胃腸障害:(1%以上3%未満)下痢、腹部膨満、(1%未満)鼓腸、悪心、腹痛。
4). 皮膚および皮下組織障害:(1%未満)皮膚そう痒症、発疹。
5). 一般・全身障害および投与部位の状態:(1%以上3%未満)疲労。
6). 臨床検査:(頻度不明:配合成分であるドラビリンを含む治療において製造販売後に報告されている副作用を記載した)肝酵素上昇。
薬物動態
16.1 血中濃度
健康治験参加者24例に本剤(ドラビリン100mg/イスラトラビル0.25mg)を空腹時単回経口投与した際のドラビリン及びイスラトラビルの血漿中薬物動態パラメータを表1に、平均血漿中濃度推移を添付文書の図に示す。(外国人データ)
表1 単回経口投与後の薬物動態パラメータ
<<表省略>>
図 単回経口投与後の平均血漿中濃度推移
各24例、定量下限:ドラビリン2.35nmol/L、イスラトラビル0.0682nmol/L(破線)
<<図省略>>
ドラビリン及びイスラトラビルの薬物動態は、健康治験参加者とHIV感染症患者の間で類似している。1日1回投与では、ドラビリンは投与2日目までに概して定常状態に達し、AUC0-24hの累積係数は1.2~1.4であった。イスラトラビルは投与7日目までに概して定常状態に達し、AUC0-24hの累積係数は約1.8であった(外国人データ)。母集団薬物動態解析に基づき推定した、HIV-1感染症患者にドラビリン100mgを1日1回投与した際、及びイスラトラビル0.25mgを1日1回投与した際の定常状態でのドラビリン及びイスラトラビルの薬物動態パラメータを表2に示す(ドラビリンは外国人データ)。
表2 反復経口投与後の定常状態における薬物動態パラメータ
<<表省略>>
16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
100mg錠のドラビリンの絶対バイオアベイラビリティは約64%であった。イスラトラビルの絶対バイオアベイラビリティは不明である。(外国人データ)
16.2.2 食事の影響
高脂肪食を摂取した健康治験参加者に本剤を単回投与したところ、ドラビリンのAUC及びCmaxはそれぞれ17%及び18%上昇した。イスラトラビルのAUC及びCmaxはそれぞれ13%上昇及び20%減少した。(外国人データ)
16.3 分布
ドラビリン:ドラビリンの分布容積は60.5Lであった(外国人データ)。ドラビリンはヒト血漿蛋白に76%結合した(In vitroデータ)。
イスラトラビル:イスラトラビルの見かけの分布容積は264Lであった(外国人データ)。イスラトラビルはヒト血漿蛋白に3%結合した(In vitroデータ)。
16.4 代謝
ドラビリン:ドラビリンは主に酸化代謝により消失し、主としてCYP3A4によって代謝された。(In vitroデータ)[10.参照]
イスラトラビル:イスラトラビルは主にアデノシンデアミナーゼによってデオキシイノシン体(代謝物M4:4’-エチニル-2-フルオロ-2’-デオキシイノシン)に代謝された。イスラトラビルは、末梢血単核細胞へ取り込まれた後、細胞内でイスラトラビル一リン酸、続いてイスラトラビル二リン酸、最終的にイスラトラビル三リン酸に逐次的にリン酸化された。リン酸化の律速段階であるイスラトラビルからイスラトラビル一リン酸へのリン酸化はデオキシシチジンキナーゼによって触媒される。(In vitroデータ)[10.参照]
16.5 排泄
ドラビリン:健康治験参加者にドラビリンを経口投与した際、投与量の約6%が未変化体として尿中に排泄された。(外国人データ)
イスラトラビル:健康治験参加者に[14C]標識イスラトラビルを経口投与した際、投与量の91.4%(主に代謝物M4)が尿中に、6.3%が糞中に排泄された。尿中に排泄された未変化体は投与量の32%であった。(外国人データ)
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害
ドラビリン:重度腎機能障害を有する治験参加者(eGFR:<30mL/min/1.73m2)8例を腎機能正常治験参加者8例と比較した試験において、単回投与時のドラビリンのAUCは重度腎機能障害を有する治験参加者の方が43%高かった。母集団薬物動態解析では、定常状態におけるドラビリンのAUCは、軽度及び中等度腎機能障害者(eGFR:≧60~<90mL/min/1.73m2及び≧30~<60mL/min/1.73m2)では腎機能正常者よりそれぞれ5%及び20%高いと予測された。透析中の参加者を対象とした試験は実施していない。(外国人データ)[9.2.1参照]
イスラトラビル:重度腎機能障害を有する治験参加者(eGFR:<30mL/min/1.73m2)6例を腎機能正常治験参加者6例と比較した試験において、単回投与時のイスラトラビルのAUCは重度腎機能障害を有する治験参加者で約2倍であった。母集団薬物動態解析では、定常状態におけるイスラトラビルのAUCは、軽度及び中等度腎機能障害を有する治験参加者(eGFR:≧60~<90mL/min/1.73m2及び≧30~<60mL/min/1.73m2)では腎機能正常治験参加者よりそれぞれ15%及び31%高いと予測された。透析中の参加者を対象とした試験は実施していない。(外国人データ)[9.2.1参照]
16.6.2 肝機能障害
ドラビリン:中等度肝機能障害を有する治験参加者(Child-Pugh分類B)8例を肝機能正常治験参加者8例と比較した試験において、単回投与時のドラビリンのAUCの幾何平均比(中等度肝機能障害/肝機能正常)は0.99であった。重度肝機能障害を有する参加者(Child-Pugh分類C)を対象とした試験は実施していない。(外国人データ)[9.3.1参照]
イスラトラビル:中等度肝機能障害を有する治験参加者(Child-Pugh分類B)6例を肝機能正常治験参加者6例と比較した試験において、中等度肝機能障害を有する治験参加者における単回投与時のイスラトラビルのAUCは、肝機能正常治験参加者より25%低かった。重度肝機能障害を有する参加者(Child-Pugh分類C)を対象とした試験は実施していない。(外国人データ)[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 非臨床薬物相互作用試験
ドラビリン:ドラビリンはP-gpの基質であり、OATP1B1、OATP1B3、BCRP、P-gp、OAT1、OAT3、OCT2、MATE1及びMATE2Kに対し阻害作用を示した(IC50値はそれぞれ39、31、51、>300、>75、16、67、>50及び>50μM)。(In vitroデータ)
イスラトラビル:イスラトラビルはBCRPの基質である。イスラトラビルの代謝物M4はBCRP、OAT3及びMATE2Kの基質である。(In vitroデータ)
16.7.2 臨床薬物相互作用試験
臨床薬物相互作用試験の結果を表3~表6に示す。(外国人データ)[7.2、10.1、10.2参照]
表3 併用薬がドラビリンの薬物動態に及ぼす影響
<<表省略>>
表4 ドラビリンが併用薬の薬物動態に及ぼす影響
<<表省略>>
表5 併用薬がイスラトラビルの薬物動態に及ぼす影響
<<表省略>>
表6 イスラトラビルが併用薬の薬物動態に及ぼす影響
<<表省略>>
注)承認された用量はドラビリン100mg/イスラトラビル0.25mgである。
臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際共同第III相試験(051試験)
051試験は、ウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量50copies/mL未満)が3ヵ月間以上得られており、ウイルス学的失敗の経験がないHIV-1感染症成人患者を対象に、ARTの継続投与レジメンからDOR/ISL(100mg/0.25mg)1日1回へ切り替えた際の有効性及び安全性を評価する無作為化、非盲検、実薬対照試験である。活動性のB型肝炎ウイルス(HBV)に感染している(HBs抗原陽性又はHBV DNA陽性)治験参加者は本試験から除外した。治験参加者553例(日本人13例を含む)は、2:1の比でDOR/ISL切替え群(368例)又はベースラインART継続群(185例)に無作為に割り付けられた(ベースラインARTレジメンにより層別化)。
有効性の主要評価である48週時の結果は表1のとおりであり、DOR/ISL切替え群のベースラインART継続群に対する非劣性が検証された(非劣性マージン:4%)。
48週時点で、本剤を投与した366例中44例(12.0%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢12例(3.3%)、疲労及び浮動性めまい各7例(1.9%)、腹部膨満及び頭痛各6例(1.6%)であった。48週時点のCD4陽性T細胞数のベースラインからの変化量の平均値は、DOR/ISL切替え群で5.4cells/mm3、ベースラインART継続群で18.2cells/mm3であり、両群で同程度であった。[15.1参照]
表1 有効性の結果(051試験、48週時、FAS)
<<表省略>>
17.1.2 国際共同第III相試験(052試験)
052試験は、ウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量50copies/mL未満)が3ヵ月間以上得られており、ウイルス学的失敗の経験がないHIV-1感染症成人患者を対象に、BIC/FTC/TAFの継続投与レジメンからDOR/ISL(100mg/0.25mg)1日1回へ切り替えた際の有効性及び安全性を評価する無作為化、二重盲検、実薬対照試験である。活動性のHBVに感染している(HBs抗原陽性又はHBV DNA陽性)治験参加者は本試験から除外した。治験参加者514例(日本人17例を含む)は、2:1の比でDOR/ISL切替え(1日1回)群(343例)又はBIC/FTC/TAF継続群(171例)に無作為に割り付けられた。
有効性の主要評価である48週時の結果は表2のとおりであり、DOR/ISL切替え群のBIC/FTC/TAF継続群に対する非劣性が検証された(非劣性マージン:4%)。
48週時点で、本剤を投与した342例中35例(10.2%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢5例(1.5%)であった。48週時点のCD4陽性T細胞数のベースラインからの変化量の平均値は、DOR/ISL切替え群で30.4cells/mm3、BIC/FTC/TAF継続群で28.2cells/mm3であり、両群で同程度であった。[15.1参照]
表2 有効性の結果(052試験、48週時、FAS)
<<表省略>>
薬効薬理
18.1 作用機序
ドラビリン:ドラビリンは、ピリジノン型の非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)であり、HIV-1逆転写酵素を非競合的に阻害することにより、HIV-1の複製を阻害する。ドラビリンは、ヒト細胞DNAポリメラーゼα、β及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγを阻害しない。
イスラトラビル:イスラトラビルは、デオキシアデノシン型のヌクレオシド系逆転写酵素トランスロケーション阻害剤(NRTTI)である。イスラトラビルは、細胞内のキナーゼを介して薬理活性を有するイスラトラビル三リン酸(ISL-TP)にリン酸化される。新生ウイルスDNAに取り込まれたISL-TPは、即時型のチェーンターミネーターとして逆転写酵素のトランスロケーションを阻害する。トランスロケーションが生じた場合、1つのヌクレオチドの付加を伴いウイルスDNAの構造的変化が起こり、遅延型のチェーンターミネーターとして作用する。ISL-TPは、ヒト細胞DNAポリメラーゼβ及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγを阻害しない。ISL-TPのヒト細胞DNAポリメラーゼαに対するIC50値は29.6μmol/Lであった。
18.2 In vitro抗ウイルス作用
ドラビリン+イスラトラビル:培養細胞を用いた試験系において、ドラビリンとイスラトラビルの併用による抗ウイルス作用に対する拮抗作用は認められなかった。
ドラビリン:GFPレポーター遺伝子導入MT4細胞に野生型HIV-1実験室株を感染させた試験系において、100%正常ヒト血清存在下でのドラビリンのEC50値は12±4.4nmol/Lであった。HIV-1分離株(A、A1、AE、AG、B、BF、C、D、G及びH)に対するドラビリンのEC50値は1.2~10nmol/Lの範囲であった。
イスラトラビル:初代培養PBMC及び単球由来マクロファージに野生型HIV-1実験室株を感染させた試験系において、イスラトラビルのEC50値はそれぞれ0.21±0.12及び0.03±0.03nmol/Lであった。HIV-1分離株(A、A1、AE、AG、B、BF、C、D、F1、G及びH)に対するイスラトラビルのEC50値は2.4~6.9nmol/Lの範囲であった。
18.3 薬剤耐性
18.3.1 In vitro試験
ドラビリン:由来及びサブタイプの異なる野生型HIV-1及びNNRTI耐性HIV-1を細胞に感染させ、培養してドラビリン耐性株を選択した結果、HIV-1逆転写酵素のV106A、V106M、V106I、V108I、F227L、F227C、F227V、F227I、H221Y、M230I、L234I、P236L及びY318F変異が認められた。
イスラトラビル:現時点においてイスラトラビルに対する耐性関連変異は特定されていない。由来及びサブタイプの異なる野生型HIV-1を細胞に感染させ、イスラトラビルと培養した結果認められたHIV-1逆転写酵素のM41L、L74I、V90I、A114S、A158T、C162Y、T165A、M184I、M184V、A400T変異(単一又は多重変異)を有するHIV-1に対するイスラトラビルのIC50値は野生型HIV-1と比較して0.6~64.8倍変化した。[5.1、18.3.2、18.4参照]
18.3.2 臨床試験
051試験及び052試験において、DOR/ISL切替え群(708例)のうち、4週間隔で2回連続してHIV-1 RNA量が200copies/mL以上となり薬剤耐性検査を受けた治験参加者3例では、48週時点までの治験薬投与中にDOR又はISL耐性変異は認められなかった。[5.1、18.3.1、18.4参照]
051試験及び052試験において、DOR/ISL切替え群の598例から、ベースライン時のプロウイルスDNA耐性データ及び48週時のウイルス学的データが得られた。このうちベースライン時に、NNRTI耐性関連変異注1)が152例(25%)に、M184I/V変異が40例(7%)に認められた。ベースライン時にNNRTI耐性関連変異及びM184I/V変異が認められた治験参加者のそれぞれ97%及び93%が48週時点のウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量50copies/mL未満)を維持した。
注1)051試験及び052試験の治験実施計画書に規定した、ドラビリンに対する耐性関連変異が記録されている者は、除外された。
18.4 交差耐性
ドラビリン:K103N、Y181C又はK103N/Y181C変異を有するHIV-1実験室株では、100%正常ヒト血清存在下で評価した結果、ドラビリンに対する感受性が3倍未満に低下した。NNRTI耐性関連変異(K103N、Y181C、G190A及びE138K)を有するHIV-1分離株に対して、ドラビリンは臨床での血漿中濃度に相当する濃度で抑制した。Y188L、K103N/Y188L、V106I/Y188L、V106A/G190A/F227L及びE138K/Y181C/M230L変異を有する臨床分離株では、ドラビリンに対する感受性が100倍を超えて低下した。治療により発現するドラビリン耐性変異は、エファビレンツ、リルピビリン、ネビラピン及びエトラビリンに対して交差耐性をもたらす可能性がある。
イスラトラビル:現時点においてイスラトラビルに対する耐性関連変異は特定されていない。NRTI耐性関連変異を有する臨床分離株を用いてin vitro抗ウイルス作用を評価した結果、M184I又はM184V変異によりイスラトラビルの活性がそれぞれ3.9倍及び5倍低下した。イスラトラビルの活性は、チミジンアナログ変異により1.2~18倍低下した。また、イスラトラビルの活性は逆転写酵素領域の69位の挿入変異により10倍低下、69位の挿入変異にM184I/V変異も有する場合には21倍低下した。[5.1、18.3.1、18.3.2参照]
医師の処方により使用する医薬品。
特定薬剤管理指導加算等の算定対象となる薬剤。
