サークリサ皮下注1400mg
医療用
医療用医薬品:
医師の処方により使用する医薬品
医師の処方により使用する医薬品
- 収載区分
- 銘柄別収載
- 先発・後発情報
- 先発品(後発品なし)
- オーソライズド
ジェネリック - -
- 一般名
- イサツキシマブ(遺伝子組換え)注射液
- 英名(商品名)
- Sarclisa
- 規格
- 1,400mg10mL1瓶
- 薬価
- 270,495.00
- メーカー名
- サノフィ
- 規制区分
- 劇薬
- 長期投与制限
- 14日(2027年08月末まで)
- 標榜薬効
- 抗悪性腫瘍薬〔抗CD38モノクローナル抗体〕
- 色
- -
- 識別コード
- -
- [@: メーカーロゴ]
- 添付文書
-
PDF 2026年8月改訂(第2版)
- 告示日
- 2026年8月12日
- 経過措置期限
- -
- 医薬品マスタに反映
- 2026年9月版
- 医薬品マスタ削除予定
- -
- 運転注意
- 情報なし(使用の適否を判断するものではありません)
- ドーピング
- 禁止物質なし(使用の適否を判断するものではありません)
- CP換算
- -
- 長期収載品選定療養
- -
[識別コードの表記 @: メーカーロゴ]
改訂情報
-
効能効果
多発性骨髄腫。
(効能又は効果に関連する注意)
臨床試験に組み入れられた患者の状態等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1、17.1.2、17.1.3、17.1.4、17.1.5参照〕。
用法用量
他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはイサツキシマブ(遺伝子組換え)として1回1400mgを、併用する抗悪性腫瘍剤の投与サイクルを考慮して、次のA法又はB法の投与間隔で皮下投与する。
A法:1週間間隔、2週間間隔の順で投与する。
B法:1週間間隔、2週間間隔及び4週間間隔の順で投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤の投与間隔、投与間隔の変更時期、本剤と併用する抗悪性腫瘍剤等の投与に際しては、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で選択すること〔17.1.1、17.1.2、17.1.3、17.1.4、17.1.5参照〕。
7.2. 本剤投与によるInfusion reactionを軽減させるために、本剤投与開始15~60分前に、本剤と併用するデキサメタゾン、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛剤及びロイコトリエン受容体拮抗剤を投与すること〔11.1.1参照〕。
7.3. 本剤の投与により副作用が発現した場合は、次を参照し、本剤の休薬、中止等、適切な処置を行うこと〔11.1.1、11.1.2参照〕。
[副作用に対する本剤の投与中止又は投与スケジュールの変更基準]
1). Infusion reaction:
①. Grade2のInfusion reaction又はGrade3のInfusion reaction;本剤投与中の場合は本剤の投与を中断し、その回の投与は再開しないこと(次回の投与から、必要に応じて前投与薬を投与すること)。
②. Grade3のInfusion reaction<3回目>又はGrade4のInfusion reaction;本剤の投与を中止し、本剤を再投与しないこと。
2). 注射部位反応:
①. Grade2の注射部位反応;本剤投与中の場合:本剤の投与を中断し、Grade1以下に回復後に、投与速度を下げて(又は投与を一時中断しながら)本剤投与を再開することができる(本剤投与後の場合:Grade1以下に回復後、本剤投与を再開することができる)。
②. Grade3の注射部位反応又はGrade4の注射部位反応;本剤の投与を中止し、本剤を再投与しないこと。
3). 好中球減少:Grade3の好中球減少又はGrade4の好中球減少;好中球数が1000/mm3以上に回復するまで休薬すること。
GradeはNCI-CTCAE v5.0に準じる。
警告・禁忌・相互作用・その他の注意
(警告)
本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
(禁忌)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
8.1. 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤の投与前及び投与中は定期的に血液検査等を行い、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.2参照〕。
8.2. 本剤は、赤血球上に発現しているCD38と結合し、間接抗グロブリン試験(間接クームス試験)の結果が偽陽性となる可能性があるため、本剤投与前に不規則抗体のスクリーニングを含めた一般的な輸血前検査を実施し、輸血が予定されている場合は、本剤を介した間接抗グロブリン試験(間接クームス試験)への干渉について関係者に周知すること(なお、間接抗グロブリン試験(間接クームス試験)干渉は本剤最終投与から約6ヵ月持続する可能性がある)〔12.1参照〕。
8.3. 本剤の使用にあたっては、イサツキシマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤との取り違えに注意すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(生殖能を有する者)
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、IgG1モノクローナル抗体に胎盤通過性があることが知られており、また、CD38遺伝子欠損マウスで免疫系に対する影響及び骨に対する影響が報告されており、本剤の妊娠中の曝露により胎児に有害な影響を及ぼす可能性がある)〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが、ヒトIgGは乳汁中に移行するので、本剤も移行する可能性がある)。
(小児等)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(臨床検査結果に及ぼす影響)
12.1. 本剤は赤血球上のCD38と結合し、抗体スクリーニングや交差試験等の適合性試験に干渉する。本剤による間接クームス試験への干渉を回避するためにジチオスレイトール(DTT)処理(本剤と赤血球上のCD38との結合を阻害する)を考慮すること。なお、Kell血液型抗原はDTT処理で変性するので、不規則抗体スクリーニングにおいてKell血液型抗原に対する抗体の評価が不能となることに注意すること〔8.2参照〕。
12.2. 本剤はIgGκ型モノクローナル抗体であり、血清中Mタンパクの血清蛋白電気泳動法及び血清免疫固定法の結果に干渉する可能性があり、IgGκ型多発性骨髄腫細胞を有する患者における完全奏効(CR)の評価及びCRからの再発の評価に影響を及ぼす可能性があるため注意すること。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤調製時の注意
14.1.1. 本剤は、専用の注入器、又は手動投与用のシリンジと皮下投与セットを用いて腹部に皮下投与する。シリンジはルアーフィッティングコネクタ付きの20mLポリプロピレンシリンジ、薬液調製用針は5μmのフィルター及びルアーフィッティングコネクタ付きの18Gステンレス鋼製を用いる。皮下投与セットには23Gのステンレス鋼製の注射針、ルアーフィッティングコネクタ付きのポリエチレン又はポリ塩化ビニルの最長30cmのチューブを用いて腹部に皮下投与すること。専用の注入器を使用する場合は使用説明書を確認すること。
14.1.2. 投与前にバイアル内を目視検査する(溶液は無色~微黄色の澄明~僅かに乳白色を呈する液で半透明~白色の微粒子を僅かに認めることがあるが溶液の濁り、変色又は前記以外の粒子や異物が認められた場合は使用しない)。
14.1.3. 未開封のバイアルは、室温(30℃以下)で24時間まで保管することができる。
14.1.4. 使用の20分前に本剤を冷蔵庫から取り出し、室温に戻しておくこと(加熱したり、振盪したりしないこと)。
14.1.5. 使用前は光から保護するため、バイアルを箱に入れて保管すること。バイアル開封後は投与時間を含め、常温(15~25℃)及び自然光下で4時間以内に使用すること。
14.1.6. 針の詰まりを防ぐため、注射の直前に皮下投与セットをシリンジに取り付けること。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 本剤を手動投与する場合は約6分かけて腹部皮下に投与する(他の部位への投与はデータが得られていない)。
14.2.2. 同一部位への反復注射は行わないこと。
14.2.3. 本剤を注射した部位に他の薬剤を注射しないこと。
14.2.4. 皮膚に異常のある部位<発赤・挫傷・圧痛・硬結等>には注射しないこと。
14.2.5. 本剤は1回使い切りである(本剤の未使用残液は適切に廃棄すること)。
(その他の注意)
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 再発又は難治性の多発性骨髄腫患者を対象とした国際共同第3相試験(EFC15951)、国際共同第2相試験(ACT17453)及び国際共同第1b相試験(TCD15484)でイサツキシマブ1400mgが投与された患者において、17/359例(4.7%)に抗イサツキシマブ抗体が認められ、2/359例(0.6%)に抗イサツキシマブ中和抗体が認められた。
15.1.2. 臨床試験において、皮膚有棘細胞癌、乳房血管肉腫、骨髄異形成症候群等の二次性悪性腫瘍が発現したとの報告がある。
(取扱い上の注意)
20.1. 凍らせたり、振盪したりしないこと。
20.2. 遮光を保つため、本剤は外箱に入れた状態で保存すること。
(保険給付上の注意)
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2027年8月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。
(保管上の注意)
2~8℃で保存。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. Infusion reaction:アナフィラキシー、呼吸困難、咳嗽、悪寒、気管支痙攣、鼻閉、高血圧、嘔吐、悪心等のInfusion reaction(1.8%)があらわれることがあり、多くの場合は、初回投与時に発現が認められたが、2回目以降の投与時にも認められているので、異常が認められた場合は、本剤の投与を中断又は中止し適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること〔7.2、7.3参照〕。
11.1.2. 骨髄抑制:好中球減少症(38.9%)、血小板減少症(8.6%)、好中球減少性感染(7.7%)、貧血(4.5%)、発熱性好中球減少症(3.3%)等の骨髄抑制があらわれることがある〔7.3、8.1参照〕。
11.1.3. 感染症(36.8%):肺炎(12.8%)、敗血症(0.9%)等の重篤な感染症があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 精神障害:(10%以上)不眠症。
2). 血管障害:(5%未満)高血圧。
3). 胃腸障害:(10%未満5%以上)下痢、便秘。
4). 一般・全身障害および投与部位の状態:(10%以上)疲労、(5%未満)末梢性浮腫、発熱、注射部位反応。
5). 感染症および寄生虫症:(10%未満5%以上)上気道感染、(5%未満)COVID-19。
薬物動態
16.1 血中濃度
16.1.1 国際共同第1b相試験(TCD15484)用量拡大パート
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、本剤1400mgをポマリドミド及びデキサメタゾンとの併用で週1回4週間反復皮下投与した後、2週に1回反復皮下投与したときの初回投与後の血漿中濃度推移、並びに初回投与後及び7回目投与後の薬物動態パラメータは次のとおりであった。
本剤1400mgをポマリドミド及びデキサメタゾンとの併用で週1回4週間反復皮下投与した後、2週に1回反復皮下投与したときの初回投与後の血漿中濃度推移(平均±標準偏差)
<<図省略>>
本剤1400mgをポマリドミド及びデキサメタゾンとの併用で週1回4週間反復皮下投与した後、2週に1回反復皮下投与したときの初回投与後及び7回目投与後の薬物動態パラメータ
<<表省略>>
16.1.2 国際共同第3相試験(EFC15951)
再発又は難治性の多発性骨髄腫患者に、本剤1400mgをポマリドミド及びデキサメタゾンとの併用で週1回4週間反復投与した後、2週に1回反復投与したときの4週間後(サイクル2、1日目)及び20週後(サイクル6、1日目)のCtrough(平均値±標準偏差)はそれぞれ421±215μg/mL(131例)及び499±259μg/mL(121例)であった。母集団薬物動態解析に基づき、本剤投与後22週間(サイクル6)で定常状態に到達し、定常状態におけるCtroughの累積係数は4.87であると推定された。
16.2 吸収
母集団薬物動態解析に基づき、本剤の絶対的バイオアベイラビリティは75.9%と推定された。
16.3 分布
母集団薬物動態解析に基づき、本剤の総分布容積は5.68Lと推定された。
16.5 排泄
母集団薬物動態解析に基づき、本剤の定常状態における半減期は40.2日と推定された。
臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際共同第3相試験(EFC15951)
レナリドミド及びプロテアソーム阻害剤を含む1レジメン以上の前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注1)531例(日本人患者22例を含む)を対象に、ポマリドミド注2)及びデキサメタゾン注3)(Pd療法)とイサツキシマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤注4)の併用療法(Isa-IV+Pd療法)とPd療法と本剤注5)の併用療法(Isa-SC+Pd療法)を比較するランダム化非盲検国際共同第3相試験を実施した。
主要評価項目の一つとされた独立評価委員会による奏効率注6)は、Isa-IV+Pd群では70.5%(95%信頼区間:64.7~75.9%)(189/268例)、Isa-SC+Pd群では71.1%(95%信頼区間:65.2~76.5%)(187/263例)、奏効率の比は1.008(95%信頼区間:0.903~1.126)であり、信頼区間の下限が非劣性マージンである0.839を上回った(2024年11月6日データカットオフ)。また、もう一つの主要評価項目とされたイサツキシマブの第6サイクル第1日目のCtrough(平均値±標準偏差)はIsa-IV+Pd群では340±169μg/mL(121例)、Isa-SC+Pd群では499±259μg/mL(121例)、幾何平均値の比は1.532(90%信頼区間:1.316~1.784)であり、信頼区間の下限が非劣性マージンである0.8を上回った(2024年11月6日データカットオフ)。いずれの主要評価項目においてもIsa-SC+Pd群のIsa-IV+Pd群に対する非劣性が示された。
Isa-SC+Pd群263例中228例(86.7%)に副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症126例(47.9%)、疲労40例(15.2%)、肺炎34例(12.9%)、不眠症32例(12.2%)、上気道感染22例(8.4%)、下痢20例(7.6%)、便秘19例(7.2%)、末梢性浮腫14例(5.3%)、COVID-19 7例(2.7%)、Infusion reaction4例(1.5%)等であった。[5.、7.1参照]
注1)ランダム化前9ヵ月以内に抗CD38抗体薬による治療を受けた患者、又は前治療で使用した抗CD38抗体薬に対し不耐であった患者は除外した。
注2)ポマリドミドの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回4mgを21日間連日経口投与した後、7日間休薬した。
注3)デキサメタゾンの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回40mg(75歳以上の患者では20mg)を1、8、15及び22日目に経口投与した。
注4)イサツキシマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤の用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回10mg/kgを、最初のサイクルは1週間間隔で4回(1、8、15及び22日目)、サイクル2以降は2週間間隔で2回(1及び15日目)静脈内投与した。
注5)本剤の用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回1400mgを、最初のサイクルは1週間間隔で4回(1、8、15及び22日目)、サイクル2以降は2週間間隔で2回(1及び15日目)皮下投与した。
注6)国際骨髄腫ワーキンググループの効果判定基準に従った判定
17.1.2 国際共同第2相試験(ACT17453)
1~3レジメンの前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注7)74例(日本人患者2例を含む)を対象に、カルフィルゾミブ注8)及びデキサメタゾン注9)の併用療法(Cd療法)に本剤注10)を上乗せしたIsa-SC+Cd療法の安全性及び有効性を検討するランダム化逐次非盲検国際共同第2相試験を実施した。
主要評価項目である独立評価委員会による奏効率注11)は、79.7%(59/74例)であった。
本剤が投与された74例中57例(77.0%)に副作用が認められた。主な副作用は、上気道感染11例(14.9%)、高血圧10例(13.5%)、肺炎9例(12.2%)、不眠症7例(9.5%)、下痢4例(5.4%)、発熱2例(2.7%)、COVID-19 1例(1.4%)等であった。[5.、7.1参照]
注7)イサツキシマブの初回投与又はランダム化前9ヵ月未満に抗CD38抗体薬による治療を受けた患者、又は前治療で使用した抗CD38抗体薬に対し不耐であった患者は除外した。
注8)カルフィルゾミブの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、最初のサイクルは1日1回20mg/m2を1及び2日目に静脈内投与、56mg/m2を8、9、15及び16日目に静脈内投与した。サイクル2以降は1日1回56mg/m2を1、2、8、9、15及び16日目に静脈内投与した。
注9)デキサメタゾンの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回20mgを1、2、8、9、15、16、22及び23日目に静脈内又は経口投与した。
注10)本剤の用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回1400mgを、最初のサイクルは1週間間隔で4回(1、8、15及び22日目)、サイクル2以降は2週間間隔で2回(1及び15日目)投与した。
注11)国際骨髄腫ワーキンググループの効果判定基準に従った判定
17.1.3 (参考)国際共同第3相試験(EFC14335):点滴静注製剤
レナリドミド及びプロテアソーム阻害剤を含む2レジメン以上の前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注12)307例(日本人患者13例を含む)を対象に、ポマリドミド注13)及びデキサメタゾン注14)の併用療法(Pd療法)とPd療法にイサツキシマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤注15)を上乗せしたIsaPd療法を比較するランダム化非盲検国際共同第3相試験を実施した。
主要評価項目である無増悪生存期間の中央値は、IsaPd群では11.5ヵ月(95%信頼区間:8.9~13.9)、Pd群では6.5ヵ月(95%信頼区間:4.5~8.3)であり、IsaPd群で統計学的に有意な延長が示された(ハザード比:0.60、95%信頼区間:0.44~0.81、p=0.001[層別log-rank検定]、2018年10月11日データカットオフ)。
無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線
<<図省略>>
IsaPd群152例中138例(90.8%)に副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少66例(43.4%)、Infusion reaction57例(37.5%)、上気道感染30例(19.7%)、肺炎23例(15.1%)、下痢17例(11.2%)、血小板減少17例(11.2%)、発熱性好中球減少16例(10.5%)、気管支炎13例(8.6%)、悪心10例(6.6%)、呼吸困難8例(5.3%)、嘔吐6例(3.9%)、貧血5例(3.3%)等であった。[5.、7.1参照]
注12)レナリドミド及びプロテアソーム阻害剤による治療が無効となった患者(治療中又は投与終了後60日以内に進行した患者、部分奏効以上の効果が認められた場合は治療中止後6ヵ月に進行した患者、許容できない毒性が発現した患者)を選択した。なお、抗CD38モノクローナル抗体に対して難治性の患者は除外した。
注13)ポマリドミドの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回4mgを21日間連日経口投与した後、7日間休薬した。
注14)デキサメタゾンの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回40mg(75歳以上の患者では20mg)を1、8、15及び22日目に静脈内又は経口投与した。
注15)イサツキシマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤の用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回10mg/kgを、最初のサイクルは1週間間隔で4回(1、8、15及び22日目)、サイクル2以降は2週間間隔で2回(1及び15日目)静脈内投与した。
17.1.4 (参考)国際共同第3相試験(EFC15246):点滴静注製剤
1~3レジメンの前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者注16)302例(日本人患者19例を含む)を対象に、カルフィルゾミブ注17)及びデキサメタゾン注18)の併用療法(Cd療法)とCd療法にイサツキシマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤注19)を上乗せしたIsaCd療法を比較するランダム化非盲検国際共同第3相試験を実施した。
主要評価項目である無増悪生存期間の中央値は、IsaCd群では到達せず、Cd群では19.2ヵ月(95%信頼区間:15.8~推定不能)であり、IsaCd群で統計学的に有意な延長が示された(ハザード比:0.53、99%信頼区間:0.32~0.89、p=0.0013[層別log-rank検定]、2020年2月7日データカットオフ)。
無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線
<<図省略>>
IsaCd群177例中153例(86.4%)に副作用が認められた。主な副作用は、Infusion reaction79例(44.6%)、高血圧42例(23.7%)、疲労38例(21.5%)、不眠症36例(20.3%)、呼吸困難33例(18.6%)、下痢24例(13.6%)、肺炎21例(11.9%)、上気道感染20例(11.3%)、気管支炎15例(8.5%)、嘔吐10例(5.6%)、好中球減少9例(5.1%)、咳嗽5例(2.8%)、血小板減少5例(2.8%)、貧血4例(2.3%)、背部痛2例(1.1%)等であった。[5.、7.1参照]
注16)抗CD38モノクローナル抗体による前治療歴を有する場合には、当該治療中又は最終投与後60日以内に疾患進行がない患者、少なくとも最小奏効を達成した患者を選択した。
注17)カルフィルゾミブの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、最初のサイクルは1日1回20mg/m2を1及び2日目に静脈内投与、56mg/m2を8、9、15及び16日目に静脈内投与した。サイクル2以降は1日1回56mg/m2を1、2、8、9、15及び16日目に静脈内投与した。
注18)デキサメタゾンの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回20mgを1、2、8、9、15、16、22及び23日目に静脈内又は経口投与した。
注19)イサツキシマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤の用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回10mg/kgを、最初のサイクルは1週間間隔で4回(1、8、15及び22日目)、サイクル2以降は2週間間隔で2回(1及び15日目)静脈内投与した。
17.1.5 (参考)国際共同第3相試験(EFC12522):点滴静注製剤
自家造血幹細胞移植が適応とならない注20)未治療の多発性骨髄腫患者446例(日本人患者25例を含む)を対象に、ボルテゾミブ注21)、レナリドミド注22)、及びデキサメタゾン注23)の併用療法(BLd療法)とBLd療法にイサツキシマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤注24)を上乗せしたIsaBLd療法を、それぞれ2:3の比で割り付け、比較するランダム化非盲検国際共同第3相試験を実施した。
主要評価項目である無増悪生存期間の中央値は、IsaBLd群では到達せず、BLd群では54.34ヵ月(95%信頼区間:45.207~推定不能)であり、IsaBLd群で統計学的に有意な延長が示された(ハザード比:0.596、98.5154%信頼区間:0.406~0.876、p=0.0005[層別log-rank検定]、2023年9月26日データカットオフ)。
無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線
<<図省略>>
IsaBLd群263例中257例(97.7%)に副作用が認められた。主な副作用は、末梢性感覚ニューロパチー142例(54.0%)、下痢96例(36.5%)、好中球減少症80例(30.4%)、疲労65例(24.7%)、便秘62例(23.6%)、Infusion reaction61例(23.2%)、白内障55例(20.9%)、不眠症44例(16.7%)、無力症38例(14.4%)、肺炎37例(14.1%)、血小板減少症36例(13.7%)、末梢性浮腫36例(13.7%)、上気道感染33例(12.5%)、気管支炎21例(8.0%)、貧血12例(4.6%)、背部痛4例(1.5%)、COVID-19感染1例(0.4%)等であった。[5.、7.1参照]
注20)65歳以上の大量化学療法不適応の患者、又は65歳未満であるが造血幹細胞移植併用大量化学療法の忍容性に悪影響を及ぼす可能性の高い重大な併存疾患を有する患者を選択した。
注21)ボルテゾミブの用法及び用量:寛解導入期間(サイクル1~4)では42日間を1サイクルとし、1日1回1.3mg/m2を、各サイクルの1、4、8、11、22、25、29及び32日目に皮下投与した。
注22)レナリドミドの用法及び用量:寛解導入期間(サイクル1~4)では42日間を1サイクルとし、1日1回25mg(クレアチニンクリアランスが30mL/min以上60mL/min未満の患者は10mg)を、1~14日目及び22~35日目に経口投与した。継続投与期間(サイクル5以降)では28日間を1サイクルとし、1日1回25mg(クレアチニンクリアランスが30mL/min以上60mL/min未満の患者は10mg)を1~21日目に経口投与した。
注23)デキサメタゾンの用法及び用量:寛解導入期間(サイクル1~4)では42日間を1サイクルとし、1日1回20mgを、1、2、4、5、8、9、11、12、15、22、23、25、26、29、30、32及び33日目(75歳以上の患者は1、4、8、11、15、22、25、29及び32日目)に静脈内又は経口投与した。継続投与期間(サイクル5以降)では28日間を1サイクルとし、1日1回20mgを1、8、15及び22日目に静脈内又は経口投与した。
注24)イサツキシマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤の用法及び用量:寛解導入期間(サイクル1~4)では42日間を1サイクルとし、1日1回10mg/kgを、最初のサイクルは5回(1、8、15、22及び29日目)、サイクル2~4は2週間間隔(1、15及び29日目)で静脈内投与した。継続投与期間(サイクル5以降)では28日間を1サイクルとし、サイクル5~17は1日1回10mg/kgを2週間間隔(1及び15日目)、サイクル18以降は1日1回10mg/kgを4週間間隔(1日目)で静脈内投与した。
薬効薬理
18.1 作用機序
イサツキシマブは、ヒトCD38に結合し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞貪食(ADCP)及び補体依存性細胞傷害(CDC)活性並びにアポトーシスを誘導すること等により、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。
18.2 抗腫瘍効果
イサツキシマブは、ヒト多発性骨髄腫由来MOLP-8細胞株を皮下移植した重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した。
医師の処方により使用する医薬品。
特定薬剤管理指導加算等の算定対象となる薬剤。