ジャスケイド錠18mg
医療用
医療用医薬品:
医師の処方により使用する医薬品
医師の処方により使用する医薬品
医薬品コード(YJコード):3999071F2028
- 収載区分
- 銘柄別収載
- 先発・後発情報
- 先発品(後発品なし)
- オーソライズド
ジェネリック - -
- 一般名
- ネランドミラスト錠
- 英名(商品名)
- Jascayd
- 規格
- 18mg1錠
- 薬価
- 8,363.00
- メーカー名
- 日本ベーリンガーインゲルハイム
- 規制区分
- 劇薬
- 長期投与制限
- 14日(2027年07月末まで)
- 標榜薬効
- 呼吸促進薬〔肺線維化抑制薬〕
- 色
- 淡赤
- 識別コード
- (本体)F18 (本体)@ (被包)@F18 @ (被包)@F18 @ Boehringer Ingelheim
- [@: メーカーロゴ]
- 添付文書
-
PDF 2026年5月改訂(第1版)
- 告示日
- 2026年7月14日
- 経過措置期限
- -
- 医薬品マスタに反映
- 2026年8月版
- 医薬品マスタ削除予定
- -
- 運転注意
- 情報なし(使用の適否を判断するものではありません)
- ドーピング
- 禁止物質なし(使用の適否を判断するものではありません)
- CP換算
- -
- 長期収載品選定療養
- -
[識別コードの表記 @: メーカーロゴ]
外形画像
改訂情報
-
効能効果
1). 特発性肺線維症。
2). 進行性肺線維症。
(効能又は効果に関連する注意)
〈進行性肺線維症〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、肺機能、呼吸器症状及び胸部画像所見の総合的な評価により進行性線維化が認められる間質性肺疾患患者に本剤を投与すること。
用法用量
通常、成人にはネランドミラストとして1回18mgを1日2回経口投与する。
なお、患者の忍容性に応じて、1回9mg1日2回に減量することができる。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. ピルフェニドン又は強い若しくは中程度のCYP3A誘導剤と併用する場合は、本剤の投与量を1回9mg1日2回に減量しないこと〔10.2、16.7.1参照〕。
7.2. 強いCYP3A阻害剤と併用する場合は、本剤の投与量を1回9mg1日2回投与に減量すること〔10.2、16.7.1参照〕。
警告・禁忌・相互作用・その他の注意
(警告)
本剤の使用は、本剤についての十分な知識と適応疾患の治療に十分な知識・経験をもつ医師のもとで行うこと。
(禁忌)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(腎機能障害患者)
9.2.1. 末期腎不全(eGFR 15mL/min/1.73㎡未満)の患者:これらの患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験並びに薬物動態試験は実施していない。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重度肝機能障害
(生殖能を有する者)
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後4日間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること(動物試験(ラット)の結果に基づくと、本剤は流産を引き起こす可能性がある。なお、雌雄のラットにおいて、最大臨床曝露量の約4倍の曝露に相当する用量では受胎能への影響は確認されていない)〔9.5妊婦の項参照〕。
(妊婦)
妊婦及び妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(動物試験の結果から、本剤は流産を引き起こす可能性があり、ラットにおいて、最大臨床曝露量の約5倍の曝露に相当する用量で胚致死がみられた。これは最大臨床曝露量の約3倍では確認されていない)。本剤投与中に妊娠又は妊娠が疑われる場合は、医師に知らせるように指導すること。妊婦及び妊娠している可能性のある女性には、流産の可能性があることを説明すること〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトにおける乳汁中への移行、哺乳中の児への影響及び母乳分泌への影響に関するデータはないが、動物試験(ラット)において乳汁中への移行が認められている)〔16.5.2参照〕。
(小児等)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(相互作用)
本剤はCYP3A及びP-糖蛋白(P-gp)の基質である(in vitroデータ)。
10.2. 併用注意:
1). ピルフェニドン〔7.1、16.7.1参照〕[本剤の作用が減弱するおそれがあるので、ピルフェニドンを併用する場合は、本剤の投与量を1回9mg1日2回に減量しないこと(本剤の主な代謝酵素であるCYP3Aが誘導され、本剤の曝露量が低下する可能性があり(in vitroデータ)、ピルフェニドンとの併用により、本剤の定常状態でのトラフ血漿中濃度が約50%低下した)]。
2). 強いCYP3A誘導剤又は中程度のCYP3A誘導剤(リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン、ボセンタン等)、セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)〔7.1、16.7.1参照〕[本剤の作用が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤と併用する場合は、本剤の投与量を1回9mg1日2回に減量しないこと(本剤の主な代謝酵素であるCYP3Aが誘導され、本剤の曝露量が低下する可能性があり、カルバマゼピン及びボセンタンとの併用により、本剤のAUCがそれぞれ51%及び41%、Cmaxが31%及び15%低下した)]。
3). 強いCYP3A阻害剤(クラリスロマイシン、イトラコナゾール、リトナビル等)〔7.2、16.7.1参照〕[本剤の曝露量が上昇するおそれがあるので、強いCYP3A阻害剤と併用する場合は、本剤の投与量を1回9mg1日2回投与に減量すること(本剤の主な代謝酵素であるCYP3Aが阻害され、本剤の曝露量が上昇する可能性があり、イトラコナゾールとの併用により本剤のAUCが2.2倍、Cmaxが1.3倍に上昇した)]。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
14.1.2. 本剤は光に対して不安定なため、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 本剤は食事の有無にかかわらず服用できる〔16.2参照〕。
14.2.2. 本剤は噛まずにコップ一杯の水とともに服用すること。
(保管上の注意)
室温保存。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重度下痢(1.3%)。
11.2. その他の副作用
1). 代謝及び栄養障害:(1%以上10%未満)食欲減退。
2). 心臓障害:(1%未満)心房細動。
3). 胃腸障害:(10%以上)下痢(30.8%)、(1%以上10%未満)悪心。
4). 筋骨格系及び結合組織障害:(1%未満)背部痛。
5). 臨床検査:(1%以上10%未満)体重減少。
薬物動態
16.1 血中濃度
日本人健康成人男性に本剤9mg、18mgを空腹時単回経口投与したときの血漿中ネランドミラスト濃度推移を添付文書の図1に、薬物動態パラメータを表1に示す。
図1 日本人健康成人男性に空腹時単回経口投与後の血漿中ネランドミラスト濃度推移(算術平均値+標準偏差)
<<図省略>>
表1 日本人健康成人男性に空腹時単回経口投与後のネランドミラストの薬物動態パラメータ
<<表省略>>
健康成人男性15例に本剤18mgを1日2回反復経口投与した場合、ネランドミラストの血漿中濃度は4日以内に定常状態に達し、Cmax及びAUCから算出した累積係数は1.38以下であった(外国人データ)。
健康成人に本剤0.06~48mg注)を空腹時単回経口投与したとき、ネランドミラストの血漿中曝露量において用量比例性が示された(外国人データ)。また、健康成人に1~18mg注)を1日2回反復経口投与したとき、同様に用量比例性が示された(外国人データ)。
16.2 吸収
健康成人男性8例に本剤18mgを空腹時経口投与及び14C-ネランドミラスト100μg注)を空腹時静脈内投与したとき、ネランドミラストの絶対的バイオアベイラビリティは73%(90%信頼区間:67~79%)であった(外国人データ)。
健康成人18例に本剤18mgを食後(高脂肪高カロリー食)に単回経口投与したとき、空腹時と比較して、AUCは約15%の増加、Cmaxは約14%の減少であり、本剤の曝露量に臨床的に問題となる食事の影響は認められなかった(外国人データ)。[14.2.1参照]
16.3 分布
健康成人男性8例に14C-ネランドミラスト100μg注)を空腹時静脈内投与したとき、定常状態における分布容積は約94L(幾何変動係数:32.0%)であった(外国人データ)。
ネランドミラストのヒト血漿蛋白結合率は77%であり(in vitroデータ)、健康成人男性6例に14C-ネランドミラスト18mgを空腹時単回経口投与したときの血液/血漿の放射能濃度の分布比は0.6~0.8であった(外国人データ)。
16.4 代謝
ネランドミラストは主としてCYP3Aによる酸化及び複数のUGT酵素によるグルクロン酸抱合によって代謝される(in vitroデータ)。
健康成人男性6例に14C-ネランドミラスト18mgを空腹時単回経口投与したとき、ネランドミラストは血漿中総放射能の約50%を占めた(AUC0-36比)(外国人データ)。
健康成人男性8例に本剤12mg注)を1日2回食後反復経口投与したとき、定常状態において血漿中で特定された主要な代謝物は二酸素付加代謝物のBI 764333/M480(4)のみであった。この薬理学的に不活性な代謝物は総薬物関連物質の12.5%を占めた(AUC0-24,ss比)(外国人データ)。
ネランドミラストは不斉硫黄原子を有する。本剤は基本的に光学的に純粋なR-エナンチオマーである。本剤を経口投与したとき、R-エナンチオマーからS-エナンチオマーへのキラル反転が起こった。S-エナンチオマーは本剤の微量代謝物(AUC0-∞比で血漿中総放射能の3%)であり、薬理学的に不活性であった。血漿中には、主に薬理活性を示すR-エナンチオマーとして存在した(外国人データ)。
16.5 排泄
16.5.1 健康成人男性15例に本剤18mgを1日2回反復経口投与したとき、定常状態での見かけの血漿クリアランスは274mL/min(幾何変動係数:23.6%)であった(外国人データ)。
健康成人男性6例に14C-ネランドミラスト18mgを空腹時単回経口投与したとき、投与後9日以内に投与放射能の約95%は回収され、糞中に58%(投与放射能の13%が未変化体)、尿中に36%(投与量の12%が未変化体)排泄された(外国人データ)。
16.5.2 授乳ラットに14C-ネランドミラストを単回経口投与したとき、乳汁中の放射能濃度は母動物血漿中の放射能濃度と同様に推移し、投与後1時間(最初の測定時点)で最高濃度に達したのち、投与後24時間にかけて大きく減少した。[9.6参照]
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害を有する患者における薬物動態
国際共同第III相試験2試験(1305-0014試験及び1305-0023試験)において、日本人を含む軽度(eGFR:60~<90mL/min/1.73m2)の腎機能障害を有するIPF患者(435例)及びPPF患者(372例)における本剤の定常状態でのトラフ血漿中濃度は、腎機能が正常(eGFR:≧90mL/min/1.73m2)なIPF患者(170例)及びPPF患者(247例)とそれぞれ比較して同程度であった。
中等度(eGFR:30~<60mL/min/1.73m2)及び高度(eGFR:15~<30mL/min/1.73m2)の腎機能障害を有する被験者(各群8例)に本剤18mgを空腹時単回経口投与したとき、腎機能が正常な被験者と比較して、中等度の腎機能障害を有する被験者ではCmaxで3%の低下、AUC0-tzで37%の上昇が認められ、高度の腎機能障害を有する被験者ではCmaxで14%の低下、AUC0-tzで29%の上昇が認められた(外国人データ)。これは臨床的に意義のある差ではなく、軽度、中等度及び高度(透析非実施)の腎機能障害を有する患者に対する用量調整は不要と考えられる。
16.6.2 肝機能障害を有する患者における薬物動態
軽度(Child-Pugh A)及び中等度(Child-Pugh B)の肝機能障害を有する被験者(各群8例)に本剤18mgを空腹時単回経口投与したとき、肝機能が正常な被験者と比較して、軽度の肝機能障害を有する被験者ではCmaxで17%の低下、AUC0-tzで5%の上昇が認められ、中等度の肝機能障害を有する被験者ではCmaxで31%の低下、AUC0-tzで31%の上昇が認められた(外国人データ)。これは臨床的に意義のある差ではなく、軽度及び中等度の肝機能障害を有する患者に対する用量調整は不要と考えられる。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 併用薬がネランドミラストの薬物動態に及ぼす影響
(1)ピルフェニドン
国際共同第III相試験(1305-0014試験)において、日本人を含むピルフェニドンによる基礎治療を受けているIPF患者では、ピルフェニドン又はニンテダニブによる基礎治療を受けていないIPF患者と比較して、本剤の定常状態でのトラフ血漿中濃度が約50%低下した。[7.1、10.2参照]
(2)ニンテダニブ
国際共同第III相試験2試験(1305-0014試験及び1305-0023試験)において、日本人を含むニンテダニブによる基礎治療を受けているIPF及びPPF患者では、ピルフェニドン又はニンテダニブによる基礎治療を受けていないIPF及びPPF患者と比較して、本剤のトラフ血漿中濃度は0.81~0.95倍であった。
(3)イトラコナゾール
健康成人男性16例にイトラコナゾール(CYP3A及びP-gpの強い阻害剤)200mgを1日1回12日間空腹時反復経口投与し、投与4日目に本剤6mg注)を空腹時単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対して、イトラコナゾール併用投与時の本剤のAUC0-119及びCmaxはそれぞれ2.2倍及び1.3倍に増加した(外国人データ)。[7.2、10.2参照]
(4)カルバマゼピン
健康成人男性15例にカルバマゼピン(強いCYP3A誘導剤)200mgを1日1回4日間、400mgを1日1回7日間、600mgを1日1回12日間食後反復経口投与し、600mg投与8日目に本剤18mgを空腹時単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対して、カルバマゼピン併用投与時の本剤のAUC0-tz及びCmaxはそれぞれ51%及び31%減少した(外国人データ)。[7.1、10.2参照]
(5)ボセンタン
健康成人男性13例にボセンタン(中程度のCYP3A誘導剤)125mgを1日2回17日間反復経口投与し、投与15日目に本剤18mgを空腹時単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対して、ボセンタン併用投与時の本剤のAUC0-tz及びCmaxはそれぞれ41%及び15%減少した(外国人データ)。[7.1、10.2参照]
16.7.2 ネランドミラストが併用薬の薬物動態に及ぼす影響
(1)ミダゾラム
健康成人男性15例に本剤18mgを1日2回13日間反復経口投与し、投与14日目に本剤18mgとともにミダゾラム(相互作用を受けやすいCYP3Aの基質)2mgを空腹時単回経口投与したときのミダゾラムのCmax及びAUC0-tzは、ミダゾラム単独投与時と比較して、それぞれ0.78倍及び0.92倍であり、本剤はミダゾラムの曝露量に臨床的に問題となる影響を及ぼさなかった(外国人データ)。この結果より、本剤は主にCYP3Aで代謝される薬剤の曝露量に影響を及ぼさないことが予想される。また、CYP3Aと同じくプレグナンX受容体(PXR)経路を介して誘導され、一般にCYP3Aと比べて誘導性の低いCYP2C8、CYP2C9及びCYP2C19についても、本剤は臨床的に問題となる誘導を引き起こさないことが予想される。
(2)ピルフェニドン及びニンテダニブ
健康成人男性13例に本剤18mgを1日2回10日間反復経口投与し、投与7日目にピルフェニドン267mg、投与8日目にニンテダニブ100mgを食後単回経口投与したとき、それぞれ単独投与時に対して、ピルフェニドンのCmax及びAUC0-tzは1.01~1.02倍、ニンテダニブのCmax及びAUC0-tzは0.87~1.08倍であり、本剤はピルフェニドン及びニンテダニブの曝露量に臨床的に問題となる影響を及ぼさなかった(外国人データ)。
注)承認された用法・用量は、「通常、成人にはネランドミラストとして1回18mgを1日2回経口投与する。なお、患者の忍容性に応じて、1回9mg1日2回に減量することができる。」である。
臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈特発性肺線維症〉
17.1.1 国際共同第III相試験:FIBRONEER-IPF(1305-0014試験)(jRCT2031220317)
特発性肺線維症(IPF)の患者1177例(日本人135例)を対象に、本剤18mg、9mg又はプラセボを1日2回、52週間以上経口投与するプラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験(FIBRONEER-IPF試験)を実施した。対象患者にはベースライン時にニンテダニブ又はピルフェニドンの投与を受けている患者(それぞれ46%、32%)及び受けていない患者(22%)が含まれた。主要評価項目である52週時のベースラインからの努力肺活量(FVC)の絶対変化量(mL)は表1のとおりであり、プラセボ群との比較において、本剤18mg群及び9mg群で、統計学的に有意な差が認められた。また、重要な副次評価項目に設定した臨床イベント注1)が最初に発生するまでの期間の結果は表2のとおりであった。観察期間の中央値は、主要解析時点で14.6カ月であった。
注1)IPFの初回急性増悪、呼吸器疾患による初回入院、又は死亡
表1 52週時のベースラインからのFVCの絶対変化量(mL)
<<表省略>>
表2 重要な副次評価項目の臨床イベントa)が最初に発生するまでの期間に関するハザード比
<<表省略>>
本試験の52週時点における副作用の発現割合は、本剤18mg群50.5%(198/392例)、本剤9mg群44.6%(175/392例)、プラセボ群35.6%(140/393例)であった。主な副作用は下痢と体重減少であり、その発現割合は本剤18mg群、本剤9mg群、プラセボ群でそれぞれ34.2%、22.2%、9.9%及び6.4%、3.8%、3.6%であった。投与中止に至った下痢の発現割合は、本剤18mg群5.6%(22/392例)、本剤9mg群1.5%(6/392例)、プラセボ群0.5%(2/393例)であった。下痢は、ほとんどの患者において軽度から中等度の重症度であり、多くは治療開始後3カ月以内に発生した。
〈進行性肺線維症〉
17.1.2 国際共同第III相試験:FIBRONEER-ILD(1305-0023試験)(jRCT2031220475)
進行性肺線維症(PPF)注2)患者1176例(日本人146例)を対象に、本剤18mg、9mg又はプラセボを1日2回、52週間以上経口投与するプラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験(FIBRONEER-ILD)を実施した。対象患者にはベースライン時にニンテダニブ投与を受けている患者(44%注3))及び受けていない患者(56%)が含まれた。主要評価項目である52週時のベースラインからの努力肺活量(FVC)の絶対変化量(mL)は表3のとおりであり、プラセボ群との比較において、本剤18mg群及び9mg群で、統計学的に有意な差が認められた。また、重要な副次評価項目に設定した臨床イベント注4)が最初に発生するまでの期間の結果は表4のとおりであった。観察期間の中央値は、主要解析時点で15.4カ月であった。
注2)試験対象のPPF患者は、特発性肺線維症以外の間質性肺疾患と診断され、胸部HRCTでの線維化の広がりが肺全野の10%超で確認され、スクリーニング前の24カ月以内において次のi)~iv)のいずれかの間質性肺疾患の進行性の基準を満たす患者を選択とした。
i)%FVCの10%以上の減少(相対変化量)がみられる。
ii)%FVCの5%以上、10%未満の減少(相対変化量)がみられ、かつ、呼吸器症状の悪化がある。
iii)%FVCの5%以上、10%未満の減少(相対変化量)がみられ、かつ、胸部画像上での線維化範囲の増加がみられる。
iv)呼吸器症状の悪化及び胸部画像上での線維化範囲の増加がみられる。
注3)ベースライン時にピルフェニドンを使用していた被験者が2名含まれている。
注4)ILDの初回急性増悪、呼吸器疾患による初回入院、又は死亡
表3 52週時のベースラインからのFVCの絶対変化量(mL)
<<表省略>>
表4 重要な副次評価項目の臨床イベントa)が最初に発生するまでの期間に関するハザード比
<<表省略>>
本試験の52週時点における副作用発現割合は、本剤18mg群44.5%(174/391例)、本剤9mg群38.7%(152/393例)、プラセボ群32.1%(126/392例)であった。主な副作用は下痢と体重減少であり、その発現割合は本剤18mg群、本剤9mg群、プラセボ群でそれぞれ27.1%、20.9%、13.0%及び4.4%、2.5%、1.8%であった。投与中止に至った下痢の発現割合は、本剤18mg群2.6%(10/391例)、本剤9mg群1.3%(5/393例)、プラセボ群0.5%(2/392例)であった。下痢は、ほとんどの患者において軽度から中等度の重症度であり、多くは治療開始後3カ月以内に発生した。
17.3 その他
17.3.1 QT間隔に対する影響
健康成人45例を対象に本剤30mg及び48mg注)を単回経口投与し、本剤のQTcF間隔に及ぼす影響をモキシフロキサシン400mg陽性対照のThorough QT試験で検討した。本剤は、QTcF間隔を延長しなかった(外国人データ)。
注)承認された用法・用量は、「通常、成人にはネランドミラストとして1回18mgを1日2回経口投与する。なお、患者の忍容性に応じて、1回9mg1日2回に減量することができる。」である。
薬効薬理
18.1 作用機序
ネランドミラストは、ホスホジエステラーゼ(PDE)4Bに対する選択性の高い阻害剤であり、in vitro試験において、PDE4A(IC50:248nmol/L)、C(IC50:8700nmol/L)及びD(IC50:91nmol/L)よりもPDE4B(IC50:10nmol/L)に対して約9倍以上の阻害活性を有する。PDE4は細胞内セカンドメッセンジャーである環状アデノシン一リン酸(cAMP)を加水分解して不活性化する。ネランドミラストは、PDE4Bを阻害することによりcAMPの細胞内濃度を増加させ、その結果として肺線維症において過剰発現される線維化促進増殖因子及び炎症性サイトカインの発現が減少するため、抗線維化作用及び免疫調整作用をもたらす。
18.2 抗線維化作用
IPF患者由来の初代培養肺線維芽細胞を用いたin vitro試験で、ネランドミラストは細胞外マトリックスの発現を阻害し、線維芽細胞から筋線維芽細胞への形質転換を阻害することが示された。また、ネランドミラストはニンテダニブとの併用で、相乗的な線維芽細胞の増殖阻害作用を示した。マウス及びラットのブレオマイシン誘発肺線維症モデルを用いた試験で、ネランドミラストは肺機能の改善及び抗線維化活性を示した。
18.3 免疫調整作用
ヒトPBMCを用いたin vitro試験において、ネランドミラストはLPS刺激によるTNF-α産生及びPHA-P刺激によるIL-2産生を阻害した。ネランドミラストは、ラット及びスンクスを用いたin vivo試験において、LPS刺激によるBALF中の好中球数増加を用量依存的に阻害した。
健康成人及びIPF患者を対象とした臨床試験において、ネランドミラストはex vivoの全血アッセイで、LPS刺激によるTNF-α及びIFNγの放出を抑制した。
医師の処方により使用する医薬品。
