ラヴィクティ内用液1.1g/mL
医療用
医療用医薬品:
医師の処方により使用する医薬品
医師の処方により使用する医薬品
医薬品コード(YJコード):3999068S1028
- 収載区分
- 銘柄別収載
- 先発・後発情報
- 先発品(後発品なし)
- オーソライズド
ジェネリック - -
- 一般名
- フェニル酪酸グリセロール液
- 英名(商品名)
- Ravicti
- 規格
- 27.5g25mL1瓶
- 薬価
- 41,455.40
- メーカー名
- オーファンパシフィック
- 規制区分
- -
- 長期投与制限
- 14日(2027年04月末まで)
- 標榜薬効
- 尿素サイクル異常症治療薬
- 色
- 無〜微黄澄明
- 識別コード
- -
- [@: メーカーロゴ]
- 添付文書
-
PDF 2025年12月改訂(第1版)
- 告示日
- 2026年4月14日
- 経過措置期限
- -
- 医薬品マスタに反映
- 2026年5月版
- 医薬品マスタ削除予定
- -
- 運転注意
- 情報なし(使用の適否を判断するものではありません)
- ドーピング
- 禁止物質なし(使用の適否を判断するものではありません)
- CP換算
- -
- 長期収載品選定療養
- -
[識別コードの表記 @: メーカーロゴ]
改訂情報
-
効能効果
尿素サイクル異常症。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤は、食事療法(タンパク質制限やアミノ酸補給等)のみでは管理ができない尿素サイクル異常症の患者に投与すること(また、本剤の適用にあたっては、適切な食事療法を継続すること)。
用法用量
通常、フェニル酪酸グリセロールとして1日4.5mL/㎡(体表面積)を開始用量とし、3回から6回に分けて、食事若しくは栄養補給とともに又は食直後に経口投与する。その後は患者の状態に応じて適宜増減するが、1日量は11.2mL/㎡(体表面積)を超えないこと。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 定期的に血中アンモニア濃度を測定すること。また、患者の血中アンモニア濃度、血中グルタミン濃度、タンパク質摂取量等、患者の状態に応じて本剤の投与量を調節すること。
7.2. フェニル酪酸ナトリウム製剤から本剤に切り替える場合は、次の換算式に従い、フェニル酪酸としての投与量が同等となるように、本剤の開始用量(1日投与量)を決定すること。
・ フェニル酪酸ナトリウム錠の投与量(g)×0.86=本剤の1日投与量(mL)。
・ フェニル酪酸ナトリウム顆粒の投与量(g)×0.81=本剤の1日投与量(mL)。
7.3. 高アンモニア血症の急性期治療から本剤に切り替える場合には、血中アンモニア濃度が安定した後に、血中アンモニア濃度を測定しながら徐々に本剤に切り替えること。
7.4. 本剤の1回あたりの投与量が2mL未満の場合は0.1mL単位で切り上げ、2mL以上の場合は0.5mL単位で切り上げること。
警告・禁忌・相互作用・その他の注意
(禁忌)
本剤の成分又はフェニル酪酸ナトリウムに対して過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
本剤の活性代謝物であるフェニル酢酸の血中濃度の上昇により、神経学的事象(嘔吐、悪心、頭痛、傾眠、錯乱等)が生じるおそれがあるので、血中アンモニア濃度の高値を伴わずに神経学的事象を認めた場合には、血中フェニル酢酸濃度高値を疑い、本剤を減量する等、適切な処置を行うこと(特に乳幼児や小児では血中フェニル酢酸濃度が上昇するおそれがあるため、注意すること)〔9.3肝機能障害患者の項、16.6.2参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 膵外分泌機能不全又は腸管吸収不良のある患者:血中アンモニア濃度等、患者の状態を慎重に観察し、本剤の投与量を調節すること(消化管における本剤からフェニル酪酸への代謝能が低下し、適切な血中アンモニア濃度のコントロールが得られなくなるおそれがある)。
9.1.2. 先天性β酸化異常を有する患者:血中アンモニア濃度等、患者の状態を慎重に観察し、本剤の投与量を調節すること(フェニル酪酸からフェニル酢酸への代謝能の低下により、血中フェニル酢酸濃度が低下し、適切な血中アンモニア濃度のコントロールが得られなくなるおそれがある)。
(腎機能障害患者)
本剤の代謝物であるフェニルアセチルグルタミンの血中濃度が上昇するおそれがある(腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない)。
(肝機能障害患者)
肝機能障害患者:神経学的事象の発現の有無や血中アンモニア濃度等、患者の状態を慎重に観察し、本剤の投与量を調節すること(肝臓におけるフェニル酢酸からフェニルアセチルグルタミンへの代謝能の低下により、血中フェニル酢酸濃度が上昇するおそれがある)〔8.重要な基本的注意の項、16.6.1参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(妊娠ラットに本剤を投与したとき、胎仔に尾の異常が認められた)〔15.2.2参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
(高齢者)
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。
(相互作用)
本剤はリパーゼの基質である。また、本剤はCYP3Aに対する誘導作用を有する。
10.2. 併用注意:
1). CYP3Aの基質となる薬剤(シクロスポリン、キニジン、ミダゾラム等)〔16.7.1参照〕[これらの薬剤の作用が減弱するおそれがある(本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する)]。
2). プロベネシド[本剤の代謝物であるフェニルアセチルグルタミンの血中濃度が上昇するおそれがある(フェニルアセチルグルタミンの尿中排泄を阻害する可能性がある)]。
3). オルリスタット[本剤の作用が減弱するおそれがある(リパーゼ阻害作用により、本剤からのフェニル酪酸の遊離が低下する可能性がある)]。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
14.1.1. 本剤は瓶のまま交付すること。
14.1.2. 本剤は水により分解するため、湿気等により混濁するおそれがある(混濁した薬剤は廃棄する)。
14.1.3. 患者又はその保護者に対し、次の点に注意するよう指導すること。
・ 本剤の1回あたりの投与量に応じた経口投与用シリンジを用いて、処方された容量を量り取ること。
・ 経口投与用シリンジから口腔内に直接投与、又は経口投与用シリンジからスプーン等に移して投与すること。
・ 経口投与用シリンジから口腔内に直接投与する場合は、その都度シリンジを廃棄し、経口投与用シリンジからスプーン等に移して投与する場合は、1日の最後の投与後にシリンジを廃棄すること。
・ 本剤は水により分解されることから、経口投与用シリンジを水で洗浄しない(水分が付着した場合は、十分に乾燥させるか、別の経口投与用シリンジに交換する)。
・ 本剤開封後は14日以内に使用すること。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 経口投与が困難な場合は経鼻又は胃瘻チューブを介して投与できる。
(その他の注意)
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. ラットを用いた2年間がん原性試験において、本剤を雄に0.65g/kg又は雌に0.9g/kg(ヒトに本剤の臨床用量を投与したとき、フェニル酪酸の曝露量の約0.3倍(雄)及び約0.7倍(雌)、並びにフェニル酢酸の曝露量の約8.9倍(雄)及び約15.9倍(雌)に相当する用量)を経口投与したとき、副腎皮質腫瘍、膵臓腫瘍、甲状腺腫瘍及び子宮腫瘍における発生率の上昇が認められた。
15.2.2. 幼若ラットを用いた反復投与毒性試験において、生後2日から妊娠20日目まで本剤1.2g/kg(ヒトに本剤の臨床用量を投与したときのフェニル酪酸及びフェニル酢酸の曝露量の、それぞれ約0.8倍及び約19.0倍に相当する用量)を経口投与したとき、胎仔に尾の異常が認められた。また、ラットを用いた胚・胎仔発生試験において、本剤0.65g/kg(ヒトに本剤の臨床用量を投与したときのフェニル酪酸及びフェニル酢酸の曝露量の、それぞれ約1.0倍及び約10.4倍に相当する用量)を妊娠7~17日目に経口投与したときにも、胎仔に尾の異常が認められた〔9.5妊婦の項参照〕。
15.2.3. ラットを用いた受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験において、本剤1.2g/kg(ヒトに本剤の臨床用量を投与したときのフェニル酪酸及びフェニル酢酸の曝露量の、それぞれ約0.4倍及び約6.0倍に相当する用量)を経口投与した雄ラットと交配した、無処置の雌ラット及び本剤1.2g/kgを交配15日前から妊娠7日目まで経口投与した雌ラットのいずれにおいても、生存胚数低値及び死亡胚数高値が認められた。
15.2.4. 妊娠ラットにフェニル酢酸を妊娠9~20日間持続皮下投与し、血中フェニル酢酸非抱合体の濃度が0.5μmol/mLを上回った群(ヒトに本剤の臨床用量を投与したとき、フェニル酢酸の曝露量の約3.7倍に相当する用量)では、自然流産及び新生仔早期死亡が認められ、また、血中フェニル酢酸非抱合体濃度が0.25~0.45μmol/mLの群(ヒトに本剤の臨床用量を投与したとき、フェニル酢酸の曝露量の約1.8~3.3倍に相当する用量)では、新生仔体重低値及び新生仔大脳半球重量低値が認められ、生後17~25日に新生仔学習障害が認められた。
15.2.5. 2日齢のラットにフェニル酢酸0.75~1.25μmol/gを皮下投与したとき、体重減少及び成長遅延が認められた。
(取扱い上の注意)
開封後は14日以内に使用する(開封後14日以内に使用していない本剤は廃棄する)。
(保管上の注意)
室温保存。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 血液:(0.1%以上1%未満)貧血、好中球減少症、血小板増加症。
2). 代謝及び栄養障害:(1%以上10%未満)食欲減退、食欲亢進、食物嫌悪、(0.1%以上1%未満)低アルブミン血症、低カリウム血症、過小食。
3). 精神神経系:(1%以上10%未満)嗜眠、振戦、頭痛、浮動性めまい、(0.1%以上1%未満)錯乱状態、精神運動亢進、抑うつ気分、傾眠、錯感覚、会話障害、味覚不全。
4). 呼吸器系:(0.1%以上1%未満)発声障害、咽喉刺激感、鼻出血、鼻閉、(頻度不明)口腔咽頭痛。
5). 消化器系:(1%以上10%未満)消化不良、腹痛、上腹部痛、腹部膨満、鼓腸、便秘、下痢、嘔吐、レッチング、悪心、口腔内不快感、(0.1%以上1%未満)消化器痛、腹部不快感、胃食道逆流性疾患、便意切迫、排便困難、脂肪便、軟便、口内炎、(頻度不明)異常便、口内乾燥、おくび。
6). 皮膚:(1%以上10%未満)発疹、ざ瘡、皮膚臭異常、(0.1%以上1%未満)脱毛症、多汗症、そう痒性皮疹、湿疹、爪線状隆起。
7). 筋骨格系:(0.1%以上1%未満)筋痙縮、背部痛、四肢痛、足底筋膜炎、関節腫脹。
8). 泌尿・生殖器:(1%以上10%未満)月経中間期出血、(0.1%以上1%未満)腎結石症、膀胱痛、無月経、不規則月経。
9). 一般・全身障害:(1%以上10%未満)疲労、(0.1%以上1%未満)発熱、末梢性浮腫、末梢腫脹、(頻度不明)空腹。
10). 臨床検査:(1%以上10%未満)AST増加、ALT増加、アニオンギャップ増加、ビタミンD減少、リンパ球数減少、体重減少、(0.1%以上1%未満)アンモニア増加、心電図異常、心電図QT延長、血中カリウム増加、血中トリグリセリド増加、低比重リポ蛋白増加、アミノ酸濃度減少、肝酵素上昇、トランスアミナーゼ上昇、γ-GTP増加、プロトロンビン時間延長、二酸化炭素減少、血中重炭酸塩減少、白血球数増加、(頻度不明)体重増加。
11). その他:(0.1%以上1%未満)ウイルス性消化管感染、甲状腺機能低下症、心室性不整脈、ほてり、肝石灰化、胆道仙痛。
薬物動態
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に、本剤をフェニル酪酸3g/m2に相当するモル当量で単回経口投与したときの本剤の主要な代謝物であるフェニル酪酸、フェニル酢酸及びフェニルアセチルグルタミンの薬物動態パラメータは、次のとおりであった(外国人データ)。
<<表省略>>
16.1.2 反復投与
健康成人に、本剤100mg/kgを1日2回、7日間反復経口投与したときの本剤の主要な代謝物であるフェニル酪酸、フェニル酢酸及びフェニルアセチルグルタミンの薬物動態パラメータは、次のとおりであった(外国人データ)。
<<表省略>>
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人8例に、本剤100mg/kgを食後及び空腹時に単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与の本剤の主要な代謝物であるフェニル酪酸、フェニル酢酸及びフェニルアセチルグルタミンのCmax及びAUC0-12hの幾何平均値の比(食後投与/空腹時投与)とその90%信頼区間は、Cmaxでそれぞれ1.075[0.57,2.04]、0.849[0.52,1.39]及び0.959[0.80,1.15]、AUC0-12hでそれぞれ0.879[0.49,1.56]、0.673[0.36,1.24]及び0.907[0.75,1.09]であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 分布容積
本剤の海外臨床試験成績より得られた尿素サイクル異常症患者79例を対象とした母集団薬物動態解析の結果、本剤の主要な代謝物であるフェニル酪酸、フェニル酢酸及びフェニアルアセチルグルタミンの見かけの分布容積は、それぞれ12.4L、30.8L及び23.4Lと推定された。
16.3.2 タンパク結合
14C標識されたフェニル酪酸、フェニル酢酸及びフェニルアセチルグルタミン(検討された濃度範囲はそれぞれ1~250μg/mL、5~500μg/mL及び1~250μg/mL)のヒト血漿タンパク結合率はそれぞれ80.6~98.0%、37.1~65.6%及び7.3~12.0%であった(in vitro)。
16.4 代謝
フェニル酪酸グリセロールはリパーゼにより加水分解を受け、グリセロールとフェニル酪酸に代謝される(in vitro)。フェニル酪酸はβ酸化によりフェニル酢酸に代謝され、グルタミンと抱合されてフェニルアセチルグルタミンとなる。
16.5 排泄
日本人成人尿素サイクル異常症患者6例に本剤を投与したとき、投与量の74.2%がフェニルアセチルグルタミンとして尿中に排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害を有する患者
肝機能障害の程度の異なる治験参加者(Child-Pugh scoresに基づいて分類)に本剤100mg/kgを1日2回、7日間反復経口投与したときの、本剤の主要な代謝物であるフェニル酪酸、フェニル酢酸及びフェニルアセチルグルタミンの薬物動態パラメータは次のとおりであった(外国人データ)。[9.3参照]
<<表省略>>
16.6.2 小児
本剤の海外臨床試験より得られた尿素サイクル異常症患者79例を対象とした母集団薬物動態解析の結果、フェニル酢酸の見かけのクリアランスは3歳未満、3歳以上6歳未満、6歳以上12歳未満、12歳以上18歳未満で、それぞれ7.1L/h、10.9L/h、16.4L/h、24.4L/hであり、本剤投与後の定常状態の血漿中フェニル酢酸濃度は、年齢が低いほど高値を示すことが予測された。
また、2歳未満の小児尿素サイクル異常症患者に本剤を反復経口投与したときの本剤の1日投与量及び投与1日目の本剤の主要な代謝物であるフェニル酪酸、フェニル酢酸及びフェニルアセチルグルタミンの薬物動態パラメータは次のとおりであった(外国人データ)。[8.参照]
<<表省略>>
16.7 薬物相互作用
16.7.1 臨床薬物相互作用試験
(1)ミダゾラム
健康成人24例に本剤4.4gを1日3回経口投与し、ミダゾラム(CYP3A基質)3mgを単回経口併用投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対する併用投与時のミダゾラムのCmax及びAUClastの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ0.74及び0.68であった。[10.2参照]
(2)セレコキシブ
健康成人28例に本剤4.4gを1日3回経口投与し、セレコキシブ(CYP2C9基質)200mgを単回経口併用投与したとき、セレコキシブ単独投与時に対する併用投与時のセレコキシブのCmax及びAUClastの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ0.88及び0.92であった。
16.7.2 その他
(1)CYP阻害作用
フェニル酪酸はCYP2D6に対して阻害作用を示した(Ki:240μg/mL)(in vitro)。
(2)トランスポーター阻害作用
フェニル酢酸はOAT1に対して阻害作用を示した(IC50:180μg/mL)(in vitro)。
臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(HPN-100-J001試験)
成人及び0歳以上の小児の尿素サイクル異常症患者16例(成人6例、小児10例)(OTC欠損症8例、ASS欠損症6例、ARG欠損症1例、ASL欠損症1例)を対象に、フェニル酪酸ナトリウムを7日間投与後、本剤を7日間投与する非盲検単群試験が実施された。本剤及びフェニル酪酸ナトリウムの用法は、食事とともに又は食直後に、成人では原則1日3回、小児では原則1日3~4回、経口投与とされた。フェニル酪酸ナトリウムの用量は試験開始前の用量と同量とされ、本剤の用量はフェニル酪酸ナトリウムの投与量とフェニル酪酸が同モル当量となる投与量とされた。なお、試験期間中は、患者毎に規定されたタンパク質の摂取量を遵守することとされた。試験終了時の本剤の投与量の中央値[範囲]は7.12[3.9,13.4]g/m2であった。
主要評価項目である各薬剤の投与最終日の血中アンモニア濃度(AUC0-24h)(最小二乗幾何平均値[95%信頼区間])は、本剤投与時は599.78[488.97,735.70]μmol・h/L、フェニル酪酸ナトリウム投与時は706.59[578.01,863.77]μmol・h/Lであった。
本剤投与時に副作用は認められなかった。また、7日間の本剤投与終了後にさらに最大12カ月間本剤を投与した継続投与期で認められた副作用の発現頻度は13.3%(2/15例)であり、認められた副作用は悪心、心電図QT延長(各1例)であった。
17.1.2 海外第III相試験(HPN-100-006試験)
成人の尿素サイクル異常症患者45例(OTC欠損症40例、ASS欠損症3例、CPS-1欠損症2例)を対象に、二重盲検2期クロスオーバー試験が実施された。治験参加者は本剤/プラセボ又はフェニル酪酸ナトリウム/プラセボに1:1の比で無作為に割り付けられ、いずれかの治験薬を2週間ずつ、食事とともに1日3回経口、経鼻胃又は胃瘻チューブを介して投与された。フェニル酪酸ナトリウムの用量は試験開始前の用量と同量とされ、本剤の用量はフェニル酪酸ナトリウムの投与量とフェニル酪酸が同モル当量となる投与量とされた。なお、試験期間中は、患者毎に規定された内容の食事の摂取を遵守することとされた。試験終了時の本剤の投与量の中央値[範囲]は7.86[0.7,15.4]g/m2であった。
主要評価項目である各薬剤の投与最終日の血中アンモニア濃度(AUC0-24h)は次のとおりであり、最小二乗幾何平均値の比の95%信頼区間の上限値が非劣性マージン1.25を下回ったことから、本剤のフェニル酪酸ナトリウムに対する非劣性が示された。
<<表省略>>
副作用発現頻度は45.5%(20/44例)であり、主な副作用は、下痢15.9%(7/44例)、鼓腸、頭痛各13.6%(6/44例)、腹痛、疲労各6.8%(3/44例)であった。
17.1.3 海外第III相試験(HPN-100-007試験)
成人及び6歳以上の小児の尿素サイクル異常症患者60例(成人51例、小児9例)(OTC欠損症49例、ASS欠損症4例、HHH症候群3例、ASL欠損症2例、CPS-1欠損症1例、ARG欠損症1例)を対象に、本剤の非盲検非対照試験が実施された。本剤の用法は、食事とともに1日3回経口又は胃瘻チューブを介して投与とされた。HPN-100-006試験から本試験に移行した患者では、先行する試験での投与量が開始用量とされた。新たに本試験に組み入れられた患者の開始用量は、フェニル酪酸ナトリウム既治療例では試験開始前のフェニル酪酸ナトリウムとフェニル酪酸が同モル当量となる用量とされ、フェニル酪酸ナトリウム未治療例では患者の状態に応じて医師により決定された。試験期間中は本剤の用量は適宜調節可能とされた。なお、試験期間中は、低タンパク食の摂取及びアミノ酸の補給を遵守することとされた。試験終了時の本剤の投与量(中央値[範囲])は7.96[0.7,15.2]g/m2であった。
主な有効性評価項目である、本剤を12カ月間投与したときの血中アンモニア濃度の推移は次のとおりであった(1μmol/Lは1.7μg/dLに相当)。
<<図省略>>
副作用発現頻度は55%(33/60例)であり、主な副作用は嘔吐11.7%(7/60例)、食欲減退10.0%(6/60例)、悪心8.3%(5/60例)であった。
17.1.4 海外第II相試験(HPN-100-005試験)
6歳以上の小児の尿素サイクル異常症患者11例(OTC欠損症9例、ASS欠損症1例、ASL欠損症1例)を対象に、フェニル酪酸ナトリウムを7日間投与後、本剤を7日間投与する非盲検単群試験が実施された。本剤及びフェニル酪酸ナトリウムの用法は、食事とともに1日3回経口又は胃瘻チューブを介して投与とされた。フェニル酪酸ナトリウムの用量は試験開始前の用量と同量とされ、本剤の用量はフェニル酪酸ナトリウムの投与量とフェニル酪酸が同モル当量となる投与量とされた。なお、試験期間中は、低タンパク食の摂取及びアミノ酸の補給を遵守することとされた。試験終了時の本剤の投与量(中央値[範囲])は9.62[6.71,14.4]g/m2であった。
主要評価項目である各薬剤の投与最終日の血中アンモニア濃度(AUC0-24h)(平均値±標準偏差)は、本剤投与時は603.8±187.92μmol・h/L、フェニル酪酸ナトリウム投与時は814.6±322.36μmol・h/Lであった。
副作用の発現頻度は9.1%(1/11例)であり、認められた副作用は上腹部痛であった。また、7日間の本剤投与終了後にさらに最大12カ月間本剤を投与した継続投与期で認められた副作用の発現頻度は47.1%(8/17例)であり、主な副作用は上腹部痛17.6%(3/17例)、アニオンギャップ増加、皮膚異常臭各11.8%(2/17例)であった。
17.1.5 海外第III相試験(HPN-100-012試験)
29日齢以上6歳未満の小児の尿素サイクル異常症患者15例(ASL欠損症8例、OTC欠損症3例、ASS欠損症3例、ARG欠損症1例)を対象に、フェニル酪酸ナトリウムを1日投与後、本剤を9日間投与する非盲検単群試験が実施された。本剤及びフェニル酪酸ナトリウムの用法は、原則として食直前に1日3回又は4回経口投与とされ、患者の哺乳間隔により適宜調整可能とされた。フェニル酪酸ナトリウムの用量は試験開始前の用量と同量とされ、本剤の用量はフェニル酪酸ナトリウムの投与量とフェニル酪酸が同モル当量となる投与量とされた。なお、試験期間中は、患者毎に規定されたタンパク質の摂取量を遵守することとされた。試験終了時の本剤の投与量(中央値[範囲])は7.86[1.5,14.1]g/m2であった。
主な有効性評価項目である、フェニル酪酸ナトリウム投与時及び本剤投与2日目の血中アンモニア濃度(AUC0-24h)(平均値±標準偏差)はそれぞれ914.43±630.21μmol・h/L及び647.63±379.94μmol・h/Lであった。
本試験では非重篤な有害事象との因果関係評価は行われず、重篤な副作用は認められなかった。また、9日間の本剤投与終了後にさらに最大12カ月間本剤を投与した継続投与期でも、重篤な副作用は認められなかった。
17.1.6 海外第IV相試験(HPN-100-009試験)
2歳未満の小児の尿素サイクル異常症患者26例(OTC欠損症10例、ASS欠損症9例、ASL欠損症4例、CPS-1欠損症2例、ARG欠損症1例)を対象に、7日間かけて他の治療から本剤へ切り替える非盲検単群試験が実施された。本剤の用法は、食直前に1日3~6回経口、経鼻胃又は胃瘻チューブを介して投与とされた。本剤の用量について、未治療例では8.5mL/m2/日、フェニル酢酸ナトリウム/安息香酸ナトリウム製剤から切り替える場合では11.2mL/m2/日、フェニル酪酸ナトリウムから切り替える場合はフェニル酪酸ナトリウムの投与量とフェニル酪酸が同モル当量となる投与量、安息香酸ナトリウム製剤から切り替える場合は安息香酸ナトリウムの投与量の半量に相当する量とされた。なお、試験期間中は、患者毎に規定されたタンパク質の摂取量を遵守することとされた。試験終了時の本剤の投与量(中央値[範囲])は7.86[1.5,14.1]g/m2であった。
主な有効性評価項目である、高アンモニア血症の徴候又は症状がなく、かつ血中アンモニア濃度が100μmol/L(170μg/dL)未満の状態で本剤に切り替えられた患者の割合は100%(26/26例)であった。
7日間の本剤投与終了後にさらに最大2年間本剤を投与した継続投与期で認められた副作用の発現頻度は53.8%(14/26例)であり、認められた主な副作用は発疹15.4%(4/26例)、下痢11.5%(3/26例)であった。
薬効薬理
18.1 作用機序
尿素サイクル異常症患者では、残余窒素の尿素としての排泄が不十分であることにより高アンモニア血症を呈する。フェニル酪酸グリセロールはグリセロール骨格に3分子のフェニル酪酸が結合しており、ヒト生体内で加水分解されてフェニル酪酸が生成され、さらにフェニル酪酸はβ酸化により速やかにフェニル酢酸に代謝される。フェニル酢酸はグルタミンと結合し、フェニルアセチルグルタミンとして尿中に排泄される。αケトグルタル酸からグルタミン酸を経てグルタミンが生合成される過程で、アンモニア2分子が取り込まれるため、フェニル酪酸1分子により残余窒素2原子が排泄される。
医師の処方により使用する医薬品。
