エポプロステノール静注用1.5mg「ヤンセン」
医療用
医療用医薬品:
医師の処方により使用する医薬品
医師の処方により使用する医薬品
医薬品コード(YJコード):2190413F4078
- 収載区分
- 銘柄別収載
- 先発・後発情報
- 後発品(加算対象)
- オーソライズド
ジェネリック - -
- 一般名
- エポプロステノールナトリウム静注用
- 英名(商品名)
- Epoprostenol
- 規格
- 1.5mg1瓶(溶解液付)
- 薬価
- 11,785.00
- メーカー名
- ヤンセンファーマ
- 規制区分
- 劇薬
- 長期投与制限
- -
- 標榜薬効
- 末梢血管拡張薬〔プロスタグランジンI2(PGI2)誘導体〕
- 色
- -
- 識別コード
- -
- [@: メーカーロゴ]
- 添付文書
-
PDF 2020年7月改訂(第10版)
- 告示日
- 2020年8月25日
- 経過措置期限
- -
- 医薬品マスタに反映
- 2020年9月版
- DIRに反映
- 2020年9月版
- DIR削除予定
- -
- 運転注意
- 情報なし(使用の適否を判断するものではありません)
- ドーピング
- 禁止物質なし(使用の適否を判断するものではありません)
- CP換算
- -
[識別コードの表記 @: メーカーロゴ]
効能効果
肺動脈性肺高血圧症。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.本剤は肺動脈性肺高血圧症と診断された患者にのみ使用する。
2.本剤の使用にあたっては、最新の治療ガイドラインを参考に投与の要否を検討する。
3.先天性心疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症については、Eisenmenger症候群あるいは術後に肺高血圧の残存している患者にのみ使用する。
4.本剤は他の血管拡張薬で十分な治療効果が得られない場合に適用を考慮する。
5.成人では特発性又は遺伝性PAH及び結合組織病に伴うPAH以外のPAHにおける安全性・有効性は確立していない(PAH:肺動脈性肺高血圧症)。
6.小児では特発性又は遺伝性PAH及び先天性心疾患に伴うPAH以外のPAHにおける安全性・有効性は確立していない(PAH:肺動脈性肺高血圧症)。
用法用量
1.成人:
用量設定(投与開始時):本剤は専用溶解用液(生理食塩液)を用いて溶解し、エポプロステノールとして1分間当り2ng/kgの投与速度で精密持続点滴装置(シリンジポンプ又は輸液ポンプ)により、持続静脈内投与を開始する。患者の状態(症状、血圧、心拍数、血行動態等)を十分観察しながら15分以上の間隔をおいて1〜2ng/kg/分ずつ増量し、10ng/kg/分までの範囲で最適投与速度を決定する。最適投与速度の決定にあたっては、増量時における潮紅(軽微なものを除く)、頭痛、嘔気等の副作用の発現が重要な指標となる。このような症状が軽度でも認められた場合にはその後の増量を中止し、それらの症状が消失しない場合には15分以上の間隔をおいて2ng/kg/分ずつ減量する。
継続投与:その後は最適投与速度で維持し、定期的に患者を観察し症状に応じて投与速度を適宜調節するが、その場合も患者の状態(症状、血圧、心拍数、血行動態等)を観察しながら15分以上の間隔をおいて1〜2ng/kg/分ずつ増減する。
2.小児:
用量設定(投与開始時):本剤は専用溶解用液(生理食塩液)を用いて溶解し、小児にはエポプロステノールとして1分間当り0.5〜2ng/kgの投与速度で精密持続点滴装置(シリンジポンプ又は輸液ポンプ)により、持続静脈内投与を開始する。患者の状態(症状、血圧、心拍数、血行動態等)を十分観察しながら、原則として1〜4週の間隔をおいて0.5〜2ng/kg/分ずつ増量し、20〜40ng/kg/分を目安として最適投与速度を決定する。増量時に潮紅(軽微なものを除く)、頭痛、嘔気等の症状が軽度でも認められた場合にはその後の増量を中止し、それらの症状が消失しない場合には0.5〜2ng/kg/分ずつ緩徐に減量する。
継続投与:その後は最適投与速度で維持し、定期的に患者を観察し症状に応じて投与速度を適宜調節するが、その場合も患者の状態(症状、血圧、心拍数、血行動態等)を観察しながら0.5〜2ng/kg/分ずつ増減する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.本剤は、常に専用溶解用液(生理食塩液)のみで溶解し、他の注射剤<エポプロステノール静注用「ヤンセン」専用溶解用液以外>等と配合しない、また、他の注射剤、輸液等を併用投与する場合は、混合せず別の静脈ラインから投与する(他の注射剤、輸液等との配合あるいは混合によりpHが低下し安定性が損なわれる、本剤の有効成分の含量低下により投与量が不足する可能性があり、投与量の不足により十分な臨床効果が得られず、肺高血圧症状の悪化又は再発を来す恐れがある)。
2.本剤による重篤な副作用は、投与開始時の最小の投与速度である0.5〜2ng/kg/分でも発現する恐れがあり、また本剤による副作用の多くが最適投与速度を決定するまでの間に発現しているので、その間は患者の症状、血圧、心拍数、血行動態等を十分観察する。
3.最適投与速度を決定する際に、肺動脈圧の低下のみを目安にしない(臨床試験において、用量設定期(投与開始時)には心拍出量は増加するが、肺動脈圧は低下しないことが認められており、過量投与となる可能性がある)。
4.投与開始後1日間は、血圧低下等血行動態の変化による副作用の発現を防ぐため患者の安静を保つ。
5.投与中及び投与中止の際の急激な減量により肺高血圧症状が増悪する恐れがあるので、本剤を休薬又は投与中止する場合は、1日当り2ng/kg/分以下で徐々に減量する(また、重篤な副作用の発現等、本剤を直ちに中止すべきと判断した場合でも、可能な限り徐々に減量し、急に中止しない)。
6.本剤の減量中又は投与中止後に症状の悪化又は症状の再発が認められることがあるので、患者の状態に注意し、このような場合には、適宜増量又は再投与する等の適切な処置を行う。
<注射液の調製法の例示>
専用溶解用液(生理食塩液)を用い、次を参考に調製する。
1.調製する注射液の濃度(5000ng/mL):凍結乾燥品(エポプロステノール0.5mg)1バイアル、専用溶解用液(生理食塩液(50mL))2本。
2.調製する注射液の濃度(10000ng/mL):凍結乾燥品(エポプロステノール0.5mg)1バイアル、専用溶解用液(生理食塩液(50mL))1本。
3.調製する注射液の濃度(10000ng/mL):凍結乾燥品(エポプロステノール0.5mg)2バイアル、専用溶解用液(生理食塩液(50mL))2本。
4.調製する注射液の濃度(15000ng/mL):凍結乾燥品(エポプロステノール1.5mg)1バイアル、専用溶解用液(生理食塩液(50mL))2本。
5.調製する注射液の濃度(20000ng/mL):凍結乾燥品(エポプロステノール0.5mg)1バイアル、凍結乾燥品(エポプロステノール1.5mg)1バイアル、専用溶解用液(生理食塩液(50mL))2本。
6.調製する注射液の濃度(30000ng/mL):凍結乾燥品(エポプロステノール1.5mg)1バイアル、専用溶解用液(生理食塩液(50mL))1本。
7.調製する注射液の濃度(30000ng/mL):凍結乾燥品(エポプロステノール1.5mg)2バイアル、専用溶解用液(生理食塩液(50mL))2本。
8.調製する注射液の濃度(40000ng/mL):凍結乾燥品(エポプロステノール0.5mg)2バイアル、凍結乾燥品(エポプロステノール1.5mg)2バイアル、専用溶解用液(生理食塩液(50mL))2本。
9.調製する注射液の濃度(50000ng/mL):凍結乾燥品(エポプロステノール0.5mg)1バイアル、凍結乾燥品(エポプロステノール1.5mg)3バイアル、専用溶解用液(生理食塩液(50mL))2本。
<調製方法>
0.5mg/1.5mg製剤1バイアル、専用溶解用液(生理食塩液(50mL))1本:専用溶解用液(生理食塩液(50mL))1本より4mLを注射筒を用いて正確に取り、本剤バイアル内に注入し、溶解した液の全量を再び専用溶解用液(生理食塩液)1本に戻す。
0.5mg/1.5mg製剤1バイアル、専用溶解用液(生理食塩液(50mL))2本:専用溶解用液(生理食塩液(50mL))2本より2mLずつ注射筒を用いて合計4mLを正確に取り、本剤バイアル内に注入する。溶解した液を全て注射筒内にとり、正確に2mLずつ専用溶解用液(生理食塩液)2本に戻す。
0.5mg/1.5mg製剤2バイアル、専用溶解用液(生理食塩液(50mL))2本:専用溶解用液(生理食塩液(50mL))2本より2mLずつ注射筒を用いて合計4mLを正確に取り、本剤バイアル内に2mLずつ注入する。溶解した液を全て注射筒内にとり、正確に2mLずつ専用溶解用液(生理食塩液)2本に戻す。
0.5mg/1.5mg製剤3バイアル、専用溶解用液(生理食塩液(50mL))2本:専用溶解用液(生理食塩液(50mL))2本より1.5mLずつ注射筒を用いて合計3mLを正確に取り、本剤バイアル内に1mLずつ注入する。溶解した液を全て注射筒内にとり、正確に1.5mLずつ専用溶解用液(生理食塩液)2本に戻す。
0.5mg/1.5mg製剤4バイアル、専用溶解用液(生理食塩液(50mL))2本:専用溶解用液(生理食塩液(50mL))2本より2mLずつ注射筒を用いて合計4mLを正確に取り、本剤バイアル内に1mLずつ注入する。溶解した液を全て注射筒内にとり、正確に2mLずつ専用溶解用液(生理食塩液)2本に戻す。
3000ng/mLの調製方法:専用溶解用液(生理食塩液(50mL))1本より5mLを注射筒を用いて正確に取り、本剤0.5mgバイアル内に注入し、溶解した液1.5mLを正確に注射筒内にとる。新たな専用溶解用液(生理食塩液)1本より1.5mLを除き、これに先に注射筒内にとった液全量を注入する。
<投与方法>
本剤は末梢又は中心静脈内にカテーテルを留置し、フィルターを接続した精密持続点滴装置を用いて、次に示す注射液流量に従い持続投与する。但し、精密持続点滴装置は次に示す機能・精度を有するものを使用する。
体重別の注射液流量(mL/時);
5000ng/mLの濃度に調製した場合:
エポプロステノール投与速度2ng/kg/分の場合:(体重1kg当り0.024mL/時)体重10kg;0.24mL/時、体重15kg;0.36mL/時、体重20kg;0.48mL/時、体重25kg;0.60mL/時、体重30kg;0.72mL/時、体重35kg;0.84mL/時、体重40kg;0.96mL/時、体重45kg;1.08mL/時、体重50kg;1.20mL/時、体重55kg;1.32mL/時、体重60kg;1.44mL/時、体重65kg;1.56mL/時、体重70kg;1.68mL/時、体重75kg;1.80mL/時、体重80kg;1.92mL/時。
エポプロステノール投与速度4ng/kg/分の場合:(体重1kg当り0.048mL/時)体重10kg;0.48mL/時、体重15kg;0.72mL/時、体重20kg;0.96mL/時、体重25kg;1.20mL/時、体重30kg;1.44mL/時、体重35kg;1.68mL/時、体重40kg;1.92mL/時、体重45kg;2.16mL/時、体重50kg;2.40mL/時、体重55kg;2.64mL/時、体重60kg;2.88mL/時、体重65kg;3.12mL/時、体重70kg;3.36mL/時、体重75kg;3.60mL/時、体重80kg;3.84mL/時。
エポプロステノール投与速度6ng/kg/分の場合:(体重1kg当り0.072mL/時)体重10kg;0.72mL/時、体重15kg;1.08mL/時、体重20kg;1.44mL/時、体重25kg;1.80mL/時、体重30kg;2.16mL/時、体重35kg;2.52mL/時、体重40kg;2.88mL/時、体重45kg;3.24mL/時、体重50kg;3.60mL/時、体重55kg;3.96mL/時、体重60kg;4.32mL/時、体重65kg;4.68mL/時、体重70kg;5.04mL/時、体重75kg;5.40mL/時、体重80kg;5.76mL/時。
エポプロステノール投与速度8ng/kg/分の場合:(体重1kg当り0.096mL/時)体重10kg;0.96mL/時、体重15kg;1.44mL/時、体重20kg;1.92mL/時、体重25kg;2.40mL/時、体重30kg;2.88mL/時、体重35kg;3.36mL/時、体重40kg;3.84mL/時、体重45kg;4.32mL/時、体重50kg;4.80mL/時、体重55kg;5.28mL/時、体重60kg;5.76mL/時、体重65kg;6.24mL/時、体重70kg;6.72mL/時、体重75kg;7.20mL/時、体重80kg;7.68mL/時。
エポプロステノール投与速度10ng/kg/分の場合:(体重1kg当り0.12mL/時)体重10kg;1.20mL/時、体重15kg;1.80mL/時、体重20kg;2.40mL/時、体重25kg;3.00mL/時、体重30kg;3.60mL/時、体重35kg;4.20mL/時、体重40kg;4.80mL/時、体重45kg;5.40mL/時、体重50kg;6.00mL/時、体重55kg;6.60mL/時、体重60kg;7.20mL/時、体重65kg;7.80mL/時、体重70kg;8.40mL/時、体重75kg;9.00mL/時、体重80kg;9.60mL/時。
(精密持続点滴装置にセットする注射液量を算出する場合は小数点以下1桁に四捨五入する)。
3000ng/mLの濃度に調製した場合:
エポプロステノール投与速度0.5ng/kg/分の場合:(体重1kg当り0.01mL/時)体重10kg;0.10mL/時、体重15kg;0.15mL/時、体重20kg;0.20mL/時、体重25kg;0.25mL/時、体重30kg;0.30mL/時、体重35kg;0.35mL/時、体重40kg;0.40mL/時。
エポプロステノール投与速度1ng/kg/分の場合:(体重1kg当り0.02mL/時)体重10kg;0.20mL/時、体重15kg;0.30mL/時、体重20kg;0.40mL/時、体重25kg;0.50mL/時、体重30kg;0.60mL/時、体重35kg;0.70mL/時、体重40kg;0.80mL/時。
エポプロステノール投与速度2ng/kg/分の場合:(体重1kg当り0.04mL/時)体重10kg;0.40mL/時、体重15kg;0.60mL/時、体重20kg;0.80mL/時、体重25kg;1.00mL/時、体重30kg;1.20mL/時、体重35kg;1.40mL/時、体重40kg;1.60mL/時。
(精密持続点滴装置にセットする注射液量を算出する場合は小数点以下1桁に四捨五入する)。
注射液流量の計算式:
注射液の流量(mL/時)=投与速度(ng/kg/分)×体重(kg)×60(分)÷注射液の濃度(ng/mL)。
精密持続点滴装置の仕様:
流量ステップ:0.1mL/時以下、流量精度:±6%以下、警報機能:残量、過負荷、バッテリー(間欠作動型の場合は駆動間隔が3分を超えないものとする)。
改訂情報
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医師の処方により使用する医薬品。