エブリスディ錠5mg
医療用
医療用医薬品:
医師の処方により使用する医薬品
医師の処方により使用する医薬品
医薬品コード(YJコード):1190029F1021
- 収載区分
- 銘柄別収載
- 先発・後発情報
- 先発品(後発品なし)
- オーソライズド
ジェネリック - -
- 一般名
- リスジプラム錠
- 英名(商品名)
- Evrysdi
- 規格
- 5mg1錠
- 薬価
- 73,831.90
- メーカー名
- 中外製薬
- 規制区分
- 劇薬
- 長期投与制限
- -
- 標榜薬効
- 脊髄性筋萎縮症(SMA)治療薬
- 色
- 微黄、淡黄又は灰黄
- 識別コード
- (本体)EVR (被包)EVR @ EVRYSDI Tablets 5mg
- [@: メーカーロゴ]
- 添付文書
-
PDF 2025年5月改訂(第7版)
- 告示日
- 2025年5月20日
- 経過措置期限
- -
- 医薬品マスタに反映
- 2025年6月版
- 医薬品マスタ削除予定
- -
- 運転注意
- 情報なし(使用の適否を判断するものではありません)
- ドーピング
- 禁止物質なし(使用の適否を判断するものではありません)
- CP換算
- -
- 長期収載品選定療養
- -
[識別コードの表記 @: メーカーロゴ]
外形画像
改訂情報
-
効能効果
脊髄性筋萎縮症。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 遺伝子検査により、SMN1遺伝子の欠失又は変異を有し、SMN2遺伝子のコピー数が1以上であることが確認された患者に投与すること。
5.2. SMN2遺伝子のコピー数が1の患者及びSMN2遺伝子のコピー数が5以上の患者における有効性及び安全性は確立していないので、これらの患者に投与する場合には、本剤投与のリスクとベネフィットを考慮した上で投与を開始し、患者の状態を慎重に観察すること。
5.3. SMN2遺伝子のコピー数が4以上の臨床所見が発現する前の患者については、無治療経過観察の選択肢についても十分検討し、本剤投与のリスクとベネフィットを考慮した上で投与の必要性を判断すること。
5.4. 永続的な人工呼吸が導入された患者における有効性及び安全性は確立していないので、これらの患者に投与する場合には、患者の状態を慎重に観察し、定期的に有効性を評価し投与継続の可否を判断し、効果が認められない場合には投与を中止すること。
5.5. 早産児に対する有効性及び安全性は確立していない(1型脊髄性筋萎縮症患者を対象とした臨床試験は生後2カ月以上の正期産児を対象に実施され、薬物動態、有効性及び安全性が検討された、遺伝子検査により発症が予測される脊髄性筋萎縮症患者を対象とした臨床試験は生後6週までの正期産児を対象に実施され、薬物動態、有効性及び安全性が検討された)〔9.7.1、9.7.2、17.1.1、17.1.3参照〕。
用法用量
通常、2歳以上かつ体重20kg以上の患者にはリスジプラムとして、5mgを1日1回食後に経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤と脊髄性筋萎縮症に対する他剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること。
警告・禁忌・相互作用・その他の注意
(禁忌)
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
8.1. 本剤の投与は、脊髄性筋萎縮症の診断及び治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで行うこと。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重度肝機能障害
(生殖能を有する者)
9.4.1. 妊娠可能な女性:本剤投与開始前に妊娠していないことを確認し、妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後少なくとも1カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること(動物実験で胚胎仔毒性が報告されている)〔9.5妊婦の項参照〕。
9.4.2. パートナーが妊娠する可能性のある男性:パートナーの妊娠を希望する場合は休薬し、パートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び最終投与後又は休薬後の少なくとも4カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること(動物実験(ラット及びカニクイザル)で雄の生殖器官における可逆的な所見(可逆的な精子変性、可逆的な精子数減少、可逆的な精子運動能力低下)が報告されており、また、遺伝毒性試験で小核誘発作用が認められている)〔15.2.2参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましいが、妊婦に対して本剤を投与する必要がある場合には、胎児に対する潜在的なリスクについて明確に説明すること(動物実験において胎盤通過性(ラット)が認められ、臨床用量の3倍を超える曝露量で妊娠期間延長(ラット)、臨床用量の5倍を超える曝露量で胎仔重量低値及び胎仔骨格変異(ラット)、臨床用量の18倍を超える曝露量で胎仔形態異常(胎仔水頭症)及び胎仔内臓変異(ウサギ)が認められている。なお、ウサギにおける水頭症は、予備試験では臨床用量の3倍を超える曝露量で認められている)〔9.4.1参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている)。
(小児等)
9.7.1. 早産児を対象とした臨床試験は実施していない〔5.5、17.1.1、17.1.3参照〕。
9.7.2. 早産児では血中濃度が上昇するおそれがある(ヒト肝ミクロソームを用いた試験において、年齢区分ごとのCYP3A4及びFMO3活性並びにリスジプラムの代謝能は0~6カ月児由来のミクロソームで最も低く、6カ月~2歳児で増加し、2~6歳児ではさらに増加を示した)〔5.5参照〕。
(適用上の注意)
14.2. 薬剤交付時の注意
14.2.1. 患者又は保護者等に対し次の点に注意するよう指導すること。
・ 調合乳又は母乳に混合しないこと。
・ 本剤は1日1回できるだけ同じ時刻に服用する(服用予定時刻に服用できなかった場合は、服用予定時刻から6時間以内であれば可能な限り速やかに服用し、6時間を超えた場合は翌日の服用予定時刻に1回分の用量を服用する)。
・ 本剤を服用後に吐き出した場合は、追加で服用せず、翌日の服用予定時刻に1回分の用量を服用すること。
・ 用量の変更は医師の指示に従うこと。
14.2.3. 患者又は保護者等に対し次の点に注意するよう指導すること。
・ PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
・ 錠剤を噛んだり砕いたりしないこと。
14.3. 薬剤投与時の注意
14.3.2. 経鼻又は胃瘻チューブを介して投与しないこと。
(その他の注意)
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. カニクイザル慢性毒性試験において、臨床用量の2倍を超える曝露量で非可逆的な網膜視細胞変性が認められた。
15.2.2. 遺伝毒性試験で小核誘発作用が認められたが、遺伝子突然変異誘発性及びDNA傷害性は認められなかった〔9.4.2参照〕。
15.2.3. rasH2トランスジェニックマウスにおいて、臨床用量の7倍を超える曝露量で発がん性は認められなかった。ラットにおいては、2年間がん原性試験において臨床曝露量の4倍に相当する用量を投与した群で包皮腺悪性腫瘍及び陰核腺悪性腫瘍(いずれもヒトにおいて該当する器官は存在しない)が認められたが、他の皮脂腺又は重層扁平上皮で構成される組織・器官には、腫瘍は認められなかった。なお、14C標識リスジプラムを単回経口投与した白色ラットの分布試験において、投与後2時間での包皮腺及び陰核腺における組織中放射能濃度は、血漿中放射能濃度のそれぞれ約30倍及び約50倍であった。
(取扱い上の注意)
20.3. 湿気を避けて保存すること(PTP包装のまま保存すること)。
(保管上の注意)
室温保存。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 感染症:(3%未満)上気道感染。
2). 消化器:(頻度不明)下痢、口腔内潰瘍形成。
3). 皮膚:(3%以上)発疹、(3%未満)皮膚変色。
薬物動態
16.1 血中濃度
〈ドライシロップ〉
16.1.1 単回投与
日本人健康成人にリスジプラム2、6又は12mg注1)を空腹時に単回経口投与したときの血漿中リスジプラム濃度推移及び薬物動態パラメータは次記のとおりであり、血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)及び最高血漿中濃度(Cmax)は2~12mgでは用量比例的な増加を示した。
日本人健康成人に単回経口投与したときの血漿中リスジプラム濃度推移(平均値+標準偏差、N=6)
*:N=5
<<図省略>>
日本人健康成人に単回経口投与したときの薬物動態パラメータ(N=6)
<<表省略>>
16.1.2 反復投与
(1)健康成人
健康成人8例にリスジプラム5mgを空腹時に1日1回14日間反復経口投与したときの血漿中リスジプラムの薬物動態パラメータは次記のとおりであった(外国人データ)。
外国人健康成人に反復経口投与したときの薬物動態パラメータ
<<表省略>>
(2)I型脊髄性筋萎縮症患者
生後2カ月以上7カ月以下のI型脊髄性筋萎縮症患者を対象に、リスジプラム(生後2カ月以上3カ月未満は0.04mg/kg、生後3カ月以上5カ月未満は0.08mg/kg、生後5カ月以上は0.2mg/kg)注2)を1日1回経口投与により開始し、0.2mg/kgまで漸増されたときの血漿中リスジプラム濃度データに基づき、母集団薬物動態モデルを用いて算出された薬物動態パラメータは次記のとおりであった。
I型脊髄性筋萎縮症患者に反復経口投与したときの投与12カ月時点における薬物動態パラメータの推定値
<<表省略>>
(3)II型及びIII型脊髄性筋萎縮症患者
2歳以上25歳以下のII型及びIII型脊髄性筋萎縮症患者を対象に、リスジプラム(体重20kg未満は0.25mg/kg、20kg以上は5mg)を1日1回経口投与したときの血漿中リスジプラム濃度データに基づき、母集団薬物動態モデルを用いて算出された薬物動態パラメータは次記のとおりであった。
II型及びIII型脊髄性筋萎縮症患者に反復経口投与したときの投与12カ月時点における薬物動態パラメータの推定値
<<表省略>>
(4)遺伝子検査により発症が予測される脊髄性筋萎縮症患者
遺伝学的に脊髄性筋萎縮症と診断されたが症状を呈していない生後6週まで(初回投与時)の患者を対象に、リスジプラム(4例は0.04mg/kg、2例は0.08mg/kgで投与を開始し0.2mg/kg注3)に増量、20例は初回から0.2mg/kg注3)で投与)を1日1回経口投与したときの血漿中リスジプラム濃度データを含めて構築した母集団薬物動態モデルを用い算出した0.15mg/kg(生後2カ月未満の患者において承認された用量)注4)投与時の薬物動態パラメータは次記のとおりであった(外国人データ)。
遺伝子検査により発症が予測される外国人脊髄性筋萎縮症患者に反復経口投与したときの投与14日目時点における薬物動態パラメータの推定値
<<表省略>>
〈錠〉
16.1.3 生物学的同等性試験
健康成人を対象に、リスジプラム5mgをドライシロップ剤又は錠剤として空腹時に単回経口投与したときの血漿中リスジプラムの濃度推移及び薬物動態パラメータは次記のとおりであった。Cmax及びAUClastの幾何最小二乗平均値の比(90%信頼区間)は、それぞれ1.02(0.994-1.05)、1.04(1.00-1.08)であった(外国人データ)。
外国人健康成人にリスジプラム5mgをドライシロップ剤又は錠剤として空腹時に単回経口投与したときの血漿中リスジプラム濃度推移(平均値+標準偏差)
<<図省略>>
外国人健康成人にリスジプラム5mgを単回経口投与したときの剤形別薬物動態パラメータ(ドライシロップ剤又は錠剤)
<<表省略>>
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人3例に本剤(ドライシロップ)をリスジプラムとして6mg注1)を食後(高脂肪、高カロリー食)に単回経口投与したときのCmax及びAUC0-24hは空腹時に比べて、それぞれ平均値で1.2%上昇及び5.4%低下した(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 タンパク結合率
リスジプラムのヒト血漿タンパク結合率は、0~12歳までの小児では87.8~92.0%、生後1~7カ月及び2~25歳の脊髄性筋萎縮症患者では89.9%及び90.2%であった(in vitro)。
16.4 代謝
健康成人男性6例に本剤(ドライシロップ)を14C-標識リスジプラムとして18mg注1)を単回経口投与したとき、血漿中の主な代謝物はM1(不活性代謝物)であった(投与後48時間までの血漿中総放射能に対するM1の割合は14.0%)(外国人データ)。リスジプラムの主代謝酵素はフラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO1及びFMO3)及びCYP3A4であった(in vitro)。
16.5 排泄
16.5.1 日本人健康成人に本剤(ドライシロップ)をリスジプラムとして2、6及び12mg注1)を空腹時に単回経口投与したとき、投与後72時間までの未変化体の尿中排泄率はそれぞれ3.39%、5.10%及び4.86%であった。
16.5.2 健康成人男性6例に本剤(ドライシロップ)を14C-標識リスジプラムとして18mg注1)を単回経口投与したとき、投与後35日間までに放射能の53.2%が糞便中に、28.2%が尿中に排泄された。未変化体は14.0%が糞便中に、7.7%が尿中に排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
軽度及び中等度肝機能障害被験者(Child-Pugh分類A及びB、各8例)に本剤(ドライシロップ)をリスジプラムとして5mgを単回経口投与したとき、患者背景を対応させた健康成人(各8例)と比較して、血漿中リスジプラムのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比(肝機能障害被験者/健康成人)(90%信頼区間)は、軽度肝機能障害被験者では0.950(0.695、1.30)及び0.802(0.627、1.03)、中等度肝機能障害被験者では1.20(0.962、1.49)及び1.08(0.830、1.39)であった(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール
健康成人8例に本剤(ドライシロップ)をリスジプラムとして6mg注1)をCYP3A阻害薬であるイトラコナゾール1回200mgを1日2回8日間反復経口投与と併用投与したときの血漿中リスジプラムのCmax及びAUC0-120hの幾何平均値の比(併用投与時7例/単独投与時8例)(90%信頼区間)は、それぞれ0.906(0.841-0.976)及び1.11(1.03-1.19)であった(外国人データ)。
16.7.2 ミダゾラム
健康成人27例に本剤(ドライシロップ)をリスジプラムとして8mg注1)を1日1回14日間反復経口投与し、CYP3A基質であるミダゾラム2mgと併用したとき、血漿中ミダゾラムのCmax及びAUClastの幾何平均値の比(併用投与時26例/単独投与時27例)(90%信頼区間)は、それぞれ1.16(1.06-1.28)及び1.11(1.02-1.20)であった(外国人データ)。
16.7.3 オメプラゾール
健康成人に本剤(錠剤)をリスジプラムとして5mgを空腹時に単回経口投与し、プロトンポンプ阻害剤であるオメプラゾール40mgを1日1回7日間反復経口投与と併用したとき、血漿中リスジプラムのCmax、AUClast及びAUCinfの幾何最小二乗平均値の比(併用投与時11例/単独投与時14例)(90%信頼区間)は、それぞれ0.958(0.820-1.12)、0.979(0.900-1.06)及び0.988(0.908-1.07)であった(外国人データ)。
16.7.4 その他
リスジプラムはin vitro試験において、有機カチオントランスポーター(OCT)2、multidrug and toxin extrusion(MATE)1及びMATE2-Kに対して阻害能を示し、IC50値はそれぞれ8.72、0.15及び0.09μmol/Lであった。
16.8 その他
16.8.1 薬力学
(1)I型脊髄性筋萎縮症患者
生後2カ月以上7カ月以下のI型脊髄性筋萎縮症患者を対象に、本剤(ドライシロップ)をリスジプラムとして生後2カ月以上3カ月未満は0.04mg/kg、生後3カ月以上5カ月未満は0.08mg/kg、生後5カ月以上は0.2mg/kg注2)を1日1回経口投与により開始し、0.2mg/kgまで漸増されたときのベースライン及び最終観察時の血中SMNタンパク濃度(中央値(範囲))は、2.93(0.423-5.8)及び5.37(0.761-9.39)ng/mLであり、最終観察時におけるベースラインからの変化率(中央値(範囲))は、2.01(0.9-4.06)であった。
(2)II型及びIII型脊髄性筋萎縮症患者
2歳以上25歳以下のII型及びIII型脊髄性筋萎縮症患者を対象に、本剤(ドライシロップ)をリスジプラムとして体重20kg未満は0.25mg/kg、20kg以上は5mgを1日1回経口投与したときのベースライン及び最終観察時の血中SMNタンパク濃度(中央値(範囲))は、3.58(1.54-11.4)及び7.04(0.786-13.8)ng/mLであり、最終観察時におけるベースラインからの変化率(中央値(範囲))は、1.98(0.359-4.25)であった。
(3)遺伝子検査により発症が予測される脊髄性筋萎縮症患者
遺伝学的に脊髄性筋萎縮症と診断されたが症状を呈していない生後6週まで(初回投与時)の患者を対象に、本剤(ドライシロップ)をリスジプラムとして0.2mg/kg注3)を1日1回経口投与したときの最終観察時における血中SMNタンパク濃度のベースラインからの変化率(中央値(範囲))は、1.5(0.67-3.01)であった(外国人データ)。
注1)本剤の承認された用法・用量(2歳以上の患者)は、「リスジプラムとして体重20kg未満では0.25mg/kgを、体重20kg以上では5mgを1日1回食後に経口投与」である。
注2)本剤の承認された用法・用量(生後2カ月以上2歳未満の患者)は、「リスジプラムとして0.2mg/kgを1日1回食後に経口投与」である。
注3)本剤の承認された用法・用量(生後2カ月未満の患者)は、「リスジプラムとして0.15mg/kgを1日1回食後に経口投与」である。
注4)曝露量が、非臨床毒性試験の無毒性量に基づき平均AUC0-24hとして2000ng・h/mLとなるような用量とした。
臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際共同第II/III相試験(I型脊髄性筋萎縮症、FIREFISH試験)
本試験は、用量設定を目的としたパート1と検証を目的としたパート2で構成される多施設共同非盲検試験である。パート2では、正期産で生まれ、生後3カ月以前に臨床症状を認めた生後2カ月以上7カ月以下のI型脊髄性筋萎縮症患者41例(うち日本人1例、SMN2遺伝子のコピー数は全例2コピー、登録時体重は4.1~10.6kg)を対象に、本剤(リスジプラムとして生後2カ月以上3カ月未満は0.04mg/kg、生後3カ月以上5カ月未満は0.08mg/kg、生後5カ月以上は0.2mg/kg)注1)を1日1回経口投与注2)により開始し、患者集団全体で目標曝露量注3)を達成するよう、各患者の薬物動態データを確認した上で0.2mg/kg(2歳未満)又は0.25mg/kg(2歳以上)まで漸増されたときの有効性及び安全性を検討した。パート2において、主要評価項目である12カ月後のBayley Scales of Infant and Toddler Development-Third Edition(BSID-III)の粗大運動スケールに基づく支えなしで坐位を5秒以上保持できる患者の割合(達成例数/評価例数、90%信頼区間)は29.3%(12/41例、17.8~43.1%)であり、事前に規定した5%の達成基準注4)を統計学的に有意に上回った(P<0.0001、有意水準片側0.05、exact binomial test)。副次的評価項目である長期人工呼吸管理を受けずに生存していた患者の割合(達成例数/評価例数、90%信頼区間)は85.4%(35/41例、73.4~92.2%)であり、事前に規定した達成基準(42%)注4)を上回った。
パート2の副作用発現頻度(最終登録患者が12カ月間の投与を完了した時点)は、41例中7例(17.1%)であった。主な副作用は、便秘2例(4.9%)、斑状丘疹状皮疹2例(4.9%)、皮膚変色2例(4.9%)であった。[5.5、9.7.1参照]
17.1.2 国際共同第II/III相試験(II型及びIII型脊髄性筋萎縮症、SUNFISH試験)
本試験は、用量設定を目的としたパート1と検証を目的としたパート2で構成されるプラセボ対照多施設共同二重盲検比較試験である。パート1において、患者集団全体で目標曝露量注3)を達成するよう各患者の薬物動態データを確認した上でパート2の用量が決定された。パート2では、臨床症状を認める2歳以上25歳以下のII型及びIII型脊髄性筋萎縮症患者180例(うち日本人15例、SMN2遺伝子のコピー数は2コピーが4例、3コピーが157例、4コピーが18例、不明が1例)を対象に、本剤又はプラセボ(リスジプラムとして体重20kg未満は0.25mg/kg、20kg以上は5mg又はプラセボ)を1日1回食事とともに注5)経口投与したときの有効性及び安全性を比較した。パート2において、主要評価項目である12カ月後のMotor Function Measure(MFM)32項目の合計スコアに基づくベースラインからの平均変化量(95%信頼区間)は、本剤群(120例)では1.36(0.61~2.11)、プラセボ群(60例)で-0.19(-1.22~0.84)であり、本剤群ではプラセボ群と比較し、統計学的に有意な運動機能の改善がみられた(P=0.0156、有意水準両側0.05、Mixed Model Repeated Measures(MMRM)解析)。
パート2の12カ月後の副作用発現頻度は、本剤群120例中16例(13.3%)、プラセボ群60例中6例(10.0%)であった。本剤群の主な副作用は、上気道感染2例(1.7%)、頭痛2例(1.7%)、悪心2例(1.7%)、口腔内潰瘍形成2例(1.7%)であった。
17.1.3 海外第II相試験(遺伝子検査により発症が予測される脊髄性筋萎縮症、RAINBOWFISH試験)
本試験は、多施設共同単群非盲検試験である。正期産で産まれ遺伝学的に脊髄性筋萎縮症と診断されたが症状を呈していない生後6週まで(初回投与時生後16~41日)の外国人患者26例(SMN2遺伝子のコピー数は2コピーが8例、3コピーが13例、4コピー以上が5例)を対象に、本剤(リスジプラムとして4例は0.04mg/kg、2例は0.08mg/kgで投与を開始し、0.2mg/kgに増量、20例は初回から0.2mg/kgを投与)注6)を1日1回経口投与注2)したときの有効性及び安全性を検討した。主要評価項目である主要有効性解析対象集団(5例、SMN2遺伝子のコピー数が2[既知のSMN2遺伝子修飾変異であるc.859G>Cを除く]であり、ベースラインの複合筋活動電位振幅が1.5mV以上の患者集団)における12カ月後のBSID-IIIの粗大運動スケールに基づく支えなしで坐位を5秒以上保持できる患者の割合(達成例数/評価例数、90%信頼区間)は80.0%(4/5例、34.3~99.0%)であり、事前に規定した5%の達成基準注4)を統計学的に有意に上回った(P<0.0001、有意水準片側0.05、exact binomial test)。全26例における12カ月後の同スケールに基づく支えなしで坐位を30秒以上保持できる患者の割合(達成例数/評価例数、90%信頼区間)は80.8%(21/26例、63.7~92.1%、SMN2遺伝子のコピー数2:7/8例、3コピー:9/13例、4コピー以上:5/5例)であり、全例が12カ月時点で長期人工呼吸管理を受けずに生存していた(副次的評価項目)。
副作用発現頻度(最終登録患者が12カ月間の投与を完了した時点)は、26例中7例(26.9%)であった。副作用はアトピー性皮膚炎1例(3.8%)、湿疹1例(3.8%)、皮膚変色1例(3.8%)、網膜色素沈着1例(3.8%)、網膜血管障害1例(3.8%)、下痢1例(3.8%)、誤用量投与1例(3.8%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加1例(3.8%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加1例(3.8%)であった。[5.5、9.7.1参照]
注1)本剤の承認された用法・用量(生後2カ月以上2歳未満の患者)は、「リスジプラムとして0.2mg/kgを1日1回食後に経口投与」である。
注2)母乳育児中の患者の場合は授乳後に投与することとされ、それ以外の患者の場合は食事とともに投与することとされた。
注3)非臨床毒性試験の無毒性量に基づき平均AUC0-24h,ssとして2000ng・h/mLとされた。
注4)各達成基準は未治療のI型脊髄性筋萎縮症患者の自然経過の複数の研究に基づき設定した。
注5)本剤の承認された用法・用量(2歳以上の患者)は、「リスジプラムとして体重20kg未満では0.25mg/kgを、体重20kg以上では5mgを1日1回食後に経口投与」である。
注6)本剤の承認された用法・用量(生後2カ月未満の患者)は、「リスジプラムとして0.15mg/kgを1日1回食後に経口投与」である。
薬効薬理
18.1 作用機序
リスジプラムはSMN2 mRNAの選択的スプライシングを特異的に修飾して機能性SMNタンパクの産生量を増加させる。
18.2 SMN2スプライシング修飾作用
18.2.1 リスジプラムは、in vitroにおいて、SMA II型患者由来線維芽細胞及び健康被験者由来全血細胞におけるSMN2 pre-mRNAの選択的スプライシングを、エクソン7を欠いたSMN2 Δ7 mRNAの産生からエクソン7を含んだ完全長SMN2 mRNAを産生する方向へシフトさせた。さらに、リスジプラムは、SMA II型患者由来線維芽細胞及びSMA II型患者のiPS細胞より誘導した運動神経細胞においてSMNタンパク量を増加させた。
18.2.2 リスジプラムは、内因性Smn1を遺伝的に欠損させ全長及びエクソン7欠失のヒトSMN2を導入することで重篤な神経筋機能の異常を呈し生存期間が生後3週間以下であるSMAモデルマウスにおいて、用量依存的に脳及び筋肉のSMNタンパク量を増加させた。また、リスジプラムは、モデルマウスの神経筋接合部の脱神経及び筋萎縮を抑制するとともに運動機能の保護作用を示し、生存期間の中央値が6カ月を超えるまで延長させた。
医師の処方により使用する医薬品。
