エドスチラドリン膀胱内注入液
医療用
医療用医薬品:
医師の処方により使用する医薬品
医師の処方により使用する医薬品
- 収載区分
- 銘柄別収載
- 先発・後発情報
- 先発品(後発品なし)
- オーソライズド
ジェネリック - -
- 一般名
- ナドファラゲン フィラデノベク
- 英名(商品名)
- Adstiladrin
- 規格
- 20mL1瓶
- 薬価
- 2,327,036.90
- メーカー名
- フェリング・ファーマ/日本化薬
- 規制区分
- -
- 長期投与制限
- -
- 標榜薬効
- アデノウイルスベクター
- 色
- 無〜乳白光
- 識別コード
- -
- [@: メーカーロゴ]
- 添付文書
-
PDF 2026年7月改訂(第2版)
- 告示日
- 2026年7月14日
- 経過措置期限
- -
- 医薬品マスタに反映
- 2026年8月版
- 医薬品マスタ削除予定
- -
- 運転注意
- 情報なし(使用の適否を判断するものではありません)
- ドーピング
- 禁止物質なし(使用の適否を判断するものではありません)
- CP換算
- -
- 長期収載品選定療養
- -
[識別コードの表記 @: メーカーロゴ]
改訂情報
-
効能効果
膀胱内BCG注入療法後に残存・再発の上皮内癌を有する高リスク筋層非浸潤性膀胱癌(ただし、BCG膀胱内注入療法の再導入の適応とならない患者に限る)。
(効能、効果又は性能に関連する注意)
5.1. 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴及び腫瘍の状態等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本品の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
5.2. 膀胱全摘除術の機会を逸することのないよう、本品の使用の可否を慎重に判断すること。
用法用量
通常、成人には1回あたり75mL(3×10の11乗vp/mL)を3カ月間隔で膀胱内投与する。
(用法及び用量又は使用方法に関連する注意)
7.1. 本品の投与後、原則として1時間膀胱内に保持すること〔14.2.1、14.2.3参照〕。
7.2. 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
警告・禁忌・相互作用・その他の注意
(警告)
膀胱癌に関する十分な知識及び経験を有する医師が、本品の臨床試験成績及び有害事象等の知識を十分に習得した上で、膀胱癌の治療に係る体制が整った医療機関において、本品が適切と判断される症例についてのみ投与すること。
(禁忌・禁止)
2.1. 再使用禁止。
2.2. 本品の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
8.1. 本品の使用にあたっては、疾病の治療における本品の必要性とともに、本品の有効性及び安全性その他本品の適正な使用のために必要な事項について、患者又は代諾者に文書をもって説明し、同意を得てから本品を使用すること。
8.2. 本品はヒト・動物由来の原材料を使用して製造されている。ヒト・動物由来の原材料については安全性確保のためウイルス試験等を実施しているが、ヒト・動物由来の原材料に起因する感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため、本品の投与に際しては臨床上の必要性を十分に検討すること。
8.3. 本品の投与に際しては、尿路粘膜を損傷しないように、また、泌尿器系統を汚染しないように注意すること〔14.2.2参照〕。
8.4. 本品投与前に、尿路感染症がないことを確認すること。本品による治療中に尿路感染症と診断された場合は、治療が完了するまで、本品投与を中断すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 免疫抑制状態にある患者又は免疫不全の患者:本品の免疫抑制状態にある患者又は免疫不全患者における安全性及び有効性は確立していない〔14.1.1参照〕。
(生殖能を有する者)
9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本品投与中及び最終投与後6カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること(動物を用いた生殖発生毒性試験は実施していない)〔9.5妊婦の項、15.2.1参照〕。
9.4.2. 男性:男性には、本品投与中及び最終投与後3カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること(動物を用いた生殖発生毒性試験は実施していない)〔15.2.1参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(臨床試験での投与経験はない)〔9.4.1参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本品のヒト乳汁中への移行性、授乳児への影響及び乳汁産生への影響に関するデータはない)。
(小児等)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(適用上の注意)
14.1. 調製時の注意
14.1.1. 免疫抑制状態、免疫不全状態にある者及び妊婦又は妊娠している可能性のある女性は、本品の調製、投与等の本品への接触を避けること〔9.1.1参照〕。
14.1.2. 凍結された本品は冷蔵庫(2~8℃)で約4~5時間、室温にて約3~5時間、又は水浴(25℃)にて約25分で遮光下にて解凍すること。
14.1.3. 解凍後保存する場合、バイアルは解凍開始から室温で最長24時間又は2~8℃で最長7日間保存できる。解凍した本品は再凍結しないこと〔14.2.4参照〕。
14.1.4. 解凍後の本品は穏やかに混和し、振とうしないこと。
14.1.5. 投与前に本品の状態を確認し、粒子状物質や変色が認められた場合には、本品を投与しないこと。
14.2. 投与時の注意
14.2.1. 膀胱刺激を最小限に抑え、本品の膀胱からの漏出を防ぐため、本品投与前に抗コリン薬の投与が推奨される〔7.1参照〕。
14.2.2. 本品の投与に先立つ尿道カテーテルの挿入は尿路系に損傷を与えないよう、十分に注意して行うこと〔8.3参照〕。
14.2.3. 本品の膀胱内貯留中は、膀胱内腔表面への曝露を最大化するため、可能な限り約15分ごとに体位を左側臥位から右側臥位、仰臥位や伏臥位に変えるよう患者に指導すること。この間、患者に膀胱痙攣や膀胱漏出が生じた場合は、体位変換を調整又は中止してもよい〔7.1参照〕。
14.2.4. バイアルから採取後は6時間以内に使用すること〔14.1.3参照〕。
14.2.5. 本品注入後の排尿の消毒の方法としては、例えば、排尿に次亜塩素酸ナトリウム液を加える方法などがある。なお、本品注入後の排尿の消毒で次亜塩素酸ナトリウム液を排尿に加えた際に塩素ガスが発生することがあるので、十分に換気を行うこと。
14.2.6. 使用後の本品の残液、本品に接触した使い捨ての器具(バイアル及び投与用注射筒等)は、感染性廃棄物として、各医療機関の手順に従って密封等を行い、適切に廃棄すること。
(その他の注意)
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 本品の主成分であるヒトインターフェロンアルファ-2bタンパク質を発現する非増殖性遺伝子組換えアデノウイルス5型(以下、本ウイルスベクター)については、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」に基づき承認された第一種使用規程が定められていることから、本品の使用にあたっては第一種使用規程を遵守する必要があることに留意すること。
15.1.2. 本品投与後、患者の尿中に一時的に本ウイルスベクターが含まれるため、患者、患者の家族又は介護者に、本品投与3日後までは、排泄物等に触れた場合には、手指衛生の実施を指導すること。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. 本品の雌雄カニクイザルの精巣への分布及び卵巣への分布が認められている〔9.4.1、9.4.2参照〕。
(貯蔵方法及び有効期間等)
19.1. 貯蔵方法
-60℃以下。
19.3. 直接容器に記載された使用期限内においては、-25~-15℃で最長3カ月間保存することができる。
(取扱い上の注意)
外箱開封後は、遮光して保存すること。
副作用
次の副作用・不具合があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 感染症および寄生虫症:(頻度不明)尿路感染。
2). 血液およびリンパ系障害:(頻度不明)好中球減少症、血小板減少症。
3). 代謝および栄養障害:(頻度不明)食欲減退。
4). 精神障害:(頻度不明)落ち着きのなさ。
5). 神経系障害:(10%以上)頭痛(16%)、(頻度不明)浮動性めまい、錯感覚、失神。
6). 血管障害:(頻度不明)高血圧、ほてり。
7). 胃腸障害:(頻度不明)腹痛、便意切迫、下痢、消化器痛、悪心、嘔吐。
8). 皮膚および皮下組織障害:(頻度不明)アレルギー性皮膚炎、多汗症、寝汗。
9). 筋骨格系および結合組織障害:(頻度不明)関節痛、筋力低下、筋肉痛、四肢痛、筋骨格硬直。
10). 腎および尿路障害:(10%以上)排尿困難(20%)、尿意切迫(32%)、(5~10%未満)膀胱刺激症状、血尿、膀胱痙縮、(頻度不明)夜間頻尿、頻尿、尿失禁、尿閉、尿路出血、尿臭異常、非感染性膀胱炎、下部尿路痛。
11). 生殖系および乳房障害:(頻度不明)外陰腟不快感。
12). 一般・全身障害および投与部位の状態:(10%以上)倦怠感(16%)、発熱(44%)、滴下投与部位分泌(32%)、(頻度不明)無力症、悪寒、疲労、インフルエンザ様疾患、疼痛、薬物不耐性。
13). 臨床検査:(頻度不明)尿中血陽性、尿量増加。
薬物動態
16.1 分布、排出
海外第I相試験(P03816試験)
BCG-refractory高リスク筋層非浸潤性膀胱癌患者17例に本品の5用量(3×10の9乗~3×10の11乗vp/mL、容量75mL)のいずれかを膀胱内に投与した際、11例の患者で尿中に本品ゲノムDNAが検出され、投与後24時間時点でピーク濃度(6,980,000vp/mL)に到達後減少し、最高用量3×10の11乗vp/mLを投与した4例中1例では最長で投与後14日目においても尿中に本品ゲノムDNAが検出された。用量増加に伴い、検出される検体数及び持続時間が増加する傾向が認められた。全17例の全血中に本品ゲノムDNAは検出されなかった。
また、本品を膀胱内投与後、最低用量3×10の9乗vp/mLを投与された2例を除く他の全ての患者で尿中にインターフェロンアルファ-2bタンパク質が用量依存的に認められ、最長で投与後10日目まで検出された(外国人データ)。
海外第II相試験(rAd-IFN-CS-002試験)
高グレードのBCG-refractory又はrelapsed筋層非浸潤性膀胱癌患者40例に本品1×10の11乗vp/mL又は3×10の11乗vp/mLを膀胱内投与(容量75mL)し、3カ月間隔で最大4回まで投与を行った。初回膀胱内投与後2日目には測定が実施された39例全ての患者で尿中に本品ゲノムDNAが検出され、投与12日目には尿中に本品ゲノムDNAが検出された患者は33例であり、ピーク濃度(172,123,264vp/225μL)を示した投与後2日目と比較し投与後12日目の最高濃度は1%未満まで減少した。2回目の本品の膀胱内投与を受けた23例中、20例において投与前の尿中の本品ゲノムDNAは検出されず、3例で検出された。2回目膀胱内投与後に測定が実施された患者の21例全例で投与2日目に尿中に本品ゲノムDNAが検出され、投与12日目には12例であり、ピーク濃度(1,252,214,270vp/225μL)を示した投与後2日目と比較し投与後12日目の最大濃度は0.01%未満まで減少した。
本品の初回膀胱内投与後に、血中に本品ゲノムDNAが検出された患者は認められなかった。2回目の膀胱内投与を受けた当日に23例中1例において血中の本品ゲノムDNAが検出された。2回目の膀胱内投与を受けた他の患者ではいずれの評価時期でも血中に本品ゲノムDNAは検出されなかった。
また、本品を初回膀胱内投与後、2日目には測定が実施された39例全ての患者で尿中にインターフェロンアルファ-2bタンパク質が認められ、投与後12日目には測定が実施された39例中、7例で検出された。2回目の本品の膀胱内投与後、2日目には測定が実施された21例中、17例で尿中にインターフェロンアルファ-2bタンパク質が認められ、投与後12日目には測定が実施された22例中、検出可能な患者は認められなかった(外国人データ)。
臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 海外第III相試験(rAd-IFN-CS-003試験)(NCT02773849)
BCG-unresponsive(不応性)注2)高グレード筋層非浸潤性膀胱癌(上皮内癌(CIS)のみ、CIS併発Ta/T1高グレード病変又はCIS非併発Ta/T1高グレード病変)患者157例を対象に、本品の有効性及び安全性を評価する非盲検非対照試験を米国で実施した。
本品投与前に、TURBTにより視認できる乳頭状病変は全て切除しなければならないこととした。TURBTを受けたT1病変を有する患者は、本品の投与開始前14~60日に再度TURBTを受けることとした。また、明らかなCIS病変には焼灼を施行することとした。
全157例に本品(3×10の11乗vp/mL)を1回以上膀胱内投与し、高グレード病変の再発が認められない場合、本品の初回投与後12カ月までに、3カ月間隔で最大4回反復投与した。その後、最長5年間、3カ月間隔で投与を継続した。
CIS併発ありの患者(Ta/T1高グレード病変の併発を問わない)103例において、本品の初回投与後3カ月時点の完全奏効率[95%CI]は53.4%[43.3,63.3](55/103例)であり、事前に規定した閾値27%を上回った。また、本品の初回投与後3カ月までに完全奏効を達成した患者55例のうち、完全奏効が持続している患者の割合は、初回投与後12カ月時点で45.5%(25/55例)、初回投与後18カ月時点で40.0%(22/55例)、初回投与後24カ月時点で36.4%(20/55例)であった。
安全性評価対象例157例のうち、111例(70.7%)に副作用が認められた。主なものは、滴下投与部位分泌39例(24.8%)、疲労31例(19.7%)、膀胱痙縮26例(16.6%)、尿意切迫25例(15.9%)であった。
注2)次の基準を満たす患者。
・12カ月以内に、次に示す2コース以上のBCG膀胱内注入療法を受けた患者。
BCG導入療法として6回中5回以上の注入に加え、BCG維持療法として3回中2回以上の注入。BCG維持療法を行わない場合は2コース目の導入療法として6回中2回以上の注入。例外として、BCG導入療法(6回中5回以上投与)のみを受けた後の初回評価で高グレードT1病変が認められた患者は、癌の進展がなければ本試験に参加することができる。
・CISのみの患者又はCISを併発した高グレードTa/T1病変を有する患者はBCG最終注入後12カ月以内に腫瘍の再発が認められ、CISを併発していない高グレードTa/T1病変を有する患者はBCG最終注入後6カ月以内に再発が認められること。
17.1.2 国内第III相試験(000381試験)(NCT05704244)
日本人BCG-unresponsive(不応性)注2)高グレード筋層非浸潤性膀胱癌(上皮内癌(CIS)のみ、CIS併発Ta/T1高グレード病変又はCIS非併発Ta/T1高グレード病変)患者25例を対象に、本品の有効性及び安全性を評価する非盲検非対照試験を実施した。
本品投与前に、TURBTにより視認できる乳頭状病変は全て切除しなければならないこととした。TURBTを受けたT1病変を有する患者は、本品の投与開始前14~60日に再度TURBTを受けることとした。また、明らかなCIS病変には焼灼を施行することとした。
全25例に本品(3×10の11乗vp/mL)を1回以上膀胱内投与し、高グレード病変の再発が認められない場合、本品の初回投与後12カ月までに、3カ月間隔で最大4回反復投与した。その後、最長4年間、3カ月間隔で投与を継続した。
データカットオフ時点(2025年4月30日)において、CIS併発ありの患者(Ta/T1高グレード病変の併発を問わない)20例において、本品の初回投与後3カ月時点の完全奏効率[95%CI]は75.0%[50.9,91.3](15/20例)であり、事前に規定した閾値2%を上回った。
データカットオフ時点(2025年10月23日)において、死亡例の報告は認められなかった。
安全性評価対象例25例のうち、20例(80.0%)に副作用が認められた。主なものは、発熱11例(44.0%)、滴下投与部位分泌8例(32.0%)、尿意切迫8例(32.0%)、排尿困難5例(20.0%)、倦怠感4例(16.0%)、頭痛4例(16.0%)であった。
薬効薬理
18.1 作用機序
膀胱内に投与された本品は、患者の腫瘍細胞及び尿路上皮細胞に感染し、感染細胞から分泌されたヒトインターフェロンアルファ-2bタンパク質による抗腫瘍免疫応答の増強等により腫瘍細胞を死滅する作用を示すと考えられている。なお、本品に搭載された遺伝子発現構成体は、標的細胞である尿路上皮細胞の染色体に組み込まれることなくエピソームとして核内に存在し、ヒトインターフェロンアルファ-2bタンパク質が発現する。
医師の処方により使用する医薬品。
特定薬剤管理指導加算等の算定対象となる薬剤。
