インレビックカプセル100mg
医療用
医療用医薬品:
医師の処方により使用する医薬品
医師の処方により使用する医薬品
- 収載区分
- 銘柄別収載
- 先発・後発情報
- 先発品(後発品なし)
- オーソライズド
ジェネリック - -
- 一般名
- フェドラチニブ塩酸塩水和物カプセル
- 英名(商品名)
- Inrebic
- 規格
- 100mg1カプセル
- 薬価
- 11,137.40
- メーカー名
- レコルダティ・レア・ディジーズ
- 規制区分
- 劇薬
- 長期投与制限
- 14日(2027年05月末まで)
- 標榜薬効
- 抗悪性腫瘍薬〔ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬〕
- 色
- 赤褐:赤褐
- 識別コード
- (本体)FEDR 100mg
- [@: メーカーロゴ]
- 添付文書
-
PDF 2026年2月改訂(第2版)
- 告示日
- 2026年5月19日
- 経過措置期限
- -
- 医薬品マスタに反映
- 2026年6月版
- 医薬品マスタ削除予定
- -
- 運転注意
- 情報なし(使用の適否を判断するものではありません)
- ドーピング
- 禁止物質なし(使用の適否を判断するものではありません)
- CP換算
- -
- 長期収載品選定療養
- -
[識別コードの表記 @: メーカーロゴ]
外形画像
改訂情報
-
効能効果
骨髄線維症。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 臨床試験に組み入れられた患者のリスク分類、脾臓の大きさ等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1-17.1.3参照〕。
5.2. 病理組織学的検査を行い、骨髄線維症と診断された患者に使用すること。
5.3. 血小板数5万/mm3未満の患者又は好中球数1000/mm3未満の患者に対して本剤の投与を開始した場合の有効性及び安全性に関する情報は限られているため、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、ベネフィット・リスクを考慮して、本剤の投与の可否を慎重に検討すること〔17.1.1-17.1.3参照〕。
用法用量
通常、成人にはフェドラチニブとして1回400mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2. 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準を参考に休薬、減量又は中止すること(また、200mgで忍容性が得られない場合は、本剤の投与を中止すること)。
[本剤の減量段階]
1). 用量レベル1:400mg。
2). 用量レベル2:300mg。
3). 用量レベル3:200mg。
[休薬・減量・中止基準]
1). 出血を伴うGrade3の血小板数減少、Grade4の血小板数減少:Grade2以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後、休薬前の投与量から1用量レベル下げて投与再開する。
2). Grade4の好中球数減少:Grade2以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後、休薬前の投与量から1用量レベル下げて投与再開する。
3). Grade3以上の赤血球輸血を要する貧血:Grade2以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後、休薬前の投与量から1用量レベル下げて投与再開する。
4). 対症療法を行っても48時間以内に回復しないGrade3以上の悪心、対症療法を行っても48時間以内に回復しないGrade3以上の嘔吐、対症療法を行っても48時間以内に回復しないGrade3以上の下痢の場合:Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後、休薬前の投与量から1用量レベル下げて投与再開する。
5). Grade3以上のALT増加、Grade3以上のAST増加、Grade3以上のビリルビン増加:①.Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後、休薬前の投与量から1用量レベル下げて投与再開する、②.Grade3以上が再発した場合には、投与を中止する。
6). 脳症を疑う神経学的所見:①.Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬し[ビタミンB1製剤を静脈内又は筋肉内投与し、患者の状態を慎重に観察すること]、回復後、休薬前の投与量から1用量レベル下げて投与再開する、②.ウェルニッケ脳症の場合には、投与を中止する。
7). 前記以外のGrade3以上の非血液系副作用:Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後、休薬前の投与量から1用量レベル下げて投与再開する。
GradeはNCI-CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)ver.5.0に準じる。
7.3. 本剤投与によるウェルニッケ脳症を予防するため、必要量(1日100mg以上を目安)のビタミンB1経口剤を併用すること〔1.2、8.1、11.1.1参照〕。
7.4. 重度腎機能障害(クレアチニンクリアランス15mL/min以上30mL/min未満)を有する患者に投与する場合は、本剤の1回用量を200mgに減量すること〔9.2.1、16.6.1参照〕。
7.5. 強いCYP3A阻害剤と併用する場合には、本剤の1回用量を200mgに減量すること(また、強いCYP3A阻害剤との併用投与終了後には、本剤を300mgに増量し、一定期間投与後400mgに増量すること)〔10.2、16.7.1参照〕。
警告・禁忌・相互作用・その他の注意
(警告)
1.1. 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
1.2. 本剤の投与により、ウェルニッケ脳症を含む重篤な脳症が発現し、死亡に至った症例が報告されているので、本剤投与中及び必要に応じて本剤投与前にビタミンB1製剤の投与を行うこと(神経内科医との連携の下、神経学的症状を含む患者の状態を注意深く観察し、異常が認められた場合には、本剤の投与中止等の適切な対応を行うこと)〔7.3、8.1、11.1.1参照〕。
1.3. 本剤の投与により、敗血症等の重篤な感染症の発現が報告されていることから、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意すること〔8.2、9.1.1-9.1.3、11.1.2参照〕。
(禁忌)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
8.1. ビタミンB1(チアミン)の欠乏によりウェルニッケ脳症があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、次の事項に注意すること〔1.2、7.3、11.1.1参照〕。
8.1.1. 本剤の投与開始前にビタミンB1濃度を測定すること(ビタミンB1の減少が認められる患者に対してはビタミンB1補充を行い、ビタミンB1濃度が回復するまで本剤投与を開始しないこと)。
8.1.2. 本剤投与中はビタミンB1経口剤の投与を行い、ビタミンB1欠乏症の症状又は徴候が認められる場合など、必要に応じてビタミンB1濃度の測定を行うこと。
8.1.3. 嘔吐、下痢等からビタミンB1欠乏を含む低栄養状態悪化等を引き起こす可能性があるため、制吐剤又は止瀉剤の予防投与を検討すること。
8.1.4. 神経内科医との連携の下、神経学的症状を含む患者の状態を注意深く観察すること。
8.2. 免疫抑制作用により、細菌、真菌、ウイルス又は原虫による感染症が発現又は感染症悪化や日和見感染が発現又は日和見感染悪化することがある。肝炎ウイルス再活性化、結核再活性化等するおそれがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス、結核等の感染の有無を確認し、本剤の投与開始前に適切な処置の実施を考慮すること。本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること〔1.3、9.1.1-9.1.3、11.1.2参照〕。
8.3. 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行い、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.3参照〕。
8.4. 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行うこと〔11.1.5参照〕。
8.5. ぶどう膜炎があらわれることがあるので、眼の異常の有無を定期的に確認すること。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること〔11.1.7参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者):結核を活動化させるおそれがある〔1.3、8.2、11.1.2参照〕。
9.1.2. 感染症(敗血症、肺炎、ウイルス感染等)を合併している患者:免疫抑制作用により病態を悪化させるおそれがある〔1.3、8.2、11.1.2参照〕。
9.1.3. B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性):B型肝炎ウイルス再活性化による肝炎があらわれるおそれがある〔1.3、8.2、11.1.2参照〕。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重度腎機能障害のある患者(CLcr15mL/min以上30mL/min未満):本剤の開始用量を減量するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある)〔7.4、16.6.1参照〕。
9.2.2. 中等度腎機能障害のある患者(CLcr30mL/min以上60mL/min未満):患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある)〔16.6.1参照〕。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重度肝機能障害のある患者(Child-Pugh分類C):患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある)〔16.6.2参照〕。
(生殖能を有する者)
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
(妊婦)
妊娠又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(動物実験(ラット)で、臨床曝露量の約0.08倍に相当する投与量で、胚毒性・胎仔毒性(着床後胚損失率増加、胎仔体重低値、骨格変異の発現頻度増加)が認められている)〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。
(授乳婦)
授乳しないことが望ましい(本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある)。
(小児等)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(相互作用)
本剤は、主にCYP3Aで代謝され、一部はCYP2C19によっても代謝される。また、本剤はCYP3A、CYP2C19、CYP2D6、OCT2、MATE1及びMATE2-Kに対して阻害作用を示す。
10.2. 併用注意:
1). 強いCYP3A阻害剤(リトナビル、イトラコナゾール、クラリスロマイシン等)〔7.5、16.7.1参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、強いCYP3A阻害作用のない薬剤への代替を考慮し、やむを得ず併用する場合には、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
2). 中程度のCYP3Aかつ強いCYP2C19阻害剤(フルコナゾール)〔16.7.2参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(フルコナゾールがCYP3A及びCYP2C19を同時に阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
3). 強いCYP3A誘導剤又は中程度のCYP3A誘導剤(リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン等)〔16.7.3、16.7.4参照〕[本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること(これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
4). CYP3Aの基質となる薬剤(ミダゾラム、フェンタニル、トリアゾラム等)〔16.7.5参照〕[これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤がCYP3Aを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
5). CYP2C19の基質となる薬剤(オメプラゾール、ランソプラゾール、ジアゼパム等)〔16.7.5参照〕[これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤がCYP2C19を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
6). CYP2D6の基質となる薬剤(メトプロロール、アミトリプチリン、ペルフェナジン等)〔16.7.5参照〕[これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤がCYP2D6を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
7). OCT2の基質となる薬剤、MATE1の基質となる薬剤及びMATE2-Kの基質となる薬剤(メトホルミン、プロカインアミド等)〔16.7.6参照〕[これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤がOCT2、MATE1及びMATE2-Kを阻害することにより、これらの薬剤の腎クリアランスが低下する可能性がある)]。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
(その他の注意)
15.1. 臨床使用に基づく情報
心血管系事象のリスク因子を有する関節リウマチ患者を対象としたJAK阻害剤トファシチニブクエン酸塩の海外臨床試験の結果、主要評価項目である主要な心血管系事象(Major Adverse Cardiovascular Events:MACE)及び悪性腫瘍<非黒色腫皮膚癌を除く>の発現率について、TNF阻害剤群に対するハザード比(95%信頼区間)はそれぞれ1.33(0.91,1.94)及び1.48(1.04,2.09)であり、95%信頼区間上限は予め設定していた非劣性マージン1.8を超え、TNF阻害剤群に対する非劣性が検証されなかったことが報告されている。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
イヌの28日間反復投与毒性試験において、臨床曝露量を下回る用量から精巣上体無精子症・精巣上体乏精子症・精巣無精子症・精巣乏精子症、精細管変性が認められた。
(保管上の注意)
室温保存。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 脳症(ウェルニッケ脳症含む)(0.5%):ビタミンB1欠乏によりウェルニッケ脳症を含む脳症があらわれることがある。本剤投与中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察し、運動失調、眼球運動障害(眼振、複視等)、傾眠、錯乱、記憶障害等の脳症を疑う症状が認められた場合には休薬し、ビタミンB1製剤の静脈内又は筋肉内投与等の適切な処置を行うこと(また、神経内科医との連携の下、頭部MRI検査等を実施するとともに、本剤の投与中止等の適切な対応を行うこと)〔1.2、7.3、8.1参照〕。
11.1.2. 感染症:肺炎(1.8%)、敗血症(頻度不明)等の重篤な感染症の発現が報告されている(本剤投与中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察すること)〔1.3、8.2、9.1.1-9.1.3参照〕。
11.1.3. 骨髄抑制:貧血(36.2%)、血小板減少(20.8%)、好中球減少(5.4%)があらわれることがある〔8.3参照〕。
11.1.4. 出血:血栓性血小板減少性紫斑病(0.5%)、上部消化管出血(0.5%)等があらわれることがある。
11.1.5. 肝機能障害:AST増加(3.6%)、ALT増加(7.2%)を伴う肝機能障害があらわれることがある〔8.4参照〕。
11.1.6. 間質性肺疾患(頻度不明)。
11.1.7. ぶどう膜炎(0.9%)〔8.5参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 胃腸:(5%以上)下痢(52.0%)、悪心(50.2%)、嘔吐(35.7%)、腹痛、便秘、(5%未満)膵炎、消化不良、上腹部痛。
2). 神経系:(5%以上)頭痛、(5%未満)浮動性めまい、味覚不全。
3). 皮膚:(5%未満)皮膚そう痒症。
4). 代謝:(5%以上)リパーゼ増加、(5%未満)アミラーゼ増加、高カリウム血症。
5). 腎:(5%以上)血中クレアチニン増加、(5%未満)排尿困難。
6). 筋・骨格系:(5%未満)筋痙縮、骨痛、四肢痛。
7). 呼吸器:(5%未満)呼吸困難。
8). 感染症:(5%未満)尿路感染。
9). 血管:(頻度不明)高血圧。
10). その他:(5%以上)疲労、(5%未満)体重増加、無力症。
薬物動態
16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
日本人の骨髄線維症患者に本剤300注1)及び400mgを1日1回反復経口投与したときの、初回投与後及び反復投与28日目のフェドラチニブの薬物動態パラメータは次表のとおりであった。
本剤を1日1回反復投与したときのフェドラチニブの薬物動態パラメータ
<<表省略>>
また、日本人を含む骨髄線維症患者から得られた血漿中濃度データを用いて、母集団薬物動態解析を実施した。本剤400mgを1日1回反復経口投与したときの、定常状態におけるフェドラチニブの日本人の薬物動態パラメータは次表のとおりであった。
本剤を反復投与したときの定常状態における日本人骨髄線維症患者の薬物動態パラメータ推定値(母集団薬物動態解析)
<<表省略>>
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人(19例)に本剤500mg注1)を単回経口投与したとき、空腹時投与に対する低脂肪・低カロリー食及び高脂肪・高カロリー食摂取後投与における、フェドラチニブのCmaxの幾何平均値の比はそれぞれ1.12及び0.91、AUCinfの幾何平均値の比はそれぞれ1.22及び1.19であった(外国人データ)。
16.3 分布
骨髄線維症患者に本剤400mgを単回経口投与したときの定常状態におけるみかけの分布容積の平均値は1771Lであったことから、広範な組織への分布が示唆された。フェドラチニブのヒト血漿中タンパク結合率は92.6%であり、主にα1-酸性糖タンパク質に結合した。
16.4 代謝
フェドラチニブは主としてCYP3Aで代謝され、またCYP3Aに比べて寄与率は小さいがCYP2C19及びフラビン含有モノオキシゲナーゼ3によっても代謝されると考えられる。
16.5 排泄
健康成人(6例)に14C標識したフェドラチニブ200mg注1)を単回経口投与したとき、放射能の総回収率は82.1%で、尿及び糞便中にそれぞれ5.15%及び76.9%が回収された。尿及び糞便中に回収された放射能に占める未変化体の割合はそれぞれ2.9%及び23.3%であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
健康成人(CLcr 90mL/min以上)、中等度腎機能障害患者(CLcr 30mL/min以上60mL/min未満)及び重度腎機能障害患者(CLcr 15mL/min以上30mL/min未満)に本剤300mg注1)を単回経口投与したとき、健康成人に対する中等度及び重度腎機能障害患者のAUCinfの幾何平均値の比は、フェドラチニブの総濃度(結合形及び非結合形を合わせた濃度)でそれぞれ1.51及び1.87、非結合形で1.08及び1.31であった(外国人データ)。[7.4、9.2.1、9.2.2参照]
16.6.2 肝機能障害患者
軽度肝機能障害患者(Child-Pugh分類A)、中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類B)並びに軽度及び中等度肝機能障害患者に性別、年齢及び体重を対応させた健康成人に本剤300mg注1)を、重度肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)並びに重度肝機能障害患者に性別、年齢及び体重を対応させた健康成人に本剤200mg注1)を単回経口投与したとき、健康成人に対する軽度、中等度及び重度肝機能障害患者のAUCinfの幾何平均値の比は、フェドラチニブの総濃度でそれぞれ1.07、1.14及び0.66、非結合形で1.03、0.92及び1.41であった(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ケトコナゾール(強いCYP3A阻害剤)
健康成人にケトコナゾール(200mg、1日2回14日間)反復経口投与注2)時、本剤300mg注1)を併用したとき、本剤単独投与時に対する併用投与時におけるフェドラチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比はそれぞれ1.93及び3.06であった(外国人データ)。生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション結果から、ケトコナゾール400mgを1日1回反復経口投与し、本剤400mgを併用で1日1回反復経口投与したとき、本剤単独投与時に対する併用投与時における定常状態でのフェドラチニブのAUCの幾何平均値の比は1.95と推定された。[7.5、10.2参照]
16.7.2 フルコナゾール(中程度のCYP3Aかつ強いCYP2C19阻害剤)
健康成人にフルコナゾール200mgを1日1回14日間反復投与し(1日目は400mg投与)、9日目に本剤100mg注1)を併用したとき、本剤単独投与時に対する併用投与時におけるフェドラチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比はそれぞれ1.21及び1.70であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 リファンピシン(強いCYP3A誘導剤)
健康成人にリファンピシン(600mg、1日1回10日間)反復投与時、9日目に本剤500mg注1)を併用投与したとき、本剤単独投与時に対する併用投与時におけるフェドラチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比はそれぞれ0.302及び0.195であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.4 エファビレンツ(中程度のCYP3A誘導剤)
健康成人にエファビレンツ(600mg、1日1回10日間)反復投与時、9日目に本剤500mg注1)を併用投与したとき、本剤単独投与時に対する併用投与時におけるフェドラチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比はそれぞれ0.715及び0.532であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.5 ミダゾラム(CYP3Aの基質)、オメプラゾール(CYP2C19の基質)、メトプロロール(CYP2D6の基質)
進行固形癌患者に本剤(500mg注1)、1日1回15日間)反復投与時、15日目にミダゾラム2mg、オメプラゾール20mg及びメトプロロール100mgをカクテル薬剤として併用投与したとき、カクテル薬剤単独投与時に対する本剤併用投与時のミダゾラム、オメプラゾール及びメトプロロールのCmaxの幾何平均値の比はそれぞれ1.82、1.12及び1.60、AUCinfの幾何平均値の比はそれぞれ3.84、2.82及び1.77であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.6 ジゴキシン(P-gpの基質)、ロスバスタチン(OATP1B1/1B3及びBCRPの基質)、メトホルミン(OCT2、MATE1及びMATE2-Kの基質)
健康成人に本剤600mg注1)を単回投与時、ジゴキシン0.25mg、ロスバスタチン10mg及びメトホルミン1000mgをカクテル薬剤として単回投与して併用したとき、カクテル薬剤単独投与時に対する本剤併用投与時のジゴキシン、ロスバスタチン及びメトホルミンのCmaxの幾何平均値の比はそれぞれ0.989、0.804及び0.880であり、AUCinfの幾何平均値の比はそれぞれ1.113、1.016及び0.973であった。カクテル薬剤単独投与時に対する本剤併用投与時のメトホルミンの腎クリアランスの幾何平均値の比は、0.642であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.7 生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション(エリスロマイシン(中程度のCYP3A阻害剤))
生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション結果から、健康成人にエリスロマイシン500mgを1日3回反復投与し、本剤400mgを併用で1日1回単回及び反復投与したとき、本剤単独投与時に対する併用投与時におけるフェドラチニブのAUCはそれぞれ1.85及び1.18と推定された。
16.8 その他
フェドラチニブはP-gpの基質である(in vitro)。
注1)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人にはフェドラチニブとして1回400mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。」である。
注2)経口剤は国内未承認
臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第I/II相試験(FEDR-MF-003試験)
JAK阻害剤による治療歴の有無を問わない骨髄線維症注1)患者を対象とした非盲検非対照試験を実施した。本剤400mgが1日1回経口投与注2)された第I相パートの3例及び第II相パートの25例(合計28例)において、主要評価項目である第6サイクル終了時点の脾臓容積がベースラインから35%以上縮小(SVR35)を達成した被験者の割合[95%信頼区間]は71.4%[51.3、86.8](20/28例)であった(2023年10月5日データカットオフ)。
副作用発現頻度は96.4%(27/28例)であった。主な副作用は、貧血60.7%(17/28例)、下痢及び血小板減少症各32.1%(9/28例)等であった。[5.1、5.3参照]
17.1.2 海外第III相試験(EFC12153試験(JAKARTA試験))
JAK阻害剤による治療歴のない骨髄線維症注1)患者を対象とした二重盲検無作為化比較試験を実施した。本剤400mg群及びプラセボ群に、それぞれ96例が無作為に割付けられた(合計192例)。本剤400mgを1日1回経口投与注2)又はプラセボを1日1回経口投与した。
主要評価項目である第6サイクル終了時点及びその4週間後にSVR35を達成した被験者の割合[95%信頼区間]は本剤400mg群で36.5%[26.8、46.1](35/96例)、プラセボ群で1.0%[0、3.1](1/96例)であり、プラセボ群に対する本剤群の優越性が認められた(群間差[97.5%信頼区間]:35.4%[24.2、46.7]、カイ二乗検定p<0.0001、有意水準両側0.025(Bonferroni補正による調整))。
副作用発現頻度は、本剤400mg群で89.6%(86/96例)であった。主な副作用は、下痢58.3%(56/96例)、悪心58.3%(56/96例)、嘔吐40.6%(39/96例)、貧血34.4%(33/96例)等であった。[5.1、5.3参照]
17.1.3 海外第II相試験(ARD12181試験(JAKARTA2試験))
ルキソリチニブによる治療歴のある骨髄線維症注1)患者を対象とした非盲検非対照試験を実施した。本剤400mgを開始用量として1日1回経口投与注2)し、投与開始後8週及び16週終了時に効果不十分と判定され、安全性が管理可能と判断された場合には、1日100mgずつ最大600mgまでの増量注3)が許容された。
評価可能であった83例において、主要評価項目である第6サイクル終了時点のSVR35を達成した被験者の割合(LOCF注4)法を用いた解析)[95%信頼区間]は48.2%[37.1、59.4](40/83例)であった。
副作用発現頻度は全投与例において90.7%(88/97例)であった。主な副作用は、悪心52.6%(51/97例)、下痢51.5%(50/97例)、嘔吐37.1%(36/97例)、貧血29.9%(29/97例)、血小板減少症20.6%(20/97例)等であった。[5.1、5.3参照]
注1)試験対象患者
・原発性骨髄線維症、及び真性多血症又は本態性血小板血症から移行した骨髄線維症患者(WHO分類及びIWG-MRT基準に基づき診断)
・DIPSSリスク分類の中間-1リスクで症状を伴う、中間-2リスク又は高リスクの患者(FEDR-MF-003試験及びJAKARTA2試験)
・IPSSリスク分類の中間-2リスク又は高リスクの患者(JAKARTA試験)
・ルキソリチニブに対して抵抗性又は不耐容と医師が判断した患者(JAKARTA2試験)
・造血幹細胞移植歴がない又は予定されていない患者(FEDR-MF-003試験)
・肋骨縁下に5cm以上の触知可能な脾腫(試験共通)又はMRI若しくはCTで脾臓容積が450cm3以上の脾腫(FEDR-MF-003試験のみ)を有する患者
・ベースラインの血小板数が5万/mm3以上かつ好中球数1000/mm3以上の患者
注2)1サイクルは28日間とした。
注3)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人にはフェドラチニブとして1回400mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。」である。
注4)Last observation carried forward
薬効薬理
18.1 作用機序
フェドラチニブは、ヤヌスキナーゼ(JAK)2に対する阻害作用を有する低分子化合物である。フェドラチニブは、JAK2の下流のシグナル伝達分子(STAT等)のリン酸化を阻害すること等により、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。
18.2 抗腫瘍作用
JAK2 V617F変異を導入した骨髄細胞を同所移植した骨髄増殖性腫瘍モデルマウスにフェドラチニブを反復投与したとき、白血球数、ヘマトクリット値及び脾臓重量の減少等が認められた(in vivo)。
医師の処方により使用する医薬品。
特定薬剤管理指導加算等の算定対象となる薬剤。
