エザルミア錠100mg
医療用
医療用医薬品:
医師の処方により使用する医薬品
医師の処方により使用する医薬品
- 収載区分
- 銘柄別収載
- 先発・後発情報
- 先発品(後発品なし)
- オーソライズド
ジェネリック - -
- 一般名
- バレメトスタットトシル酸塩錠
- 英名(商品名)
- Ezharmia
- 規格
- 100mg1錠
- 薬価
- 13,819.60
- メーカー名
- 第一三共
- 規制区分
- 劇薬
- 長期投与制限
- -
- 標榜薬効
- 抗悪性腫瘍薬〔ヒストンメチル基転移酵素(HMT)阻害薬〕
- 色
- 赤白
- 識別コード
- (本体)DSC 532 100 (本体)DSC 532 100 (被包)DSC 532 100mg (被包)@ EZHARMIA 100mg
- [@: メーカーロゴ]
- 添付文書
-
PDF 2024年6月改訂(第3版)
- 告示日
- 2022年11月15日
- 経過措置期限
- -
- 医薬品マスタに反映
- 2022年12月版
- 医薬品マスタ削除予定
- -
- 運転注意
- 情報なし(使用の適否を判断するものではありません)
- ドーピング
- 禁止物質なし(使用の適否を判断するものではありません)
- CP換算
- -
- 長期収載品選定療養
- -
[識別コードの表記 @: メーカーロゴ]
外形画像
改訂情報
-
効能効果
1). 再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫。
2). 再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫〉臨床試験に組み入れられた患者の病型及び予後不良因子の有無等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1参照〕。
5.2. 〈再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫〉本剤投与の適応となる疾患の診断は、病理診断に十分な経験を持つ医師又は施設により行うこと。
5.3. 〈再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫〉臨床試験に組み入れられた患者の病理組織型等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.2参照〕。
用法用量
通常、成人にはバレメトスタットとして200mgを1日1回空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2. 食後に本剤を投与した場合、Cmax低下及びAUC低下するとの報告がある。食事の影響を避けるため、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けること〔16.2.1参照〕。
7.3. 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は中止すること。なお、副作用による減量は2用量レベルまでとすること〔8.重要な基本的注意の項、11.1.1参照〕。
7.3.1. 〈効能共通〉減量・中止する場合の投与量
1). 用量レベル1:200mg。
2). 用量レベル2:150mg。
3). 用量レベル3:100mg。
4). 用量レベル4:50mg。
5). 中止:50mgで忍容性が得られない場合、投与を中止する。
7.3.2. 〈再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫〉副作用発現時の本剤の用量調節基準
1). 〈再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫〉好中球減少:好中球数500/mm3未満が7日間を超えて継続;好中球数が1000/mm3以上又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与する(再開した後に再び発現した場合、好中球数が1000/mm3以上又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1用量レベル減量する)。
2). 〈再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫〉血小板減少:血小板数25000/mm3未満;血小板数が50000/mm3以上又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与する(再開した後に再び発現した場合、血小板数が50000/mm3以上又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1用量レベル減量する)。
3). 〈再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫〉貧血:ヘモグロビン値8.0g/dL未満で赤血球輸血を要する貧血;ヘモグロビン値が8.0g/dL以上又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与する(再開した後に再び発現した場合、ヘモグロビン値が8.0g/dL以上又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1用量レベル減量する)。
4). 〈再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫〉非血液毒性:*Grade3以上の非血液毒性;*Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与する(*再開した後に再び発現した場合、Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1用量レベル減量する)。
*)GradeはNCI-CTCAEに準じる。
7.3.3. 〈再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫〉副作用発現時の本剤の用量調節基準
1). 〈再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫〉好中球減少:好中球数500/mm3未満;好中球数が1000/mm3以上に回復するまで休薬し、回復後に再開する際、持続期間が7日以内の場合は休薬前の用量で再開する(7日間を超えて持続した場合は休薬前の用量から1用量レベル減量し、さらに休薬が必要な場合は、それ以降、1用量レベル減量する)。
2). 〈再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫〉血小板減少:
①. 〈再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫〉血小板数50000/mm3未満が7日間を超えて持続;血小板数が50000/mm3以上に回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与する(再開した後に再び発現した場合、血小板数が50000/mm3以上に回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1用量レベル減量し、減量後再開した後に再び発現した場合は、中止する)。
②. 〈再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫〉*血小板数50000/mm3未満でGrade2以上の出血を伴う;血小板数が50000/mm3以上に回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1用量レベル減量する(再開した後に再び発現した場合は、中止する)。
③. 〈再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫〉血小板数25000/mm3未満;血小板数が50000/mm3以上に回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1用量レベル減量し、さらに休薬が必要な場合は、それ以降、1用量レベル減量する)。
3). 〈再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫〉貧血:ヘモグロビン値8.0g/dL未満で赤血球輸血を要する貧血;直近の輸血から7日以上経過してヘモグロビン値が8.0g/dL以上に回復するまで休薬する(回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与し、さらに休薬が必要な場合は、それ以降、1用量レベル減量する)。
4). 〈再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫〉非血液毒性:
①. 〈再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫〉*Grade3で治療を要する非血液毒性;*Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与する(同一の副作用によりさらに休薬が必要な場合は、それ以降、1用量レベル減量する)。
②. 〈再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫〉*Grade4の非血液毒性;*Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1用量レベル減量する(同一の副作用によりさらに休薬が必要な場合は、中止する)。
*)GradeはNCI-CTCAEに準じる。
7.4. 強いCYP3A阻害剤又はP糖蛋白(P-gp)阻害剤と併用する場合には、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、次の基準を参考に、本剤の投与を検討すること〔10.2、16.7.1、16.7.4参照〕。
[CYP3A阻害剤又はP-gp阻害剤との併用時の用量調節基準]
1). 強いCYP3A阻害剤、P-gp阻害剤(本剤の投与量200mg):本剤の投与量を100mgに減量すること。
2). 強いCYP3A阻害剤、P-gp阻害剤(本剤の投与量150mg又は100mg):本剤の投与量を50mgに減量すること。
3). 強いCYP3A阻害剤、P-gp阻害剤(本剤の投与量50mg):本剤を併用しないこと。
4). 強いCYP3A阻害作用及びP-gp阻害作用を有する薬剤(本剤の投与量200mg):本剤の投与量を50mgに減量すること。
5). 強いCYP3A阻害作用及びP-gp阻害作用を有する薬剤(本剤の投与量150mg又は100mg、50mg):本剤を併用しないこと。
警告・禁忌・相互作用・その他の注意
(警告)
本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
(禁忌)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること〔7.3、11.1.1参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重度の肝機能障害のある患者:本剤は重度肝機能障害を合併する患者*を対象とした臨床試験は実施していない(本剤の主たる消失経路は肝臓である)〔16.4、16.6.1参照〕。
*)NCI-ODWG(National Cancer Institute-Organ Dysfunction Working Group)基準による分類。
(生殖能を有する者)
9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後2週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
9.4.2. 男性:男性には、本剤投与中及び最終投与後2週間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明する(精液を介して胎児に悪影響を及ぼす可能性がある)〔9.5妊婦の項参照〕。
9.4.3. 生殖可能な男性に投与する場合には、造精機能低下があらわれる可能性があることを考慮すること(動物実験(イヌ、ラット)において、精巣への影響が報告されている)〔15.2.2参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット)において、臨床曝露量の約0.05倍の曝露に相当する用量で胚毒性・胎仔毒性(着床後胚損失率高値)及び催奇形性が報告されている)〔9.4.1、9.4.2参照〕。
(授乳婦)
授乳しないことが望ましい(ヒトにおける乳汁中への移行に関するデータはないが、動物実験(ラット)において、乳汁中への移行が認められている)。
(小児等)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(相互作用)
本剤は主にCYP3Aによって代謝され、P-gpの基質である。また、P-gpの阻害作用を示す〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:
1). 強いCYP3A阻害作用及びP-gp阻害作用を有する薬剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル等)〔7.4、16.7.1参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること(これらの薬剤がCYP3A及びP-gpを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
2). 強いCYP3A阻害剤(ポサコナゾール、ボリコナゾール等)〔7.4、16.7.4参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること(これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
3). P-gp阻害剤(キニジン、ベラパミル、カルベジロール等)〔7.4、16.7.4参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること(これらの薬剤がP-gpを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
4). 中程度のCYP3A阻害剤(フルコナゾール、エリスロマイシン、ジルチアゼム等)〔16.7.2参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること(これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
5). 強いCYP3A誘導剤又は中程度のCYP3A誘導剤(リファンピシン、フェニトイン、エファビレンツ等)〔16.7.3、16.7.4参照〕[本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又はCYP3A誘導作用の弱い薬剤への代替を考慮すること(これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
6). P-gpの基質となる薬剤(ダビガトランエテキシレート、ジゴキシン、フェキソフェナジン等)〔16.7.5参照〕[これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがある(本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.1.2. 本剤は吸湿性を有するため、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。
(その他の注意)
15.1. 臨床使用に基づく情報
臨床試験において、慢性骨髄単球性白血病、慢性白血病、骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病等の二次性悪性腫瘍が発現したとの報告がある。また、小児の神経芽腫<承認外効能・効果>患者で前駆B細胞型急性白血病が発現したとの報告がある。
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. 動物実験(若齢ラット)において、本剤の反復投与により臨床曝露量の0.14倍の曝露に相当する用量でT細胞リンパ腫の発生が報告されている。
15.2.2. 動物実験(雌雄ラット及び雄イヌ)において、本剤の反復投与によりそれぞれ臨床曝露量の2.0倍及び0.13倍の曝露に相当する用量で、精巣形態学的変化(精上皮萎縮)、精巣上体形態学的変化(精巣上体管腔内精子数減少)、卵巣形態学的変化(卵巣萎縮)、子宮形態学的変化(子宮萎縮)等が報告されている。なお、それぞれ臨床曝露量の2.0倍及び0.38倍の曝露に相当する用量で回復性を伴わない精巣形態学的変化(ラットで精上皮消失及び精巣上体管腔内精子数減少、イヌで精上皮萎縮及び精巣上体管腔内の精子数減少)、子宮形態学的変化(子宮萎縮)も報告されている〔9.4.3参照〕。
(保管上の注意)
室温保存。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 骨髄抑制:血小板減少(48.4%)、貧血(28.4%)、好中球減少(21.8%)、白血球減少(13.3%)、リンパ球減少(6.2%)があらわれることがある〔7.3、8.重要な基本的注意の項参照〕。
11.1.2. 感染症(12.4%):上気道感染(2.2%)、ニューモシスチス・イロベチイ肺炎(1.3%)等があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 皮膚:(10~20%未満)脱毛症、発疹、(10%未満)皮膚乾燥。
2). 精神神経系:(20%以上)味覚不全(31.6%)。
3). 呼吸器:(10%未満)咳嗽。
4). 消化器:(10~20%未満)悪心、下痢。
5). 肝臓:(10%未満)AST増加、ALT増加。
6). その他:(10~20%未満)疲労、(10%未満)食欲減退、発熱、末梢性浮腫。
副作用発現頻度は、再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫患者を対象とした国内第2相試験、再発又は難治性の非ホジキンリンパ腫患者を対象とした国際共同第1相試験において本剤200mgを投与した再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫患者及び再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者、並びに再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者を対象とした国際共同第2相試験の末梢性T細胞リンパ腫患者の結果から算出した。
薬物動態
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に本剤50mg、100mg又は200mg(各投与量6例)を空腹時に単回経口投与したときのバレメトスタットの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
単回経口投与時のバレメトスタットの血漿中濃度推移(健康成人)
<<図省略>>
単回経口投与時のバレメトスタットの薬物動態パラメータ(健康成人)
<<表省略>>
16.1.2 反復投与
再発又は難治性成人T細胞白血病リンパ腫患者25例に本剤200mg注1)を空腹時に1日1回反復経口投与したときのバレメトスタットの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。本剤200mgを空腹時に1日1回反復経口投与したときの投与15日目におけるバレメトスタットの累積係数は1.19であった。
反復経口投与時のバレメトスタットの血漿中濃度推移
<<図省略>>
反復経口投与時のバレメトスタットの薬物動態パラメータ
<<表省略>>
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人15例に本剤200mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与におけるバレメトスタットのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.487及び0.703であった。また、健康成人28例に本剤200mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する低脂肪食後投与におけるバレメトスタットのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.375及び0.466であった。[7.2参照]
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合率
健康成人20例に本剤200mgを単回経口投与したとき、バレメトスタットのヒト血漿蛋白結合率は約94%~95%であった。バレメトスタットは主にヒトα1-酸性糖蛋白に結合した(in vitro)。
16.3.2 血球移行率
ヒト血液/血漿濃度比は、低濃度(300ng/mL)で0.58、中濃度(1,500ng/mL)で0.61、高濃度(5,000ng/mL)で0.74であった(in vitro)。
16.4 代謝
バレメトスタットは主にCYP3Aによって代謝される(in vitro)。健康成人8例に14Cで標識されたバレメトスタット200mgを単回経口投与したとき、血漿中に主として未変化体及び代謝物CALZ-1809a(酸化体)が検出された。血漿中総放射能のAUCinfに対する未変化体の割合は54.6%であった。未変化体に対するCALZ-1809aのAUCinfの割合は83.0%であった(外国人データ)。[9.3.1、10.参照]
16.5 排泄
健康成人8例に14Cで標識されたバレメトスタット200mgを単回経口投与したとき、投与360時間後までに排泄された総放射能は、尿及び糞中でそれぞれ投与量の15.6%及び79.8%であった。また、未変化体は尿中に10.0%、糞中に64.9%が排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
肝機能正常者、軽度及び中等度の肝機能障害患者注2)(各8例)に本剤50mg注3)を単回経口投与したとき、肝機能正常者に対する軽度及び中等度の肝機能障害患者での非結合型バレメトスタットのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.701及び0.811、1.23及び1.15であった(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール
健康成人16例にイトラコナゾール(強いCYP3A阻害作用及びP-gp阻害作用を有する薬剤)200mg(投与1日目は1日2回、以降1日1回14日間)を反復経口投与し、本剤25mg注3)を単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のバレメトスタットのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ2.92及び4.19であった。[7.4、10.2参照]
16.7.2 フルコナゾール
健康成人13例にフルコナゾール(中程度のCYP3A阻害剤)200mg(投与1日目は400mgを1回、以降200mgを1日1回12日間)を反復経口投与し、本剤25mg注3)を単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するフルコナゾール併用投与時のバレメトスタットのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.61及び1.58であった。[10.2参照]
16.7.3 リファンピシン
健康成人20例にリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)600mgを1日1回15日間反復経口投与し、本剤200mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のバレメトスタットのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.417及び0.286であった。[10.2参照]
16.7.4 生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション
(1)本剤200mgの単独投与時に対する強いCYP3A阻害剤併用投与時のバレメトスタットのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ2.13及び2.67と予測された。[7.4、10.2参照]
(2)本剤200mgの単独投与時に対するP-gp阻害剤併用投与時のバレメトスタットのCmax及びAUC0-96hの幾何平均値の比は、最大でそれぞれ1.59及び2.58と予測された。[7.4、10.2参照]
(3)エファビレンツ(中程度のCYP3A誘導剤)600mgを1日1回12日間反復投与し、本剤200mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するエファビレンツ併用投与時のバレメトスタットのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.666及び0.575と予測された。[10.2参照]
16.7.5 ジゴキシン
再発又は難治性の非ホジキンリンパ腫患者16例に本剤200mgを1日1回反復投与し、ジゴキシン(P-gpの基質)0.25mgを単回経口投与したとき、ジゴキシン単独投与時に対する本剤併用投与時のジゴキシンのCmax及びAUClastの幾何平均値の比は、それぞれ1.30及び1.27であった。[10.2参照]
16.7.6 その他
(1)再発又は難治性の非ホジキンリンパ腫患者15例に本剤200mgを1日1回反復投与し、ミダゾラム(CYP3Aの基質)2mgを単回経口投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対する本剤併用投与時のミダゾラムのCmax及びAUClastの幾何平均値の比は、それぞれ0.966及び0.874であった。
(2)バレメトスタットはMATE1及びMATE2-Kの基質であり、MATE1を阻害した(IC50値は0.548μmol/L)(in vitro)。
注1)投与量を減量した1名を含む。
注2)NCI-ODWG(National Cancer Institute-Organ Dysfunction Working Group)基準による分類
注3)本剤の承認された用法及び用量は「200mgを1日1回空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。」である。
臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫〉
17.1.1 国内第II相試験
再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫患者注1)を対象に、本剤200mgを1日1回空腹時に経口投与したときの有効性及び安全性を検討した。その結果、奏効率は、次表のとおりであった。組み入れられた患者の病型別での奏効率は、急性型62.5%(10/16例)、リンパ腫型16.7%(1/6例)、予後不良因子を有する慢性型33.3%(1/3例)であった。
<<表省略>>
副作用発現頻度は96.0%(24/25例)であった。主な副作用は、血小板数減少80.0%(20/25例)、貧血44.0%(11/25例)、脱毛症40.0%(10/25例)、味覚不全36.0%(9/25例)、リンパ球数減少、好中球数減少及び白血球数減少各20.0%(5/25例)等であった。[5.1参照]
注1)対象患者の詳細:「モガムリズマブ(遺伝子組換え)による治療歴を有する、若しくはモガムリズマブ(遺伝子組換え)に不耐容又は適応とならず1レジメン以上の全身化学療法が施行された患者」及び「急性型、リンパ腫型又は予後不良因子(血清アルブミン低値、乳酸脱水素酵素高値又は血中尿素窒素高値のいずれか)を有する慢性型」
〈再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫〉
17.1.2 国際共同第II相試験
再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者注2)を対象に、本剤200mgを1日1回空腹時に経口投与したときの有効性及び安全性を検討した。その結果、有効性評価対象症例119例(日本人15例を含む)での奏効率は、43.7%(52例)(95%信頼区間:34.6~53.1)であった。組み入れられた患者の病理組織型別の奏効率は、次表のとおりであった。
<<表省略>>
安全性評価対象症例133例(日本人16例を含む)での副作用発現頻度は79.7%(106例)であった。主な副作用は、血小板減少44.4%(59例)、貧血27.1%(36例)、味覚不全24.8%(33例)、好中球減少21.1%(28例)等であった。[5.3参照]
注2)対象患者の病理組織型:AITL、PTCL-NOS、ALK陽性ALCL、ALK陰性ALCL、PTCL-TFH、FTCL、MEITL、CD8陽性AECTCL、PCGDTCL、EATL(腸症関連T細胞リンパ腫)、HSTL(肝脾T細胞リンパ腫)
薬効薬理
18.1 作用機序
バレメトスタットは、ヒストン等のメチル基転移酵素であるEZH1/2の酵素活性に対する阻害作用を有する低分子化合物である。バレメトスタットは、EZH1/2のメチル化活性を阻害することで、ヒストンH3の27番目のリジン残基等のメチル化を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと推測されている。しかし、詳細な作用機序は解明されていない。
18.2 抗腫瘍作用
バレメトスタットは、in vitroにおいて、ヒト成人T細胞白血病リンパ腫由来TL-Om1細胞株に対して増殖抑制作用を示した。
医師の処方により使用する医薬品。
特定薬剤管理指導加算等の算定対象となる薬剤。
