メーゼント錠2mg
医療用
医療用医薬品:
医師の処方により使用する医薬品
医師の処方により使用する医薬品
医薬品コード(YJコード):3999051F2020
- 収載区分
- 銘柄別収載
- 先発・後発情報
- 先発品(後発品なし)
- オーソライズド
ジェネリック - -
- 一般名
- シポニモド フマル酸錠
- 英名(商品名)
- Mayzent
- 規格
- 2mg1錠
- 薬価
- 8,668.00
- メーカー名
- ノバルティス ファーマ
- 規制区分
- 劇薬
- 長期投与制限
- -
- 標榜薬効
- 免疫調節薬
- 色
- 薄黄
- 識別コード
- (本体)@ (本体)2 (本体)II (被包)@NOVARTIS 2mg (被包)@ 2mg
- [@: メーカーロゴ]
- 添付文書
-
PDF 2025年9月改訂(第6版)
- 告示日
- 2020年8月25日
- 経過措置期限
- -
- 医薬品マスタに反映
- 2020年9月版
- 医薬品マスタ削除予定
- -
- 運転注意
-
注意情報あり(使用の適否を判断するものではありません)注意
- ドーピング
- 禁止物質なし(使用の適否を判断するものではありません)
- CP換算
- -
- 長期収載品選定療養
- -
[識別コードの表記 @: メーカーロゴ]
外形画像
改訂情報
-
効能効果
二次性進行型多発性硬化症の再発予防及び二次性進行型多発性硬化症の身体的障害の進行抑制。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 再発を伴う場合でも、歩行又は認知機能に障害がみられる患者では、再発寛解型から二次性進行型に移行している可能性があるため、本剤の臨床試験で用いられた二次性進行型多発性硬化症の定義や臨床試験成績を参照した上で、適応患者を選択すること〔17.1.1参照〕。
用法用量
通常、成人にはシポニモドとして1日0.25mgから開始し、2日目に0.25mg、3日目に0.5mg、4日目に0.75mg、5日目に1.25mg、6日目に2mgを1日1回朝に経口投与し、7日目以降は維持用量である2mgを1日1回経口投与するが、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 漸増期間(6日間)中に本剤を休薬した場合は、開始用量である0.25mgから本剤の投与を再開し、用法及び用量のとおり漸増すること。また、維持用量投与時に4日間以上連続して本剤を休薬した場合においても、初回投与時と同様に、開始用量である0.25mgから投与を再開し、用法及び用量のとおり漸増すること。投与再開時も、心拍数低下、房室伝導遅延が生じることがあるため、初回投与時と同様に観察を行い、バイタルサイン及び心電図を測定すること〔1.3、8.3.1、8.3.2、9.1.4、9.1.6、9.1.7、11.1.3、17.3.2参照〕。
7.2. 漸増期間(6日間)中は本剤投与後に心拍数減少がみられ、投与後6時間以内に最も減少する(また、一般的に心拍数は日内変動し、深夜1~3時頃に最も減少する)。これら心拍数の減少時期が重なるのを避けるために、漸増期間(6日間)中は朝に投与すること〔1.3、8.3.1、8.3.2、9.1.4、9.1.6、9.1.7、11.1.3、17.3.2参照〕。
7.3. 本剤投与開始前にCYP2C9遺伝子型を確認すること〔2.9、7.4、9.1.1、15.1.1、16.6.3参照〕。
7.4. CYP2C9*1/*3を保有又はCYP2C9*2/*3を保有する患者については、維持用量は1日1回1mgとすることが望ましい(維持用量を1日1回1mgとする場合は、4日目までは用法及び用量と同様に漸増を行い、5日目以降は1mgとすること)〔7.3、9.1.1、15.1.1、16.6.3参照〕。
7.5. 0.25mg錠と2mg錠の生物学的同等性は示されていないため、2mgを投与する際には0.25mg錠を使用しないこと。
警告・禁忌・相互作用・その他の注意
(警告)
1.1. 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、本剤の安全性及び有効性についての十分な知識と多発性硬化症の治療経験をもつ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、黄斑浮腫等の重篤な眼疾患が発現することがあるので、十分に対応できる眼科医と連携がとれる場合にのみ使用すること〔8.2、11.1.2参照〕。
1.2. 重篤な感染症により死亡に至る例が報告されているので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること〔8.1.1-8.1.4、8.6、11.1.1参照〕。
1.3. 本剤の漸増期間中に心拍数低下作用がみられるため、循環器を専門とする医師と連携するなど、適切な処置が行える管理下で本剤の投与を開始すること〔7.1、7.2、8.3.1、8.3.2、11.1.3、17.3.2参照〕。
(禁忌)
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 重篤な感染症のある患者〔11.1.1参照〕。
2.3. 本剤の投与開始前6ヵ月以内に心筋梗塞、6ヵ月以内に不安定狭心症、6ヵ月以内に入院を要する非代償性心不全、6ヵ月以内にNYHA分類3度の心不全又は6ヵ月以内にNYHA分類4度の心不全を発症した患者〔11.1.3、17.3.2参照〕。
2.4. モビッツ2型第2度房室ブロック<ペースメーカー使用を除く>又はモビッツ2型第2度より重度の房室ブロック<ペースメーカー使用を除く>、洞不全症候群<ペースメーカー使用を除く>のある患者〔11.1.3、17.3.2参照〕。
2.5. 著明なQT延長のある患者〔11.1.4参照〕。
2.6. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
2.7. 生ワクチンを接種しないこと〔10.1参照〕。
2.8. クラス1a抗不整脈剤投与中(キニジン、プロカインアミド、ジソピラミド、シベンゾリン、ピルメノール)又はクラス3抗不整脈剤投与中(アミオダロン、ソタロール、ニフェカラント)、ベプリジル塩酸塩投与中の患者〔10.1参照〕。
2.9. CYP2C9*3/*3を保有している患者〔7.3参照〕。
(重要な基本的注意)
8.1. 感染症のリスクが増大するおそれがあるので、本剤投与開始前及び投与中は次の8.1.1-8.1.4に注意すること。
8.1.1. 本剤投与開始前(投与開始前6ヵ月以内又は前治療から切り替える場合には前治療中止後)に血液検査(血球数算定等)を行うとともに、投与中には定期的に血液検査を行うこと。リンパ球数が200/mm3を下回った場合には、再検査を実施し、連続して200/mm3未満であった場合には、本剤の維持用量を半量に減量し、半量に減量後も、連続して200/mm3未満であった場合には、本剤を休薬し、リンパ球数が回復するまで患者の状態を慎重に観察するとともに、感染症の徴候に注意すること(投与再開及び減量後の再増量については、リンパ球数が600/mm3以上まで回復することを目安とし、治療上の有益性と危険性を慎重に評価した上で判断すること)〔1.2、9.1.2、11.1.1参照〕。
8.1.2. 重篤な感染症のある患者では、感染症が回復するまで本剤の投与を開始しないこと。本剤投与中に感染症の症状があらわれた場合には直ちに主治医に連絡するよう指導すること。重篤な感染症が発現した場合には本剤の投与を中断し、適切な処置を行うこと(投与再開については、感染症の回復を確認し、治療上の有益性と危険性を慎重に評価した上で判断すること)〔1.2、9.1.2、11.1.1参照〕。
8.1.3. クリプトコッカス性髄膜炎があらわれることがあるため、患者の状態を十分に観察し、クリプトコッカス性髄膜炎の臨床症状又は徴候に注意すること。クリプトコッカス性髄膜炎の症状及び徴候が認められた場合は、本剤を休薬し、速やかに診断を行うこと〔1.2、9.1.2、11.1.1参照〕。
8.1.4. 本剤投与中に水痘又は帯状疱疹に初感染すると重症化の恐れがある為、投与開始前に水痘又は帯状疱疹の既往や予防接種の有無を確認、必要に応じワクチン接種を考慮(接種したワクチンの効果が十分得られるまで本剤投与開始を延期)すること〔1.2、10.1、10.2、11.1.1参照〕。
8.2. 無症候性も含め、特に投与初期には黄斑浮腫があらわれることがあるため、投与開始3~4ヵ月後に眼底検査を含む眼科学的検査を実施すること。また、本剤投与期間中には定期的に眼科学的検査を実施するとともに、患者が視覚障害を訴えた場合にも眼科学的検査を実施すること。黄斑浮腫が確認された場合には、投与を中断し、適切な処置を行うこと(回復後の投与再開については、治療上の有益性と危険性を慎重に評価した上で判断すること)〔1.1、9.1.3、11.1.2参照〕。
8.3. 本剤の漸増期間中は、心拍数低下、房室伝導遅延が生じることがあるため、本剤の投与開始前及び漸増期間中は次の8.3.1、8.3.2に注意すること。
8.3.1. 初回投与日の投与前及び投与後6時間は継続して、バイタルサイン及び心電図を測定すること。本剤投与後6時間以内に徐脈性不整脈に関連する徴候又は症状が認められた場合、第2度以上の房室ブロックや著明なQTc間隔延長が認められた場合、又は心拍数減少の最低値からの回復が認められていない場合は、さらに継続して心電図を測定すること。なお、4日以上連続して本剤を休薬した場合の投与再開日についても、初回投与日と同様に観察を行い、バイタルサイン及び心電図を測定すること。また初回投与後の経過に応じて、漸増期間(6日間)中は連続的に心電図を測定することを検討すること〔1.3、7.1、7.2、9.1.4、9.1.6、9.1.7、11.1.3、17.3.2参照〕。
8.3.2. 漸増期間中は心拍数が減少するため、患者又はその家族等に対し、失神、浮動性めまい、息切れなどの症状がみられた場合には主治医に連絡するよう指導すること。また、少なくとも投与開始7日目までは家庭で脈拍数を測定し、脈拍数が50bpm未満を示した場合にも主治医に連絡するよう指導すること。
臨床試験において、漸増時の初回投与日に、投与後1時間以内に脈拍数が減少し、約4時間後に最も低下し、投与6時間後までに回復傾向が認められた。投与後の日内の絶対心拍数(時間平均)は1日目に最も減少し、投与5~6日目にベースラインから最も減少するが、6日目以降に心拍数は増加し始め、投与後10日以内にプラセボと同程度に回復が認められた〔1.3、7.1、7.2、9.1.4、9.1.6、9.1.7、11.1.3、17.3.2参照〕。
8.4. 投与初期には、めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の作業をする際には注意させること〔11.1.3参照〕。
8.5. 肝機能検査値異常がみられることがあるので、本剤の投与開始前に肝機能検査(トランスアミナーゼ及びビリルビン等)を行うとともに、本剤投与期間中は定期的に肝機能検査を行うこと〔9.3肝機能障害患者の項参照〕。
8.6. 本剤投与中止後に、本剤が血中から消失するには最長で10日間かかる場合があり、末梢血リンパ球数減少などの薬力学作用は、最終投与後から最長で3~4週間持続する可能性があるため、投与終了後においても感染症に対する注意を継続すること〔1.2、10.2、11.1.1、16.1.1、16.1.2参照〕。
8.7. 血圧上昇があらわれることがあるので、定期的に血圧測定等を実施すること。
8.8. 本剤投与中に1秒努力呼気量減少(FEV1減少)及び肺一酸化炭素拡散能減少(DLCO減少)が認められることがあるので、呼吸器疾患の症状がみられた場合には呼吸機能検査を行うこと〔9.1.8参照〕。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. CYP2C9*1/*3を保有又はCYP2C9*2/*3を保有する患者:本剤の血中濃度が上昇する〔7.3、7.4、10.2、15.1.1、16.6.3参照〕。
9.1.2. 感染症のある患者:重度活動性感染症のある患者では、感染症が消失するまで本剤の投与開始を延期すること〔8.1.1-8.1.3、11.1.1参照〕。
9.1.3. 糖尿病、ブドウ膜炎、網膜疾患がある患者又はこれらの既往歴のある患者:黄斑浮腫が発現するリスクが増大するため、本剤投与開始前に眼科学的検査を実施し、投与中にも定期的な眼科学的検査を実施すること〔8.2、11.1.2参照〕。
9.1.4. 心拍数低下によるリスクが高い又は房室伝導の遅延によるリスクが高い次の患者[1)心停止、脳血管疾患、コントロール不良の高血圧症又は重度かつ未治療の睡眠時無呼吸の既往歴がある患者、2)洞性徐脈<心拍数55bpm未満>のある患者、3)第1度房室ブロック又はウェンケバッハ型第2度房室ブロック(モビッツ1型第2度房室ブロック)のある患者、4)心筋梗塞<6ヵ月以内に心筋梗塞発症を除く>又は心不全<6ヵ月以内に入院要す非代償性HF・NYHA3~4度HF発症除く>の既往歴がある患者、5)再発性失神又は症候性徐脈の既往歴がある患者]:本剤投与による有益性と危険性を考慮した上で、投与の可否を慎重に検討すること(本剤の投与を考慮する場合は、投与開始前に、患者の状態に応じた最適なモニタリング方法について、循環器を専門とする医師と相談すること)〔7.1、7.2、8.3.1、8.3.2、11.1.3、17.3.2参照〕(HF:心不全)。
9.1.5. QT延長がある患者又は不整脈原性を有することが知られているQT延長作用のある薬剤投与中の患者:本剤の投与を考慮する場合は、投与開始前に、患者の状態に応じた最適なモニタリング方法について、循環器を専門とする医師と相談すること(QT間隔が延長するおそれがある)〔10.2、11.1.4、17.3.1参照〕。
9.1.6. 心拍数減少作用のあるカルシウムチャネル拮抗薬投与中(ベラパミル、ジルチアゼム等)又は他の心拍数が減少する可能性のある薬剤投与中の患者:これらの薬剤を投与中の患者には、本剤の投与を避けることが望ましい(本剤の投与を考慮する場合は、心拍数減少作用のない薬剤への切替え又は投与開始時の患者の状態に応じた適切なモニタリング方法について、循環器を専門とする医師と相談すること)〔7.1、7.2、8.3.1、8.3.2、10.2、11.1.3参照〕。
9.1.7. β遮断薬を投与中の患者:長期にβ遮断薬投与中で安静時心拍数が50bpmを超える場合は、本剤の投与を開始してもよい。長期にβ遮断薬投与中で安静時心拍数が50bpm以下の場合は、β遮断薬を休薬し、ベースラインの心拍数が50bpmを超えた後に本剤の投与を開始してもよい(β遮断薬の投与は、本剤を維持用量まで漸増後に再開してもよい)〔7.1、7.2、8.3.1、8.3.2、10.2、11.1.3、16.7.4参照〕。
9.1.8. 重度呼吸器疾患を有する患者:症状が悪化するおそれがある〔8.8参照〕。
9.1.9. 痙攣発作又はその既往歴のある患者:痙攣をおこすおそれがある。
(肝機能障害患者)
肝機能障害患者:肝機能障害が悪化するおそれがある〔8.5、16.6.2参照〕。
(生殖能を有する者)
妊娠可能な女性:妊娠可能な女性に対しては、動物実験で本剤が発達中の胎仔に有害であることが示されていることを説明し、本剤の投与中及び投与中止後少なくとも10日間は適切な避妊法(妊娠率が1%未満の方法)を行うよう指導すること。また、本剤投与中に妊娠が確認された場合には直ちに投与を中止すること〔9.5妊婦の項参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと(動物実験において、胚毒性・胎仔毒性(ラット及びウサギ)及び催奇形性(ラット)が認められており、ラットでは吸収胚数増加、外表異常(異常回転肢及び口蓋裂)、内臓異常(巨心及び雄生殖器異常)並びに骨格異常(鎖骨形態異常)が、ウサギでは母動物で流産、胎仔吸収胚数増加並びに胎仔骨格変異増加及び胎仔内臓変異増加がみられている。これらの変化は、臨床用量(2mg)投与時のヒト曝露量の約2倍以上の曝露量で認められている)〔2.6、9.4生殖能を有する者の項参照〕。
(授乳婦)
授乳しないことが望ましい(ラットに本剤10mg/kgを単回経口投与したとき、本剤及びその代謝物が乳汁中に移行した)。
(小児等)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(相互作用)
本剤の主代謝酵素はCYP2C9(79.3%)であり、CYP3A4(18.5%)も寄与する〔16.4参照〕。
10.1. 併用禁忌:
1). 生ワクチン(乾燥弱毒性麻しんワクチン、乾燥弱毒性風しんワクチン、乾燥BCG等)〔2.7、8.1.4参照〕[生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので、本剤の投与中及び投与終了後最低4週間は接種を避けること(本剤は免疫系に抑制的に作用するため、生ワクチンを接種すると増殖し、病原性をあらわすおそれがある)]。
2). クラス1a抗不整脈剤(キニジン(硫酸キニジン)、プロカインアミド<アミサリン>、ジソピラミド<リスモダン>、シベンゾリン<シベノール>、ピルメノール<ピメノール>)、クラス3抗不整脈剤(アミオダロン<アンカロン>、ソタロール<ソタコール>、ニフェカラント<シンビット>)、ベプリジル塩酸塩<ベプリコール>〔2.8参照〕[Torsades de pointes等の重篤な不整脈を生じるおそれがある(本剤の投与により心拍数が減少するため、併用により不整脈を増強するおそれがある)]。
10.2. 併用注意:
1). 抗腫瘍薬、免疫抑制剤(ミトキサントロン等)〔8.6、11.1.1参照〕[過剰な免疫系の抑制により、感染症などのリスクが増大するおそれがあるので、これらの薬剤と併用する場合、及びこれらの薬剤の投与中止後数週間以内に本剤を投与する場合は注意すること(本剤の最終投与後3~4週間以内にこれらの薬剤を投与する場合も同様に注意すること)(相加的に免疫系に作用するリスクがある。なお、本剤と抗腫瘍薬又は免疫抑制剤との併用の試験は行われていない)]。
2). 多発性硬化症治療剤:
①. 多発性硬化症治療剤(インターフェロンβ、グラチラマー酢酸塩)〔8.6、11.1.1参照〕[過剰な免疫系の抑制により、感染症などのリスクが増大するおそれがある(インターフェロンβ又はグラチラマー酢酸塩であれば、通常、これらの薬剤の投与中止直後に本剤の投与を開始してもよい)、本剤の最終投与後3~4週間以内にこれらの薬剤を投与する場合も同様に注意すること(相加的に免疫系に作用するリスクがある。なお、本剤と他の多発性硬化症治療剤との併用の試験は行われていない)]。
②. 多発性硬化症治療剤(フマル酸ジメチル、フィンゴリモド塩酸塩、ナタリズマブ等)〔8.6、11.1.1参照〕[過剰な免疫系の抑制により、感染症などのリスクが増大するおそれがあるので、他の薬剤から本剤に切り替える場合は、他の薬剤の消失半減期及び作用機序を考慮すること(本剤の最終投与後3~4週間以内にこれらの薬剤を投与する場合も同様に注意すること)(相加的に免疫系に作用するリスクがある。なお、本剤と他の多発性硬化症治療剤との併用の試験は行われていない)]。
3). 心拍数を低下させる可能性のある薬剤(ジゴキシン等)、心拍数減少作用のあるカルシウムチャネル拮抗薬(ベラパミル、ジルチアゼム等)、不整脈原性を有することが知られているQT延長作用のある薬剤〔9.1.5、9.1.6、11.1.3、11.1.4参照〕[心拍数の減少により、徐脈・QT延長・房室ブロックなどの徐脈性不整脈が発現するおそれがあるので、本剤の投与開始時に、これらの薬剤と併用しないことが望ましい(心拍数に対して潜在的な相加作用がある)]。
4). β遮断薬(アテノロール、プロプラノロール等)〔9.1.7、11.1.3、11.1.4、16.7.4参照〕[心拍数の減少により、徐脈・QT延長・房室ブロックなどの徐脈性不整脈が発現するおそれがあるので、β遮断薬を投与中の患者に、本剤の投与を開始する場合は注意すること(なお、本剤の維持用量を投与されている患者には、β遮断薬の投与を開始してもよい)(心拍数減少に相加的な作用がある)]。
5). 不活化ワクチン〔8.1.4参照〕[ワクチン接種の効果が減弱するおそれがあるので、本剤の投与中及び投与終了後最低4週間は不活化ワクチンの接種を避けること(本剤は免疫系に抑制的に作用するため、ワクチン接種の効果が減弱する可能性があり、4価インフルエンザワクチン接種1週間前~4週間後まで本剤を休薬した場合奏効率はプラセボと比較し低下しないが本剤の休薬期間を短くした場合(ワクチン接種10日前~2週間後まで)及び本剤投与中にワクチン接種した場合奏効率はプラセボと比較し約15~30%低下した)]。
6). 中程度のCYP2C9阻害作用かつ中程度のCYP3A4阻害作用を有する薬剤(フルコナゾール等)〔9.1.1、15.1.1、16.6.3、16.7.1参照〕[本剤の曝露量が増加し副作用が発現するおそれがあるため、併用しないことが望ましい(本剤の代謝が阻害され曝露量が増加する)]。
7). 中程度のCYP2C9阻害作用を有する薬剤と中程度以上のCYP3A4阻害作用を有する薬剤(中程度のCYP2C9阻害作用を有する薬剤と中程度以上のCYP3A4阻害作用を有する薬剤の両方を併用)〔9.1.1、15.1.1、16.6.3、16.7.1参照〕[本剤の曝露量が増加し副作用が発現するおそれがあるため、併用しないことが望ましい(本剤の代謝が阻害され曝露量が増加する)]。
8). 中程度のCYP2C9阻害作用を有する薬剤(ブコローム等)〔9.1.1、15.1.1、16.6.3参照〕[本剤の曝露量が増加し副作用が発現するおそれがあるため、併用しないことが望ましい(本剤の代謝が阻害され曝露量が増加する)]。
9). 中程度のCYP2C9誘導作用かつ強力なCYP3A4誘導作用を有する薬剤(カルバマゼピン、リファンピシン等)〔9.1.1、15.1.1、16.6.3、16.7.2参照〕[本剤の曝露量が低下し有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤と併用する際には注意すること(本剤の代謝が促進され曝露量が低下する)]。
10). 中程度のCYP2C9誘導作用を有する薬剤と強力なCYP3A4誘導作用を有する薬剤(中程度のCYP2C9誘導作用を有する薬剤と強力なCYP3A4誘導作用を有する薬剤の両方を併用)〔9.1.1、15.1.1、16.6.3、16.7.2参照〕[本剤の曝露量が低下し有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤と併用する際には注意すること(本剤の代謝が促進され曝露量が低下する)]。
11). 中程度以上のCYP3A4誘導作用を有する薬剤(エファビレンツ等)〔9.1.1、15.1.1、16.6.3、16.7.5参照〕[本剤の曝露量が低下し有効性が減弱するおそれがあるので、CYP2C9*1/*3を保有又はCYP2C9*2/*3を保有する患者では、これらの薬剤と併用する際には注意すること(本剤の代謝が促進され曝露量が低下する)]。
(過量投与)
13.1. 処置
本剤の初回投与時又は漸増期間中に過量投与した場合は、徐脈の徴候及び症状の観察を行い、入院下での経過観察も考慮すること(経過観察中は、脈拍数及び血圧を定期的に測定し、心電図も測定すること)。
なお、過量投与時、本剤は透析又は血漿交換でほとんど除去されない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.1.2. 貯法は2~8℃であるが、薬剤交付後は25℃以下で保存可能である(8℃を超え25℃以下で保存する場合には、3ヵ月以内に使用するよう指導する)。
(その他の注意)
15.1. 臨床使用に基づく情報
15.1.1. 遺伝子型CYP2C9*3/*3の頻度は、白人では約0.3~0.4%で、他の人種ではそれより少ない。日本人におけるCYP2C9遺伝子型の頻度は、それぞれ、CYP2C9*1/*1:95~96%、CYP2C9*1/*3:4~5%、CYP2C9*3/*3:0~0.1%、CYP2C9*1/*2、CYP2C9*2/*2及びCYP2C9*2/*3:0%である〔7.3、7.4、9.1.1、10.2、16.6.3参照〕。
15.1.2. 他のS1P受容体調節薬で、投与中止後に重度の疾患増悪が報告されている。
(保管上の注意)
2~8℃。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 感染症:帯状疱疹(2.6%)、クリプトコッカス性髄膜炎(頻度不明)等の感染症があらわれることがあるので、感染症の症状がみられた場合には、本剤の投与中断を考慮するとともに、適切な診断及び処置を行うこと。また、重篤な感染症が認められた場合には本剤を休薬又は中止し、適切な処置を行うこと〔1.2、2.2、8.1.1-8.1.4、8.6、9.1.2、10.2参照〕。
11.1.2. 黄斑浮腫(1.3%):異常が認められた場合には眼科学的検査を実施し、黄斑浮腫が確認された場合には、投与を中断すること(ほとんどの黄斑浮腫が、本剤の投与開始後3~4ヵ月以内にみられたが、6ヵ月以上投与された患者でも報告されている)〔1.1、8.2、9.1.3参照〕。
11.1.3. 徐脈性不整脈(徐脈:5.5%、房室ブロック<第1度>及び房室ブロック<第2度>:1.6%):本剤の投与開始で一過性心拍数減少があらわれ、房室伝導遅延を伴うことがある〔1.3、2.3、2.4、7.1、7.2、8.3.1、8.3.2、8.4、9.1.4、9.1.6、9.1.7、10.2、17.3.2参照〕。
11.1.4. QT間隔延長(0.2%)〔2.5、9.1.5、10.2、17.3.1参照〕。
11.1.5. 悪性リンパ腫(頻度不明)。
11.1.6. 末梢動脈閉塞性疾患(頻度不明):四肢疼痛、しびれ等の症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.7. 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明):本剤の投与中及び投与中止後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.8. 可逆性後白質脳症症候群(頻度不明):他のスフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体調節薬で、可逆性後白質脳症症候群が報告されているため、本剤の投与中及び投与中止後は患者の状態を十分に観察し、頭痛、意識障害、痙攣、視力障害等の症状があらわれた場合は、MRI等による画像診断を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 良性、悪性及び詳細不明の新生物(嚢胞及びポリープを含む):(1~5%未満)メラノサイト性母斑。
2). 血液及びリンパ系障害:(5%以上)リンパ球減少症。
3). 神経系障害:(1~5%未満)頭痛、浮動性めまい、(1%未満)痙攣発作、振戦。
4). 血管障害:(5%以上)高血圧。
5). 胃腸障害:(1~5%未満)悪心、下痢。
6). 筋骨格系及び結合組織障害:(1%未満)四肢痛。
7). 一般・全身障害及び投与部位の状態:(1~5%未満)末梢性浮腫、(1%未満)無力症。
8). 臨床検査:(5%以上)肝機能検査値上昇、(1~5%未満)肺機能検査値低下。
薬物動態
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人(40例)に本剤0.5、2.5、5、10mg注)を単回経口投与したとき、投与約4時間後(中央値)に最高血漿薬物濃度(Cmax)に到達した。消失半減期(t1/2)は28.5~39.7時間であった。Cmax及び血漿中薬物濃度-時間曲線下面積(AUC)は用量に比例して増加した。[8.6参照]
本剤0.5、2.5、5、10mgを単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度推移(n=8、幾何平均値)
<<図省略>>
本剤0.5、2.5、5、10mgを単回経口投与したときの血漿中薬物動態パラメータ
<<表省略>>
16.1.2 反復投与
健康成人(50例)に本剤0.3mg~20mg注)を1日1回反復経口投与したとき、投与4時間後(中央値)にCmaxに到達した。t1/2は68.8~110時間であった。血漿中トラフ濃度は約6日で定常状態に達し、累積率は約2~3倍であった。Cmax及びAUCは用量に比例して増加した。
健康成人(304例)に本剤2mgを6日間の漸増期間を設け1日1回反復経口投与したとき、投与開始10日目には定常状態に到達し、Cmax及びAUCtauはそれぞれ30.4ng/mL及び558ng・h/mLであった(外国人データ)。
二次性進行型多発性硬化症患者(1,651例)に6日間の漸増期間を設け本剤2mgを1日1回反復経口投与したときの定常状態における血漿中トラフ濃度は次表のとおりであった。[8.6参照]
本剤2mgを反復経口投与したときの血漿中トラフ濃度
<<表省略>>
16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
健康成人(16例)に本剤0.25mgを単回経口投与したときのバイオアベイラビリティは約84%であった(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
健康成人(60例)に本剤0.25又は4mg注)を空腹時又は高脂肪食摂取後30分に単回経口投与したとき、Cmax、AUC及びt1/2に食事の影響は認められなかった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 体組織への分布
健康成人(15例)に本剤0.25mgを3時間点滴静脈内投与したときの分布容積は124Lであった。
16.3.2 血漿中分布率
シポニモドの全血におけるin vitro血漿中分布率は68%であった。
16.3.3 血漿タンパク結合率
シポニモドのex vivo血漿蛋白結合率は99.9%を上回った。
16.3.4 血液-脳関門通過性
動物試験の結果、シポニモドの血液脳関門の通過は速やかであった。
16.4 代謝
本剤の主な代謝酵素はチトクロームP450(CYP)2C9(代謝における寄与率:79.3%)であり、その他CYP3A4(代謝における寄与率:18.5%)が関与する。[10.参照]
16.5 排泄
本剤は主に代謝、その後の胆汁及び糞中排泄により全身循環から消失した。健康成人(4例)に、14C標識した本剤10mg注)を単回経口投与したとき、糞中には投与放射能の9.2%が未変化体として排泄され、45.1%が主代謝物M5(水酸化代謝物)として排泄された。また尿中には未変化体は認められず、投与放射能の2.1%が主代謝物M3(M5のグルクロン酸抱合体)として排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害者における薬物動態
高度(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)の腎機能障害者(8例)並びに健康成人(8例)に本剤0.25mgを単回経口投与したとき、高度の腎機能障害者の総シポニモド(血漿蛋白非結合型+血漿蛋白結合型)及び非結合型シポニモドのCmaxは、健康成人と同程度であったが、AUCは1.24倍(90%信頼区間:0.90、1.72)及び1.33倍(90%信頼区間:1.02、1.75)高かった。健康成人及び高度の腎機能障害者の総シポニモドのt1/2はそれぞれ、25.4及び36.2時間であった(外国人データ)。
16.6.2 肝機能障害者における薬物動態
軽度(Child-Pughスコア5~6)、中等度(Child-Pughスコア7~9)及び高度(Child-Pughスコア10~15)の肝機能障害者(24例)並びに健康成人(14例)に本剤0.25mgを単回経口投与したとき、肝機能障害による総シポニモドの薬物動態への影響は認められなかった。非結合型シポニモドのAUCは、軽度の肝機能障害による影響は認められなかったが、中等度及び高度の肝機能障害者では、健康成人よりもAUCがそれぞれ1.15倍(90%信頼区間:1.05、1.27)及び1.50倍(90%信頼区間:0.968、2.33)高かった。Cmaxは軽度、中等度、高度でそれぞれ1.22倍(90%信頼区間:0.953、1.57)、1.17倍(90%信頼区間:1.08、1.27)及び1.11倍(90%信頼区間:0.878、1.40)高かった。t1/2は肝障害者と健康成人で同程度であった(外国人データ)。[9.3参照]
16.6.3 CYP2C9遺伝子型
CYP2C9の遺伝子型*1/*1、*2/*3及び*3/*3を保有する健康成人(24例)に本剤0.25mgを単回経口投与したとき、*2/*3及び*3/*3を保有する健康成人のシポニモドのAUCは、*1/*1を保有する健康成人に比べて、それぞれ2.05倍(90%信頼区間:1.71、2.45)及び3.84倍(90%信頼区間:3.22、4.59)高かった(Cmaxはそれぞれ1.21倍[90%信頼区間:1.02、1.44]及び1.16倍[90%信頼区間:0.98、1.37]高かった)。*1/*1、*2/*3及び*3/*3を保有する健康成人におけるシポニモドのt1/2はそれぞれ28、51及び126時間であった(外国人データ)。
二次性進行型多発性硬化症患者を対象とした母集団薬物動態解析から、CYP2C9*1/*1及び*1/*2を保有する被験者のCL/Fが3.11L/hと推定されたのに対し、*2/*2、*1/*3、*2/*3を保有する被験者ではそれぞれ2.5、1.9及び1.6L/hと推定された。AUCはそれぞれ1.25、1.61、1.91倍に増加すると予測された。
また、第I相及び第II相試験結果を用いた母集団薬物動態解析から、*3/*3を保有する被験者のCL/Fは0.9L/hと推定され、AUCは3.84倍に増加すると予測された。[7.3、7.4、9.1.1、10.2、15.1.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 フルコナゾール
健康成人(14例)に、フルコナゾール200mgを19日間1日1回反復経口投与し(1日目は1日2回投与)、3日目に本剤4mg注)を併用で単回経口投与したとき、シポニモドのCmaxは同程度であったが、AUCは1.98倍(90%信頼区間:1.87、2.10)に増加し、t1/2は1.51倍(90%信頼区間:1.34、1.71)に延長した(外国人データ)。
生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション結果から、フルコナゾール200mgを19日間1日1回反復経口投与し(1日目は1日2回投与)、3日目に本剤4mgを併用で単回経口投与したとき、本剤の曝露量は最大で約2.7倍に増加すると予測された。[10.2参照]
16.7.2 リファンピシン
健康成人(16例)に、本剤2mgを5日間の漸増期間を設け24日間(漸増投与期間を含む)1日1回反復経口投与し、13日目からリファンピシン600mgを併用で1日1回12日間反復経口投与したとき、Cmaxが45%(90%信頼区間:42、48)減少し、AUCが57%(90%信頼区間:55、59)減少した(外国人データ)。
生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション結果から、本剤2mgを単独で12日間1日1回反復経口投与したときと、リファンピシン600mgを1日2回併用投与したときで比較すると、本剤の曝露量は最大で76%低下すると予測された。[10.2参照]
16.7.3 経口避妊薬
健康成人女性(24例)に経口避妊薬(エチニルエストラジオール30μg及びレボノルゲストレル150μgの配合剤)を21日間反復投与し、その後本剤4mg注)を6日間の漸増期間を設け27日間(漸増投与期間を含む)1日1回反復経口投与し、7日目から経口避妊薬を21日間併用反復投与した。経口避妊薬の薬物動態及び薬力学的作用に臨床的に重要な影響は認められなかった。経口避妊薬の効果は本剤併用下でも保たれた(外国人データ)。
16.7.4 プロプラノロール
健康成人(76例)に、本剤2mgを5日間の漸増期間を設け20日間(漸増投与期間を含む)1日1回反復経口投与し、11日目からプロプラノロール80mgを併用で1日1回10日間反復経口投与、又はプロプラノロール80mgを20日間1日1回反復経口投与し、11日目から本剤2mgを5日間の漸増期間を設け10日間(漸増投与期間を含む)1日1回反復経口投与し、本剤とプロプラノロールの併用投与の負の変時作用を評価した。本剤の定常状態時にプロプラノロールを併用投与したときは相加的な心拍数減少は認められなかったのに対し、プロプラノロールの定常状態時に本剤を併用投与したときの心拍数の減少は相加的であった(外国人データ)。[9.1.7、10.2参照]
16.7.5 生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション(エファビレンツ)
生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション結果から、本剤2mgを単独で12日間1日1回反復経口投与したときと、エファビレンツ600mgを1日1回併用投与したときで、本剤の曝露量はCYP2C9*1/*3及び*2/*3を保有する患者で、それぞれ51%及び44%低下すると予測された。[10.2参照]
注)本剤の承認用量(維持用量)は2mgである。
臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際共同第III相試験
二次性進行型多発性硬化症患者(1,645例、うち日本人患者23例)を対象として、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。
二次性進行型多発性硬化症患者を「時折みられる再発、軽微な寛解及び停滞期を伴うことはあっても、発症初期の再発寛解型の疾患経過後に進行型の経過を示す病型」と定義し、「再発とは無関係な神経学的障害の増大(6ヵ月以上持続)」及び「Expanded Disability Status Scale(EDSS)が3.0以上6.5以下で、試験開始前2年間にEDSSに基づく障害進行が認められた患者」が選択基準として設定された。
本剤2mg/日又はプラセボを2:1の比で割り付け、最初の患者が無作為化されてから3年経過した時点で終了とした。なお、本剤の投与開始時の心臓への影響を軽減させるため、本剤の用法及び用量は、1及び2日目に0.25mg、3日目に0.5mg、4日目に0.75mg、5日目に1.25mg、6日目以降は2mgが1日1回経口投与され、漸増期間の6日間は朝に経口投与された。
主要評価項目であるEDSSに基づく3ヵ月持続する障害進行は次表のとおりであり、本剤群においてプラセボ群と比較して障害進行の発現リスクが21.2%減少した(p=0.0134)。
EDSSに基づく3ヵ月持続する障害進行の群間比較
<<表省略>>
Kaplan-Meier法で推定したEDSSに基づく3ヵ月持続する障害進行の累積発現率は添付文書の図のとおりであり、本剤群ではプラセボ群に比べ障害進行が有意に遅延した(p=0.0129、log-rank検定)。
Kaplan-Meier法で推定した3ヵ月持続する障害進行の累積発現率
<<図省略>>
年間再発率(副次的評価項目)の負の二項回帰モデルによる推定値は次表のとおりであり、本剤群において、プラセボ群と比較して年間再発率が55.5%低下した(p<0.0001)。
年間再発率の群間比較
<<表省略>>
コアパートでの副作用発現率は、本剤群で47.7%(524/1,099例)であった。主な副作用は、頭痛5.3%(58/1,099例)、高血圧4.5%(50/1,099例)、徐脈4.5%(49/1,099例)等であった。[5.1参照]
17.3 その他
17.3.1 QT間隔に対する作用
健康成人(304例)に本剤2mg及び10mg注)又はプラセボを漸増期間を設け1日1回反復投与したとき、時間を一致させたベースライン値及びプラセボ群の値で補正したQTcF変化量(ΔΔQTcF)の平均値と両側90%信頼区間は、本剤投与3時間後に最大値(2mg群で7.83msec[5.80、9.86]、10mg群で7.20msec[4.72、9.69])を示し、両側90%信頼区間の上限は閾値の10msecを下回った。なお、国際共同第III相試験では、500msec超又はベースラインから60msec超のQTcF延長を示した患者が本剤群で、各々、漸増期間に0.1%及び0.3%、維持期間に0%及び0.3%認められた。[9.1.5、11.1.4参照]
17.3.2 心拍数に対する作用
健康成人(各14例)を対象にシポニモドを0.25mg及び10mg注)を反復経口投与したとき、心拍数は次のように推移した(外国人データ)。[1.3、2.3、2.4、7.1、7.2、8.3.1、8.3.2、9.1.4、11.1.3参照]
<<図省略>>
注)本剤の承認用量は、1日目と2日目は0.25mg、維持用量は2mgである。
薬効薬理
18.1 作用機序
シポニモドは5種類のスフィンゴシン1-リン酸(S1P)受容体サブタイプのうちS1P1及びS1P5受容体に選択性を示す。S1P1受容体に結合し内在化を誘導することで、S1P1受容体の機能的アンタゴニストとして作用する。S1P5受容体に結合するものの、内在化を誘導せず、S1P5受容体のアゴニストとして作用する。
18.2 二次リンパ組織からのリンパ球の移出抑制作用
シポニモドはS1P1受容体に対する機能的アンタゴニスト作用により二次リンパ組織からのリンパ球の移出を抑制し、血中リンパ球数を減少させる。自己反応性リンパ球も同様に二次リンパ組織からの移出が抑制されるため、中枢神経系(CNS)局所への浸潤が抑制される。
18.3 中枢神経系(CNS)に対する保護作用
シポニモドはCNSへの移行性を有し、in vitroの検討においてS1P1受容体を介してアストロサイトの活性化を抑制すること、及びin vitro又はアフリカツメガエルのオタマジャクシの検討においてS1P5受容体を介してオリゴデンドロサイトの再ミエリン化を促進することが明らかにされている。
18.4 実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)に対する作用
多発性硬化症の動物モデルであるマウスの慢性型EAEにおいて、血中リンパ球数に有意な影響を与えない用量を脳室内投与したとき、シポニモドは神経症状スコアを改善し、CNSに対して直接的な神経保護作用を示した。
類似した薬効の薬
医師の処方により使用する医薬品。
