ヨビパス皮下注420μgペン
医療用
医療用医薬品:
医師の処方により使用する医薬品
医師の処方により使用する医薬品
医薬品コード(YJコード):2439404G3020
- 収載区分
- 銘柄別収載
- 先発・後発情報
- 先発品(後発品なし)
- オーソライズド
ジェネリック - -
- 一般名
- パロペグテリパラチドキット
- 英名(商品名)
- Yorvipath
- 規格
- 420μg1.4mL1キット
- 薬価
- 596,310.00
- メーカー名
- 帝人ファーマ
- 規制区分
- -
- 長期投与制限
- 14日(2026年10月末まで)
- 標榜薬効
- 副甲状腺機能低下症治療薬〔副甲状腺ホルモン(PTH)〕
- 色
- -
- 識別コード
- -
- [@: メーカーロゴ]
- 添付文書
-
PDF 2025年11月改訂(第2版)
- 告示日
- 2025年10月21日
- 経過措置期限
- -
- 医薬品マスタに反映
- 2025年11月版
- 医薬品マスタ削除予定
- -
- 運転注意
-
注意情報あり(使用の適否を判断するものではありません)注意
- ドーピング
- 禁止物質なし(使用の適否を判断するものではありません)
- CP換算
- -
- 長期収載品選定療養
- -
[識別コードの表記 @: メーカーロゴ]
改訂情報
-
効能効果
副甲状腺機能低下症。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 活性型ビタミンD製剤やカルシウム剤による治療を受けている患者に対して、本剤の投与を検討すること〔7.1参照〕。
5.2. 副甲状腺ホルモン分泌不全の患者に対して、本剤の投与を検討すること。偽性副甲状腺機能低下症の患者では、副甲状腺ホルモンに対する反応性が低下しており本剤の効果が期待できないため、本剤の投与前に血中PTH濃度を測定する等、適切に鑑別診断を行うこと。
用法用量
通常、成人には、パロペグテリパラチドを、PTH(1-34)として1回18μgを開始用量とし、1日1回、皮下注射する。以後、患者の血清カルシウム濃度の十分な管理のもとに、1日1回6~60μgの範囲で適宜用量を増減して皮下投与するが、増量又は減量は3μgずつ行うこと。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 活性型ビタミンD製剤やカルシウム剤による治療により患者の血清カルシウム濃度が基準範囲内又はわずかに下回る状態(目安として7.8~10.6mg/dL)となっていることを確認した上で、本剤を投与すること〔5.1参照〕。
7.2. 本剤の投与開始時には、次を参考に活性型ビタミンD製剤及びカルシウム剤の投与量を調節すること。
7.2.1. 投与開始時に活性型ビタミンD製剤を投与している場合
・ 投与開始時に活性型ビタミンD製剤を投与しており、血清カルシウム濃度が8.3mg/dL以上の場合、本剤の初回投与時に活性型ビタミンD製剤の投与の中止を検討すること。
・ 投与開始時に活性型ビタミンD製剤を投与しており、血清カルシウム濃度が8.3mg/dL未満の場合、本剤の初回投与時に活性型ビタミンD製剤を本剤の投与開始前の用量の50%を下限に減量すること。
・ 投与開始時に活性型ビタミンD製剤とカルシウム剤を投与している場合、カルシウム剤の用量は維持すること。
7.2.2. 投与開始時に活性型ビタミンD製剤を投与しておらず、カルシウム剤を投与している場合
・ 投与開始時に活性型ビタミンD製剤を投与しておらず、カルシウム剤を投与しており、カルシウム剤の用量が1500mg/日超の場合、本剤の初回投与時にカルシウム剤を1500mg/日を下限に減量すること。
・ 投与開始時に活性型ビタミンD製剤を投与しておらず、カルシウム剤を投与しており、カルシウム剤の用量が1500mg/日以下の場合、本剤の初回投与時にカルシウム剤の投与を中止すること(ただし、食事から十分なカルシウムを摂取できない場合は、カルシウム剤を600mg/日以下の用量で投与することを検討すること)。
7.3. 本剤の初回投与後、及び本剤、活性型ビタミンD製剤又はカルシウム剤の投与量を変更した後は、7~14日後を目安に血清カルシウム濃度を測定し、次を参考に、血清カルシウム濃度が正常範囲内に維持されるように、本剤、活性型ビタミンD製剤又はカルシウム剤の投与量を調節すること〔8.1、11.1.1参照〕。
[本剤、活性型ビタミンD製剤及びカルシウム剤の投与量調節方法]
1). 血清カルシウム濃度8.3mg/dL未満:
①. 血清カルシウム濃度8.3mg/dL未満で、本剤投与開始又は用量変更から7日以上経過している:カルシウム剤及び活性型ビタミンD製剤は同じ用量を継続、本剤の用量を3μgずつ増量。
②. 血清カルシウム濃度8.3mg/dL未満で、本剤投与開始又は用量変更から7日以上経過していない:医師の判断に基づき、カルシウム剤及び/又は活性型ビタミンD製剤を以前の用量に向けて増量、本剤は同じ用量で継続。
2). 血清カルシウム濃度8.3mg/dL以上~10.6mg/dL以下:
①. 血清カルシウム濃度8.3mg/dL以上~10.6mg/dL以下で、本剤投与開始又は用量変更から7日以上経過しており、活性型ビタミンD製剤の服用あり:活性型ビタミンD製剤を減量又は中止し、本剤を3μgずつ増量。
②. 血清カルシウム濃度8.3mg/dL以上~10.6mg/dL以下で、本剤投与開始又は用量変更から7日以上経過しており、活性型ビタミンD製剤の服用なし・カルシウム剤の服用あり(1日あたり1500mg以上):カルシウム剤の用量は1日あたり1500mgを下限に減量、本剤は3μgずつ増量。
③. 血清カルシウム濃度8.3mg/dL以上~10.6mg/dL以下で、本剤投与開始又は用量変更から7日以上経過しており、活性型ビタミンD製剤の服用なし・カルシウム剤の服用あり(1日あたり1500mg未満):カルシウム剤を中止し、本剤を3μgずつ増量。
④. 血清カルシウム濃度8.3mg/dL以上~10.6mg/dL以下で、本剤投与開始又は用量変更から7日以上経過しており、活性型ビタミンD製剤の服用なし・カルシウム剤の服用なし:本剤は同じ用量で継続。
⑤. 血清カルシウム濃度8.3mg/dL以上~10.6mg/dL以下で、本剤投与開始又は用量変更から7日以上経過していない:本剤、カルシウム剤及び活性型ビタミンD製剤は同じ用量を継続。
3). 血清カルシウム濃度10.7mg/dL以上~12.0mg/dL未満:
①. 血清カルシウム濃度10.7mg/dL以上~12.0mg/dL未満で、活性型ビタミンD製剤の服用あり:活性型ビタミンD製剤を減量又は中止し、本剤及びカルシウム剤は同じ用量を継続。
②. 血清カルシウム濃度10.7mg/dL以上~12.0mg/dL未満で、活性型ビタミンD製剤の服用なし・カルシウム剤の服用あり(1日あたり1500mg以上):カルシウム剤の用量は1日あたり1500mgを下限に減量し、本剤は同じ用量を継続。
③. 血清カルシウム濃度10.7mg/dL以上~12.0mg/dL未満で、活性型ビタミンD製剤の服用なし・カルシウム剤の服用あり(1日あたり1500mg未満):カルシウム剤を中止し、本剤は同じ用量を継続。
④. 血清カルシウム濃度10.7mg/dL以上~12.0mg/dL未満で、活性型ビタミンD製剤の服用なし・カルシウム剤の服用なし:本剤を3μgずつ減量。
7.4. 本剤の用量調節にあたっては、次の点に留意すること。
・ 血清カルシウム濃度が12.0mg/dL以上となった場合は、本剤を2~3日間を目安に休薬すること(その後、治療を再開する場合は、血清カルシウム濃度が12.0mg/dL未満となったことを確認した上で、7.3を参考に、患者の血清カルシウム濃度及び休薬前の本剤の用量に基づき、本剤、活性型ビタミンD製剤及びカルシウム剤の用量を調節すること)〔8.1、11.1.1参照〕。
・ 投与を忘れた場合には、気付いた時点で直ちに投与する(ただし、1日に2回の投与は行わない)。
・ 本剤の投与を3日以上休薬した場合は、低カルシウム血症の徴候・症状がないか確認し、血清カルシウム濃度の測定を検討すること。本剤による治療を再開する場合は、休薬前の用量から投与を開始し、その後は7.3を参考に、患者の血清カルシウム濃度に基づき、本剤、活性型ビタミンD製剤及びカルシウム剤の用量を調節すること。
7.5. 低アルブミン血症(血清アルブミン濃度が4.0g/dL未満)がある場合には、補正カルシウム濃度*を指標に用量を調節すること。
*)補正カルシウム濃度(mg/dL)=血清カルシウム濃度(mg/dL)-血清アルブミン濃度(g/dL)+4.0。
警告・禁忌・相互作用・その他の注意
(禁忌)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
8.1. 高カルシウム血症があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血清カルシウム濃度を測定すること〔7.3、7.4、10.2、11.1.1参照〕。
8.2. 本剤の効果を十分に発揮させるため、ビタミンDが欠乏していない状態で本剤を投与することが望ましい。本剤の投与前及び投与期間中にビタミンD欠乏が疑われる場合は、ビタミンDに関する栄養指導や生活指導等の実施を考慮すること。
8.3. 起立性低血圧、めまい、立ちくらみ等があらわれることがあるので、高所での作業、自動車の運転等危険が伴う作業に従事する場合には注意させること。
8.4. 本剤の自己注射にあたっては、次の点に留意すること。
・ 本剤の自己注射にあたっては、投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。
・ 本剤の自己注射にあたっては、全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。
・ 本剤の自己注射にあたっては、添付されている取扱説明書を必ず読むよう指導すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 骨肉腫発生のリスクが高いと考えられる患者:次のような骨肉腫発生のリスクが高いと考えられる患者に対しては、患者のベネフィットとリスクを考慮して本剤の投与の可否を検討すること[1)悪性骨腫瘍及び転移性骨腫瘍のある患者、2)骨に対する放射線療法中又は骨に対する放射線療法後の患者、3)原因不明のアルカリホスファターゼ高値を示す患者、4)骨ページェット病の患者]〔15.2.1、15.2.2参照〕。
(腎機能障害患者)
9.2.1. 重度腎機能障害患者(eGFRが30mL/min/1.73㎡未満):特に投与開始時に高カルシウム血症を起こす可能性があることから、投与開始後は血清カルシウム濃度や患者の状態を十分に観察すること(重度腎機能障害を有する又は透析中の副甲状腺機能低下症患者を対象とした臨床試験は実施していない)〔16.6.1参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること〔15.2.3参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤の乳汁中への移行に関するデータはない)。
(小児等)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(高齢者)
一般に生理機能が低下している。
(相互作用)
10.2. 併用注意:
1). ジギタリス製剤(ジゴキシン)〔8.1、11.1.1参照〕[高カルシウム血症に伴い不整脈があらわれることがある(血清カルシウム値が上昇すると、ジギタリスの作用が増強される)]。
2). ビスホスホネート系製剤(アレンドロン酸ナトリウム水和物、イバンドロン酸ナトリウム水和物、リセドロン酸ナトリウム水和物等)、デノスマブ、ロモソズマブ等〔8.1、11.1.1参照〕、テリパラチド製剤〔8.1、11.1.1参照〕、アバロパラチド酢酸塩製剤〔8.1、11.1.1参照〕、ループ系利尿薬(フロセミド、アゾセミド、トラセミド等)、サイアザイド系利尿薬(トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等)、サイアザイド系類似利尿薬(インダパミド等)〔8.1、11.1.1参照〕、全身性コルチコステロイド薬(全身性プレドニゾロン、全身性デキサメタゾン、全身性ベタメタゾン等)〔8.1、11.1.1参照〕、リチウム製剤(炭酸リチウム)〔8.1、11.1.1参照〕[本剤による血清カルシウム濃度の正常化が阻害され本剤の治療効果に影響を与える可能性がある(これらの薬剤は血清カルシウムや骨代謝に影響を及ぼし、本剤の治療効果に影響を与える可能性がある)]。
(過量投与)
13.1. 症状
過量投与時、高カルシウム血症、起立性低血圧、悪心、嘔吐、めまい、頭痛等が起こる可能性がある。
13.2. 処置
過量投与時、特異的な解毒薬はない(血清カルシウム濃度を測定し、輸液等の適切な処置を行うこと)。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤投与前の注意
14.1.1. 本剤はJIS T 3226-2に適合するA型専用注射針を用いて使用すること。注射針は毎回新しいものを、必ず注射直前に取り付けること。
14.1.2. 本剤とA型専用注射針との装着時に液漏れ等の不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替える等の処置方法を患者に十分指導すること。
14.1.3. カートリッジにひびが入っている場合又は液が変色している場合は使用しないこと。
14.2. 薬剤投与時の注意
14.2.1. 投与部位
(1). 腹部又は大腿前部に皮下注射すること。注射部位は毎回変更し、同一部位に短期間に繰り返し注射しないこと。
(2). 本剤の1日用量が30μgを超える場合は、2本のペン型注入器を用いて、異なる注射部位に1回ずつ計2回投与すること。
14.2.2. 投与時:注射時は注入ボタンを5秒間押し続けること。
14.2.3. その他
(1). 1本のペン型注入器の本剤を複数の患者に使用しないこと。
(2). 他の薬剤と混合しないこと。
(その他の注意)
15.2. 非臨床試験に基づく情報
15.2.1. 雌雄ラットに本薬を皮下投与した反復投与毒性試験において、2μg/kg/日及び5μg/kg/日(5μg/kg/日投与時の遊離PTHのAUC比はヒトに本剤60μg/日を投与した場合の約2倍)で骨吸収作用を示唆する変化(鼻骨空隙率増加等)が、10μg/kg/日以上(遊離PTHのAUC比は、ヒトに本剤60μg/日を投与した場合の約5倍以上)では骨形成作用を示唆する変化(大腿骨骨増加・胸骨骨増加等)が認められた。また、20μg/kg/日(遊離PTHのAUC比はヒトに本剤60μg/日を投与した場合の約9倍)で骨端線異常(骨端線異形成)が認められた〔9.1.1参照〕。
15.2.2. 本薬のがん原性試験は実施されていない。テリパラチド製剤(骨粗鬆症治療剤)では、雌雄ラットに皮下投与したがん原性試験において、骨肉腫を含む骨腫瘍性病変の発生頻度が増加したとの報告がある〔9.1.1参照〕。
15.2.3. テリパラチド(遺伝子組換え)の動物試験では、ウサギで胎仔毒性(胚死亡)が、マウスで胎仔骨格変異又は胎仔骨格異常のわずかな増加が、ラットで出生仔体重増加抑制及び出生仔自発運動量低下が認められている。ラットに本薬30μg/kg/日又はウサギに本薬6μg/kg/日(遊離PTHのAUC比は、ヒトに本剤60μg/日を投与した場合と比較して、それぞれ約7.9倍及び6.6倍)を投与した試験では、胚・胎仔発生への影響を示唆する所見は認められていない〔9.5妊婦の項参照〕。
(取扱い上の注意)
使用開始後はキャップにより遮光して室温(30℃以下)に保管し、2週間以内に使用する(残った場合は廃棄する)。
(保険給付上の注意)
本剤は新医薬品であるため、厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、2026年10月末日までは、投薬は1回14日分を限度とされている。
(保管上の注意)
凍結を避けて、2~8℃で保存。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 高カルシウム血症(9.5%):高カルシウム血症及び高カルシウム血症によると考えられる臨床症状が認められた場合には、血清カルシウム濃度を測定し、必要に応じて投与の中止や輸液等の適切な処置を行うこと〔7.3、7.4、8.1、10.2参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 神経系障害:(3~10%未満)頭痛、(3%未満)浮動性めまい、体位性めまい。
2). 心臓障害:(3%未満)動悸。
3). 一般・全身障害および投与部位の状態:(10%以上)注射部位反応(注射部位紅斑、注射部位内出血、注射部位発疹等)(33.8%)。
4). 胃腸障害:(3~10%未満)下痢、悪心。
薬物動態
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人男性に本剤50、75、100μgを単回皮下投与したときの血漿中遊離PTH(1-34)の薬物動態パラメータは次のとおりであった。
表1 単回皮下投与後の血漿中遊離PTH(1-34)の薬物動態パラメータ
<<表省略>>
16.1.2 反復投与
(1)健康成人
外国人健康成人に本剤12~24μgを1日1回10日間反復皮下投与したときの血漿中遊離PTH(1-34)の薬物動態パラメータは次のとおりであった。
表2 反復皮下投与後の血漿中遊離PTH(1-34)の薬物動態パラメータ
<<表省略>>
(2)副甲状腺機能低下症患者
外国人副甲状腺機能低下症の成人患者12例に本剤12~45μg(平均24.5μg)を1日1回反復皮下投与したときの定常状態における血漿中遊離PTH濃度推移は次のとおりであり、投与後24時間を通じて正常範囲内注4)を維持した。
図2 反復皮下投与したときの血漿中遊離PTH濃度推移
平均値±標準誤差(各測定ポイントにおける例数n=7~12)
遊離PTH:遊離PTH(1-34)濃度と遊離PTH(1-33)濃度を合算
<<図省略>>
注4)遊離PTHの正常範囲(約4~26pg/mL)は、血漿中の内因性PTH(1-84)濃度の正常範囲(10~65pg/mL)と、内因性PTH(1-84)に対するPTH(1-34)の分子量の比から算出された。
16.3 分布
健康成人、腎機能障害者及び副甲状腺機能低下症患者281例から得られたデータに基づく母集団薬物動態解析により、体重70kgの外国人健康成人女性に本剤を皮下投与したときの遊離PTHの見かけの分布容積(平均値(CV%))は8.7(18)Lと推定された。
16.4 代謝
パロペグテリパラチドは生理的条件下でリンカー部位が加水分解され、PTH(1-34)及びPTH(1-34)の活性代謝物であるPTH(1-33)を放出する。PTH(1-34)及びPTH(1-33)は同様の活性を有する。[18.1参照]
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害者
腎機能障害の程度が異なる被験者に本剤50μgを単回皮下投与したときの遊離PTH(1-34)、総PTH及びmPEGの薬物動態パラメータを、腎機能が正常(eGFR 90mL/min/1.73m2以上)な被験者(13例)と比較した結果は次のとおりであった。重度腎機能障害を有する被験者では、内因性PTH(1-84)濃度が高いことに起因し、遊離PTH(1-34)の曝露量が適切に評価されていない可能性がある。[9.2.1参照]
表3 腎機能障害者における単回皮下投与後の遊離PTH(1-34)、総PTH及びmPEGの薬物動態パラメータ
<<表省略>>
16.6.2 高齢者
母集団薬物動態解析の結果、年齢(19~76歳)は遊離PTHの曝露量に影響を及ぼさないことが示唆された。
臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 海外第III相試験
活性型ビタミンD製剤及びカルシウム剤による治療を受けている副甲状腺機能低下症患者82例を対象に、プラセボ対照無作為化二重盲験並行群間比較試験を実施した(本剤群61例、プラセボ群21例)。用法は、プラセボ又は本剤を1日1回皮下投与とされた。本剤の開始用量は18μgとされ、その後は患者ごとに、血清カルシウム値が正常となり、かつ活性型ビタミンD製剤及びカルシウム剤からの離脱が可能となるよう、6~60μgの範囲で用量が調節された。
主要評価項目は盲検期終了時(投与26週時)のレスポンダーの割合とされ、レスポンダーはアルブミン補正血清カルシウム濃度が正常範囲(8.3~10.6mg/dL)、活性型ビタミンD製剤からの離脱、カルシウム剤からの離脱、投与26週時より4週間以内に治験薬を増量していない、のすべてを満たす場合とされた。
盲検期終了時のレスポンダーの割合について、本剤群は78.7%(48/61例)、プラセボ群は4.8%(1/21例)、群間差[95%信頼区間]は73.9%[52.8,85.4]であり、プラセボに対する本剤の優越性が示された(p<0.0001、副甲状腺機能低下症の成因(術後、その他)で層別化したCochran-Mantel-Haenszel検定、有意水準両側5%)。試験期間中の本剤群の投与量(中央値[範囲])は、投与4週時では21.0[12,30]μg、投与26週時では21.0[9,39]μgであった。
盲検期終了時までの副作用の発現割合は本剤群で49.2%(30/61例)、プラセボ群で38.1%(8/21例)であり、本剤群の主な副作用は、注射部位反応31.1%(19/61例)、頭痛9.8%(6/61例)、高カルシウム血症9.8%(6/61例)、悪心8.2%(5/61例)であった。
17.1.2 国内第III相試験
活性型ビタミンD製剤及びカルシウム剤による治療を受けている副甲状腺機能低下症患者13例を対象に、非盲検非対照試験を実施した。用法は、本剤を1日1回皮下投与、本剤の開始用量は18μgとされ、その後は患者ごとに、血清カルシウム値が正常となり、かつ活性型ビタミンD製剤及びカルシウム剤からの離脱が可能となるよう、6~60μgの範囲で用量が調節された。
主要評価項目は有効性評価期終了時(投与26週時)のレスポンダーの割合とされ、レスポンダーはアルブミン補正血清カルシウム濃度が正常範囲(8.3~10.6mg/dL)、活性型ビタミンD製剤からの離脱、カルシウム製剤からの離脱、のすべてを満たす場合とされた。
有効性評価期終了時のレスポンダーの割合は、92.3%(12/13例)、投与52週時のレスポンダーの割合は、91.7%(11/12例)であった。試験期間中の投与量(中央値[範囲])は、投与4週時では21.0[12,27]μg、投与26週時では21.0[12,30]μg、投与52週時では22.5[12,33]μgであった。
副作用は投与52週時までに30.8%(4/13例)に認められ、認められた副作用は、注射部位紅斑、投薬過誤、高カルシウム血症、高カルシウム尿症が各7.7%(1/13例)であった。
なお、国内第III相試験において、本剤の1日投与量が30μgを超える場合、次表のとおりに2本のペンを組み合わせて投与された。
<<表省略>>
薬効薬理
18.1 作用機序
パロペグテリパラチドは、PTH(1-34)にリンカーを介してメトキシポリエチレングリコールを結合させたプロドラッグであり、皮下投与後、リンカー部分が加水分解することにより、PTH(1-34)が持続的に遊離する。
PTH(1-34)及び主な代謝物であるPTH(1-33)は、内因性PTH(1-84)と同様にPTH受容体に作用し、骨組織からのカルシウムの動員や腎臓の尿細管からのカルシウム再吸収の促進、小腸における活性型ビタミンD合成亢進を介した間接的なカルシウム輸送の促進により、血中カルシウム濃度を上昇させる。また、腎臓のリン再吸収を抑制すること等により、血中リン濃度を低下させる。[16.4参照]
18.2 副甲状腺機能低下症の動物モデルでの薬理作用
副甲状腺機能低下症モデルラットにおいて、パロペグテリパラチドを28日間反復皮下投与した結果、試験期間を通じて血中カルシウム濃度が上昇し、血中リン濃度が低下した。また、骨形成マーカー及び骨吸収マーカーの上昇、海綿骨の骨密度の低下が認められた。
医師の処方により使用する医薬品。
