ザズベイカプセル30mg
医療用
医療用医薬品:
医師の処方により使用する医薬品
医師の処方により使用する医薬品
- 収載区分
- 銘柄別収載
- 先発・後発情報
- 先発品(後発品なし)
- オーソライズド
ジェネリック - -
- 一般名
- ズラノロンカプセル
- 英名(商品名)
- Zurzuvae
- 規格
- 30mg1カプセル
- 薬価
- 646.80
- メーカー名
- 塩野義製薬
- 規制区分
- 劇薬
- 長期投与制限
- 14日(2027年03月末まで)
- 標榜薬効
- 抗うつ薬〔GABAA受容体機能賦活薬〕
- 色
- 橙:淡橙
- 識別コード
- (本体)@217 (本体)30 (被包)30mg (被包)@217 30
- [@: メーカーロゴ]
- 添付文書
-
PDF 2025年12月改訂(第1版)
- 告示日
- 2026年3月17日
- 経過措置期限
- -
- 医薬品マスタに反映
- 2026年4月版
- 医薬品マスタ削除予定
- -
- 運転注意
-
禁止情報あり(使用の適否を判断するものではありません)禁止
- ドーピング
- 禁止物質なし(使用の適否を判断するものではありません)
- CP換算
- -
- 長期収載品選定療養
- -
[識別コードの表記 @: メーカーロゴ]
外形画像
改訂情報
-
効能効果
うつ病・うつ状態。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること〔8.1-8.4、9.1.1、9.1.2、15.1参照〕。
5.2. 本剤は、抑うつ症状が認められる患者の急性期治療に用いること。抑うつ症状が寛解又は回復した患者における再燃・再発の予防を目的とした投与は行わないこと〔7.1、17.1.1、17.1.2参照〕。
用法用量
通常、成人にはズラノロンとして30mgを1日1回14日間夕食後に経口投与する。なお、本剤による治療を再度行う場合には、投与終了から6週間以上の間隔をあけること。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 薬物依存を生じるおそれがあるので、用法・用量を遵守するとともに、本剤による治療を再度行う場合には、治療上の必要性を十分に検討すること〔5.2参照〕。
7.2. 本剤を14日間投与し、抑うつ症状が寛解又は回復した後に再燃・再発が認められ、本剤による治療を再度選択する場合には、必ず本剤投与終了から6週間以上の間隔をあけること(本剤による治療を繰り返し行っても再燃・再発する場合には、他の治療法を検討し、漫然と本剤による治療を繰り返さないこと)〔17.1.1参照〕。
7.3. 本剤14日間投与後に抑うつ症状の改善が認められない場合や、本剤投与終了から6週間未満に抑うつ症状が悪化し薬物療法を行う必要がある場合には、本剤による治療を再度行わずに他の抗うつ薬による治療を行うなど、他の治療法を検討すること。
7.4. 本剤を14日間投与し、抑うつ症状が寛解又は回復した場合においても、患者の状態を定期的に観察するとともに、精神療法等の非薬物療法を行うなど、患者の状態に応じて適切な治療を行うこと。
7.5. 他の抗うつ薬への本剤の上乗せ効果は示されていないため、他の抗うつ薬で治療中の患者への急性期治療としては、本剤単剤による治療を行うことを検討すること〔17.1.1、17.1.2参照〕。
警告・禁忌・相互作用・その他の注意
(禁忌)
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
(重要な基本的注意)
8.1. うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること〔5.1、8.2-8.4、9.1.1、9.1.2、15.1参照〕。
8.2. うつ症状を呈する患者は、不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されているので、患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、本剤投与時に不安増悪、焦燥増悪、興奮増悪、パニック発作増悪、不眠増悪、易刺激性増悪、敵意増悪、攻撃性増悪、衝動性増悪、アカシジア増悪/精神運動不穏増悪、軽躁増悪、躁病増悪等が観察された場合には、投与を中止することを検討した上で適切な処置を行うこと〔5.1、8.1、8.3、8.4、9.1.1-9.1.5、15.1参照〕。
8.3. 自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること〔5.1、8.1、8.2、8.4、9.1.1、9.1.2、15.1参照〕。
8.4. 家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること〔5.1、8.1-8.3、9.1.1-9.1.5、15.1参照〕。
8.5. 眠気、めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
9.1.1. 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者:自殺念慮、自殺企図があらわれることがある〔5.1、8.1-8.4、9.1.2、15.1参照〕。
9.1.2. 双極性障害患者:躁転、自殺企図があらわれることがある〔5.1、8.1-8.4、9.1.1、15.1参照〕。
9.1.3. 統合失調症素因のある患者:精神症状が増悪することがある〔8.2、8.4、9.1.4、9.1.5参照〕。
9.1.4. 衝動性が高い併存障害を有する患者:精神症状が増悪することがある〔8.2、8.4、9.1.3、9.1.5参照〕。
9.1.5. 脳器質的障害のある患者:精神症状が増悪することがある(また、中枢神経抑制作用が強くあらわれるおそれがある)〔8.2、8.4、9.1.3、9.1.4参照〕。
9.1.6. 睡眠時無呼吸症候群又は中等度以上の呼吸障害のある患者:呼吸抑制があらわれるおそれがある。
(腎機能障害患者)
腎機能障害患者:腎機能が正常な患者と比べ、本剤の曝露量が増加し、副作用が強くあらわれるおそれがある〔16.6.1参照〕。
(肝機能障害患者)
9.3.1. 重度肝機能障害
(生殖能を有する者)
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(ラットにおいて催奇形性及び胚生存率低下・胎仔生存率低下が認められた。所見が認められなかった用量と臨床用量における曝露量比は3.9倍であった)〔2.2、9.4生殖能を有する者の項参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中へ移行することが報告されている)〔16.3.2参照〕。
(小児等)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(高齢者)
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に、生理機能が低下していることが多く、傾眠、鎮静、錯乱の危険性が高くなることがある)〔16.6.3参照〕。
(相互作用)
本剤は主にCYP3Aで代謝される〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:
1). CYP3Aを強く阻害する薬剤(HIVプロテアーゼ阻害剤、アゾール系抗真菌薬(イトラコナゾール等)、クラリスロマイシン等)〔16.7.1参照〕[本剤の作用を増強するおそれがある(CYP3Aの阻害作用により、本剤の血漿中濃度が増大する可能性がある)]。
2). CYP3Aを誘導する薬剤(リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等)〔16.7.2参照〕[本剤の作用が減弱するおそれがある(CYP3Aの誘導作用により、本剤の代謝が促進され血漿中濃度が低下する可能性がある)]。
3). 中枢神経抑制作用を有する薬剤(ベンゾジアゼピン系薬剤、フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体等)〔16.7.5参照〕、ミルタザピン、三環系抗うつ剤・四環系抗うつ剤(イミプラミン塩酸塩、アミトリプチリン塩酸塩等)[中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある(中枢神経抑制剤との併用で相加的な増強作用が考えられる)]。
4). アルコール(飲酒)〔16.7.6参照〕[中枢神経抑制作用が増強されるおそれがあるため、本剤服用中は飲酒を避けさせることが望ましい(エタノールと本剤は相加的な中枢神経抑制作用を示すことが考えられる)]。
(過量投与)
13.1. 症状
過量投与時、過度の中枢神経抑制症状があらわれる可能性がある。
13.2. 処置
過量投与時、特異的な解毒剤はない。
(適用上の注意)
14.1. 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
(その他の注意)
15.1. 臨床使用に基づく情報
海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、複数の抗うつ剤(本剤は含まず)の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した〔5.1、8.1-8.4、9.1.1、9.1.2参照〕。
(保管上の注意)
室温保存。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 錯乱状態(頻度不明):錯乱状態、せん妄、失見当識があらわれることがある。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(1%未満)発疹。
2). 精神神経系:(5%以上)傾眠(20.0%)、めまい(12.6%)、(1~5%未満)頭痛、(1%未満)振戦、鎮静、注意力障害、健忘、(頻度不明)嗜眠。
3). 消化器:(1~5%未満)悪心、下痢、口渇・口内乾燥、(1%未満)嘔吐、腹部不快感、腹痛。
4). 肝臓:(1~5%未満)ALT上昇、(1%未満)AST上昇、γ-GTP上昇。
5). その他:(1~5%未満)浮遊感、倦怠感、(1%未満)歩行障害、酩酊感。
薬物動態
16.1 血中濃度
健康成人9例にズラノロン10mg、20mg、30mgを食後単回経口投与注)したときの血漿中濃度推移を添付文書の図16-1に、薬物動態パラメータを表16-1に示す。
図16-1 単回投与時の平均血漿中濃度推移(健康成人)
<<図省略>>
表16-1 薬物動態パラメータ(健康成人、食後単回投与)
<<表省略>>
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人12例にズラノロン30mgを高脂肪・高カロリー食摂取後に単回経口投与したとき、空腹時単回経口投与に比べてCmax、AUCはそれぞれ4.09倍、2.33倍に増加した。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
健康成人を対象とした単回投与試験におけるex vivoの血漿蛋白結合率を測定した結果、99.5%以上であった(外国人データ)。
16.3.2 乳汁移行
健康授乳婦14例にズラノロン30mgを1日1回5日間食後反復経口投与し、投与5日目の乳汁中濃度を測定した結果、乳汁中へのズラノロンの移行が認められたものの、母乳を介して乳児が摂取する1日量は母体投与量の0.357%であった(外国人データ)。[9.6参照]
16.4 代謝
ズラノロンのヒトでの代謝は肝ミクロソームにおいてCYP3Aが主要な酵素であり、CYP2B6、2C8及び2C9も一部関与することが示された(in vitro試験)。健康成人男性8例に[14C]-ズラノロン30mgを空腹時単回投与したとき、血漿中での総放射能のAUCに対するズラノロン未変化体のAUCは4.87%であり、多数の代謝物が確認された(外国人データ)。[10参照]
16.5 排泄
健康成人男性8例に[14C]-ズラノロン30mgを空腹時単回経口投与したとき、投与144時間後までの尿中には投与放射能の41.2%が排泄され、未変化体は検出されなかった。投与216時間後までの糞中には投与放射能の37.0%が排泄され、未変化体としては投与放射能の1.6%が排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
軽度、中等度及び重度腎機能障害患者(それぞれ6例、5例及び7例)にズラノロン30mgを食後単回経口投与したとき、ズラノロンのCmax及びAUCの幾何最小二乗平均比(腎機能障害患者/健康成人)は、Cmaxが軽度、中等度及び重度でそれぞれ1.24、0.92及び1.03、AUCがそれぞれ1.30、1.50及び1.40であり、健康成人と比較して腎機能障害患者でAUCが増加した(外国人データ)。[9.2参照]
16.6.2 肝機能障害患者
軽度、中等度及び重度肝機能障害患者(それぞれChild-Pugh分類A、B及びC、各6例)にズラノロン30mg(重度肝機能障害患者では20mg注))を食後単回経口投与したとき、ズラノロンのCmax及びAUCの投与量で補正したパラメータの幾何最小二乗平均比(肝機能障害患者/健康成人)は、Cmaxが軽度、中等度及び重度でそれぞれ0.99、0.97及び0.76、AUCがそれぞれ0.86、1.08及び1.56であり、健康成人と比較して軽度及び中等度肝機能障害患者では違いは認められなかったものの、重度肝機能障害患者ではAUCが増加した(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.6.3 高齢者
健康高齢者と健康非高齢者(各9例)との間でズラノロン30mg食後単回投与時の薬物動態を比較したとき、高齢者のT1/2は17.9時間であり、非高齢者(13.9時間)と比べて延長したものの、Cmax及びAUCの幾何最小二乗平均比(高齢者/非高齢者)は、0.95及び0.88であり、違いは認められなかった。[9.8参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール
健康成人(16例)に、イトラコナゾール(200mg/日反復経口投与)投与中にズラノロン(20mg単回経口投与注))を併用投与し、ズラノロンの薬物動態を評価した。イトラコナゾールの併用により、ズラノロンのCmax、AUCはそれぞれ1.25倍、1.62倍に増加した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 リファンピシン
健康成人(16例)に、リファンピシン(600mg/日反復経口投与)投与後にズラノロン(30mg単回経口投与)を併用投与し、ズラノロンの薬物動態を評価した。リファンピシンの併用により、ズラノロンのCmax、AUCはそれぞれ0.31倍、0.15倍に低下した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 シンバスタチン
健康成人男性(12例)に、ズラノロン(30mg/日7日間反復投与)投与終了翌日にシンバスタチン(20mg単回経口投与)を投与し、シンバスタチン及び活性代謝物であるオープンアシド体の薬物動態を評価した。ズラノロンの前投与により、シンバスタチンのCmax、AUCはそれぞれ1.10倍、1.13倍に増加し、オープンアシド体のCmax、AUCはそれぞれ1.25倍、1.11倍に増加した(外国人データ)。
16.7.4 ブプロピオン
健康成人男性(12例)に、ズラノロン(30mg/日7日間反復投与)投与終了2日後にブプロピオン(100mg単回経口投与)を投与し、ブプロピオン及びブプロピオンの代謝物である水酸化体の薬物動態を評価した。ズラノロンの前投与により、ブプロピオンのCmaxは0.92倍に低下し、AUCは1.04倍に増加し、ブプロピオンの水酸化体のCmax、AUCはそれぞれ0.86倍、0.87倍に低下した(外国人データ)。
16.7.5 アルプラゾラム
健康成人(25例)に、ズラノロン(30mg/日6日間反復投与)最終投与時にアルプラゾラム(1mg単回経口投与)を投与したとき、アルプラゾラムの併用により、ズラノロン単独投与と比較して認知機能が低下した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.6 エタノール
健康成人(24例)に、ズラノロン(30mg/日6日間反復投与)最終投与時にエタノール(男性:0.7g/kg、女性:0.6g/kg単回経口投与)を投与したとき、エタノールの併用により、ズラノロン単独投与と比較して認知機能が低下した(外国人データ)。[10.2参照]
注)本剤の承認された用法・用量は「通常、成人にはズラノロンとして30mgを1日1回14日間夕食後に経口投与する」である。
臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(単剤治療)
18歳以上75歳以下のハミルトンうつ病評価尺度17項目版(HAM-D17)合計点が22点以上の大うつ病性障害患者注)を対象に、二重盲検パートと非盲検非対照パートで構成されるプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。二重盲検パートでは、本剤30mg又はプラセボを1日1回14日間投与し、その後6週間観察することとした。これ以降の52週間の非盲検非対照パートでは、HAM-D17合計点が14点以上、かつうつ病エピソードが2週間以上持続している際に本剤30mgを1日1回14日間投与し、少なくとも6週間観察することとした。その結果、主要評価項目である、二重盲検パート(404例)での本剤又はプラセボの14日間投与終了後におけるHAM-D17合計点のベースラインからの変化量は、表17-1のとおりであり、本剤群のプラセボ群に対する優越性が示された。また、二重盲検パートにおけるHAM-D17合計点の推移は添付文書の図17-1のとおりであった。
なお、他の抗うつ薬の前治療の有無別での本剤又はプラセボの14日間投与終了後におけるHAM-D17合計点のベースラインからの変化量(調整済み平均値±標準誤差)は、前治療有りでは、プラセボ群(62例)-5.4±0.65、本剤群(72例)-7.7±0.61であり、群間差[95%信頼区間]は-2.38[-4.14,-0.62]であった。前治療無しでは、プラセボ群(137例)-6.6±0.52、本剤群(133例)-7.3±0.53であり、群間差[95%信頼区間]は-0.63[-2.08,0.82]であった。
注)他の抗うつ薬を服用している患者は治験薬投与開始前に14日間のウォッシュアウト期間が設けられた(他の抗うつ薬投与中止直後より本剤を投与したデータはない。)。
表17-1 二重盲検パートにおけるHAM-D17合計点及びベースラインからの変化量
<<表省略>>
図17-1 二重盲検パートにおけるベースラインからのHAM-D17合計点変化量の調整平均値の推移図
<<図省略>>
投与群、時点、投与群と時点の交互作用を固定効果、ベースラインのHAM-D17合計点、性、評価対象うつ病エピソードに対する前治療薬の有無を共変量とするMMRM解析
非盲検非対照パート(271例)での本剤による治療を繰り返し行った際の治療回数毎※のHAM-D17合計点及びベースラインからの変化量は表17-2のとおりであった。なお、非盲検長期投与パートでの本剤による治療回数は、1回58例(21.4%)、2回43例(15.9%)、3回23例(8.5%)、4回21例(7.7%)、5回27例(10.0%)、6回99例(36.5%)であった。
※:本剤14日間投与及びそれに続く6週間観察を1回の治療と定義した。52週間の非盲検非対照パートでの治療回数は6回までであった。
表17-2 非盲検非対照パートにおけるHAM-D17合計点及びベースラインからの変化量
<<表省略>>
二重盲検パートでの本剤群の副作用発現頻度は34.1%(70/205例)であった。本剤投与期間中の主な副作用は傾眠13.2%(27/205例)、浮動性めまい12.2%(25/205例)、異常感6.3%(13/205例)であった。
非盲検非対照パートでの本剤の副作用発現頻度は33.9%(103/304例)であった。主な副作用は、傾眠14.5%(44/304例)、浮動性めまい9.2%(28/304例)であった。[5.2、7.2、7.5参照]
17.1.2 国内第III相試験(他の抗うつ薬に対する上乗せ治療)
18歳以上75歳以下の他の抗うつ薬投与中でHAM-D17合計点が14点以上の大うつ病性障害患者(107例)を対象に、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。抗うつ薬(選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)又はボルチオキセチン臭化水素酸塩)1剤に本剤(30mg)又はプラセボを14日間上乗せ投与し、その後6週間観察した。その結果、主要評価項目である本剤又はプラセボの14日間投与終了後におけるHAM-D17合計点の反応率※は表17-3のとおりであり、本剤群において、試験開始前に想定されていた反応率は得られず、プラセボ群と比較した本剤群の調整オッズ比の点推定は事前に規定された閾値1.14を下回り、かつ本剤群での反応率はプラセボ群よりも低い傾向であった。また、HAM-D17合計点の推移は添付文書の図17-2のとおりであった。なお、本試験ではプラセボ群と本剤群との間における臨床的に意味のある差を検出するための標本サイズは確保されておらず、統計学的な仮説検定に基づく群間比較は計画されなかった。
※:反応率とは、HAM-D17合計スコアがベースラインから50%以上減少した患者の割合と定義した。
表17-3 HAM-D17合計点及び反応率
<<表省略>>
図17-2 ベースラインからのHAM-D17合計点変化量の調整平均値の推移図
<<図省略>>
投与群、時点、投与群と時点の交互作用を固定効果、ベースラインのHAM-D17合計点、性、評価対象うつ病エピソードに対する前治療薬の有無を共変量とするMMRM解析
本剤群の副作用発現頻度は41.8%(23/55例)であった。本剤投与期間中の主な副作用は傾眠20.0%(11/55例)、浮動性めまい7.3%(4/55例)、悪心7.3%(4/55例)であった。[5.2、7.5参照]
薬効薬理
18.1 作用機序
ズラノロンは後シナプス部位及びシナプス外のGABAA受容体に作用するGABAA受容体ポジティブアロステリックモジュレーターであり、主要な抑制性神経伝達物質であるGABAによる一過的及び持続的抑制性電流の誘導を増強した。
18.2 薬理作用
マウスの社会的敗北ストレス誘発性うつ病モデルを用いた社会性行動試験において、投与1日目から他のマウスとの接触時間を増加させた。
医師の処方により使用する医薬品。
特定薬剤管理指導加算等の算定対象となる薬剤。
